<ゴルフパートナーpresents 2021年度 全国高等学校ゴルフ選手権大会 事前情報◇23日◇サンヒルズCC(栃木県)>
今年は日本ゴルフ界にとってビッグニュースが続く年となっている。梶谷翼の「オーガスタナショナル女子アマチュア」制覇にはじまり、松山英樹の「マスターズ」優勝。
そして笹生優花の「全米女子オープン」勝利に稲見萌寧が東京五輪で銀メダル。若い世代のゴルファーも増えている生涯スポーツのゴルフは、今や注目のスポーツといっていいだろう。
熱戦間近! 高校生ゴルファーの写真をお届け!【練習日フォト】
ゴルフ熱がこのまま、ますますの高まりを見せることを願うばかりだが、全国的に見て学校の部活動でゴルフ部がある高校が限られているのも事実。真剣にゴルフをやりたいと思っても、地元の高校にゴルフ部がないというのはよく聞く話だ。ゴルフ環境が整っている遠方の高校に進学する例は以前からあることだ。そんなケースを憂慮し、進み始めたプロジェクトがあった。

24日に開幕する『緑の甲子園』こと「ゴルフパートナーpresents 2021年度 全国高等学校ゴルフ選手権大会」の練習日に最近注目されている高校が練習ラウンドを行っていた。四国は徳島県の生光学園高。創部3年目の新米ゴルフ部は男女あわせて8名。その全員が団体戦出場のため、熱心に最終調整に精を出していた。
「実は徳島県には、高校ゴルフ部がなかったんです。そこで、徳島県ゴルフ協会がゴルフ部を作ろうということになり、スタートしたんです」。
同県出身で、中学までを同校で過ごしながら隣県のゴルフ強豪校・香川西高に進学しプロゴルファーとなった高橋佳伸さんが、現在監督を務める生光学園ゴルフ部創部の経緯を説明する。
元をたどれば、ジャンボ尾崎をはじめ健夫、直道の尾崎3兄弟。2度の賞金女王に輝いている鈴木愛、そして今年悲願の初優勝を飾った堀琴音、ツアー優勝経験者の谷口拓也、前田陽子など、徳島県は有名プロを何人も輩出してきた。ところが野球部に在籍していたジャンボと健夫の兄弟以外は、全員が他県への高校に進学するなど、人材の流失は当たり前だった。
他県に進学するとなれば費用面でも負担がかかる。そこで徳島県は“通える高校ゴルフ部”をつくった。
そして、創部1年目。男女それぞれ3人が入部し創設メンバーとなると、四国一になるなど、一気にその名前は全国区へと駆け上がった。
今年は四国高校ゴルフ選手権大会で男女ともに2位に入り全国大会の出場を決めたが、部員構成を見ると男子が3年生3人に1年生1人。女子は3年生3人に2年生が1人。今大会は4人が出場し上位3人のスコアが採用されるため、このまま3年生が卒業すると、来年以降は団体戦への出場が難しくなる可能性もあるが…。来年新入部員が入って3人以上そろえば話は別だが、これについてはどう考えているのか。

「もともと少数でやりたかったんです。いまの生徒も元々教えていた子たちもいて、それでゴルフ部に入ってもらいました。ギリギリの人数ですが、日本一を目指したいので、目の届かない状況にはしたくなかったんです」と高橋さん。「ゴルフはあくまでも個人競技なので、個人戦がメイン。団体戦も出られるにこしたことはないですけど」と、今後人数が足りない場合は仕方ないとの思いもある。
ちなみに、部活動は基本的に週7日間。
トレーニング、ラウンド練習、そしてキャディのアルバイトなど、1週間通してゴルフ漬けだ。夏冬には合宿も行っており、コロナ直前には部員6人がグアムで17日間の合宿を行ったが、これはキャディのアルバイト代から捻出したという。
「海外にも連れて行ってあげたいと思って。できるだけご家庭に負担をかけないように、子どもたちがアルバイトで稼いだお金をゴルフ場から父兄の方の口座に振り込んでもらって、子どもたちには手をつけさせないように(笑)。もし余ったら今後の大学進学や就職などに使ってもらえれば」(高橋さん)
創部直後から好成績を残してきた生光学園。四国女子アマで2位に入った都玲華(3年)をはじめ、島勝ひなた(3年)、村上美空(3年)、上野歩未(2年)の女子4人。
そして、古川惣一朗(3年)、勢井乃樹(3年)、山田直人(3年)、濱渕裕生(1年)の男子4人、3年生にとっては最後の団体戦で、全国一を目指す。

■高校男子団体 初日の組み合わせ
■高校女子団体 初日の組み合わせ
■出場校一覧
■徳島に強豪ゴルフ部が誕生! 2年目の生光学園が全国上位を目指す【全国高等学校ゴルフ選手権特別大会・男子】
■緑の甲子園 特設ページ