治安「悪化すると思う」88.4%で過去最高に あおり運転や闇バイト強盗に不安集まる
セコムは、全国の20歳から69歳の男女500人を対象に、「日本人の不安に関する意識調査」を実施し、その結果を公表した。今回で14回目となる同調査では、治安や犯罪に対する国民の不安意識が過去最高を記録したことが明らかとなった。


最近3年間の犯罪件数について「増えていると思う」と回答した割合は全体の86.0%(「増えていると思う」47.8%、「どちらかといえば増えていると思う」38.2%の合計)であった。

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最近3年間の犯罪件数また、今後の治安や犯罪について「悪化すると思う」との回答は88.4%に上り、2012年の調査開始以来、最も高い数値となった。なお、この数字は4年連続で増加しているという(2024年76.8%、2023年76.0%、2022年71.0%)。

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今後の治安や犯罪の悪化さらに、直近1年間で不安を感じた事件・事故としては、「あおり運転や逆走などの交通トラブル」(34.0%)、「闇バイトによる強盗」(33.8%)、「水道管など社会インフラの老朽化」(27.8%)が上位となった。2024年の1位であった「フィッシング詐欺」(26.4%)を上回り、体感治安の悪化に影響していると考えられるという。

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最近1年間で生活に不安を感じた事件・事故(複数回答)また、「トクリュウ(匿名・流動型犯罪グループ)」という言葉の認知度については、「知らない」と回答した人が65.0%であった。

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「トクリュウ」という言葉の認知防犯対策の実施状況に関する調査では、63.8%が「防犯対策をしていない」と回答し、その理由としては「具体的な対策方法が分からない」(36.7%)、「費用がかかるから」(20.4%)、「今まで危険を感じたことがないから」(16.6%)が挙げられた。

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(左)防犯対策の有無(右)防犯対策をしない理由(複数回答)家庭における防犯意識に関しては、長期の不在時に不安があるとした回答者は53.8%にのぼり、その不安の内容では「鍵の閉め忘れ」が66.9%と最多であった。

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(左)長期間、家を無人にするときの不安(右)長期間、家を無人にするときの不安内容(複数回答)また、在宅時の不安に関しては43.4%が「不安がある」とし、「突然の来訪者」が71.9%と最多で、次いで「知らない番号からの電話」(56.2%)が挙げられている。

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(左)在宅時の不安(右)在宅時の不安内容(複数回答)今後自宅に導入したい防犯グッズとしては、「監視カメラ」(34.2%)が1位、「窓ガラスの防犯フィルムや防犯ガラス」(23.6%)と「モニター付インターホン」(同23.6%)が同率で2位となった。

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今後、自宅で導入したい防犯グッズ(複数回答)同調査の結果を受けて、セコムIS研究所の研究員である濱田宏彰氏は、闇バイトや交通トラブルのように、個人の注意だけでは防げない事件・事故への不安が高まっていることを指摘している。加えて、旅行や帰省が増える夏期には、「鍵の閉め忘れ」や「突然の来訪者」など基本的な対策が重要であるとし、スマートロックやモニター付インターホンの導入など、具体的な防犯対策の実施を呼びかけている。


また、同社は長期外出時の防犯対策を「走るカレー」という頭文字にまとめ、次の6点を推奨している。「は」:配達物を止めておく、「し」:照明のタイマー設定で在宅を装う、「る」:留守番電話の応答は「在宅中」またはスマホ転送、「か」:鍵をきちんとかける、「れ」:連絡を親しい隣近所、近くの親族などに、「え」:SNSはすべて事後投稿への投稿、という内容である。

治安「悪化すると思う」88.4%で過去最高に あおり運転や闇バイト強盗に不安集まる
走るカレー

【調査概要】

調査期間:2025年6月13日~6月16日
調査方法:インターネット調査
対象者:全国の20歳以上70歳未満の男女500人
調査主体:セコム
実務委託先:楽天インサイト

<参考>
セコム『日本人の不安に関する意識調査
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