<全米女子オープン 事前情報◇31日◇パインニードルズ・ロッジ&GC(ノースカロライナ州)◇6638ヤード・パー71>
きっかけはホームコースが同じでご近所さんだったこと。畑岡奈紗は、たまたま練習場で鉢合わせたときに連絡先を交換すると、話はとんとん拍子で進み、「全米女子オープン」の前の週にラウンドをすることになった。
相手はそう、メジャー10勝を含むツアー通算72勝の女王アニカ・ソレンスタム(スウェーデン)だ。
アニカ・ソレンスタムは息子をともない練習
話が決まったのはラウンドの3日前。急きょ実現したレジェンドとの機会に、いくつものタイトルを手にしてきた23歳も興奮が収まらない。「会うまでのあいだ、何を聞こうかずっと考えていましたね」とソワソワ。「試合をやってきた感じですね。プレッシャーがありました(笑)」と翌週に控える全米女子オープンのリハーサルとしてはうってつけだった。

「メジャーで何か変えることはある?」。畑岡の質問に「普通の試合とやることは変わらないわ」と女王は答えた。「何かを変えず、やってきたことに自信を持ってやってきた、と言っていました。そして、最後はメンタル、と」。ここパインニードルズ・ロッジ&GCで行われた本大会にも勝っている名手の考えをふんだんに吸収した。
さらにリハーサルは続く。
開幕2日前となった31日(火)、畑岡が予約した練習ラウンドの時間にアニカも入れてきて実際のコースでも時間をともにすることとなった。「推薦でもなく、自分で権利を得て出てきただけでもすごいのですが、私の母と同い年なのに飛距離は10ヤードくらいしか変わらない(笑)。どんどんピンに絡むし、グリーンを外した時を想定したアプローチのバリエーションも非常に多かった」。自らの背中でパインニードルズの攻め方を畑岡に伝授したのだ。
昨年は笹生優花とのプレーオフに敗れ、あと一歩届かなかったタイトル。「調子が上がらないなかでも決勝ラウンドで伸ばして上位に入った。
あと一歩届かなかったけど、悪いところからプレーオフにいけた、自信となった大会」と言いつつも、最後はやっぱり「勝ちたかったのが強い」と悔しい思いが胸を占める。
現時点では「理想にはまだまだ遠い」としつつも、「最高の状態で臨めることはほとんどない。マネジメントなどを徹底してやっていきたい。あと1日、コースで必要なショットを確認して、コースでのマネジメントを確認していきたいですね」。女王からの助言通り、人事を尽くして天命を待つ。(文・秋田義和)

■笹生は全米女子アマ覇者と 渋野は全英制覇組【初日組み合わせ】
■資格は? 今週開幕の全米女子OPに出場する日本勢15人をおさらい!
■渋野は何位?最新の女子世界ランキング
■古江彩佳が24位に急浮上! 渋野日向子は?【米女子ポイントランキング】
■渋野日向子が何位? 米女子ツアー平均飛距離ランキング