アサヒ飲料、CO2吸収材を活用した道路用材料の実証実験開始 道路1平方メートルあたりCO2約0.9キログラム削減
アサヒ飲料は、「CO2を食べる自販機」で回収したCO2を活用した道路用材料を前田道路と共同開発し、5月下旬からアサヒ飲料の研究施設内の道路に活用する実証実験を開始すると発表した。

自動販売機を通じて吸収した大気中のCO2をアスファルト舗装材料に用いる取り組みは国内初。
吸収したCO2については、取り組みに賛同する各自治体や企業と共創しながら、さまざまな工業原料として活用することを計画するという。

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実証実験を行っているアサヒ飲料研究所内の道路(左) 取り組みを訴求する看板(右)道路の舗装に使用されるアスファルト混合物は、石粉や砂などを所定の割合で配合している。今回の道路用材料には、石粉の代替品としてCO2吸収材を利用。一般的な石粉を使用した場合と比較し、道路面積1平方メートルあたり約0.9キログラムのCO2排出量を削減できることが分かったとのことだ。

アサヒ飲料と前田道路は、2023年8月から道路などのインフラ設備を利用したCO2資源循環システムの開発および検証に着手。

アサヒ飲料がCO2吸収材を前田道路に提供し、前田道路はそのCO2吸収材を利用したアスファルト混合物の道路用材料としての可能性を検証。
CO2吸収材の道路用材料としての適用性やそれを利用したアスファルト混合物の仕様規定への適合性を確認し室内検証を終了したため、実道への適用に向けて施工性や耐久性等を評価するという。

また、合わせてアスファルト混合物の製造方法の検討や環境負荷の低減度等を検証し、全国の約120万キロメートルに渡ってネットワークされた道路の一部に適用した場合の効果も確認する予定であるとのことだ。

今後、アサヒ飲料と前田道路は相互協力のもと、CO2資源循環システムの更なる最適化を図っていくことで、カーボンニュートラルの実現を目指すとしている。