高齢者介護の音声AIアシスタント活用、利用者の8割が「役立つ」と回答 6割超が「コミュニケーションの改善」を実感
Amazonは、離れて暮らす65歳以上の親・親族の見守り、介護などのサポートに関与している516名を対象に、音声AIアシスタントの活用について調査を実施し、結果を公表した。

■同一または近隣都道府県で仕事をしながら介護、6割が子供あり 課題は「緊急時の対応」と「健康管理」

離れた場所に見守り・介護を必要とする高齢者がいる調査対象者の69.8%が公務員・会社員・自営業・パートなどの有職者であり、63.0%が子供ありと回答。また79.9%が、高齢者宅から離れた、同一または隣接する都道府県内に居住している結果となった。


現在行っている見守り・介護については、「病院への通院送迎(39.7%)」「定期的な音声通話での連絡(33.7%)」「買い物の代行(32.0%)」「健康・服薬状況の確認(31.8%)」などが上位に。

また見守り・介護における現在の課題については、「緊急時の対応(45.0%)」「健康管理(45.0%)」「認知機能の低下への対応(41.7%)」「日々の状況把握(38.8%)」「コミュニケーションの頻度(30.2%)」「精神的な孤独感への対応(29.8%)」などが挙がった。

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見守り・介護を必要とする高齢者がいる
調査対象者

■音声AIアシスタント利用者8割が「見守り・介護に役立つ」と回答 見守り、通話、リマインダー、家電操作などに活用

調査対象者の24.4%となる126名が、見守り・介護に音声AIアシスタントを利用しており、そのうち80.2%が音声AIアシスタントは見守り・介護に「非常に役立つ」「まあまあ役立つ」と回答。

その理由として、「孤独感がだいぶ薄れる」(男性64歳・秋田県・会社員・事務系)、「高齢者は電話に出ることにも時間がかかるので繋げることができ便利だと思う」(女性29歳・岡山県・専業主婦)、「離れていても見守れるから」(男性・28歳・愛知県・会社員・技術系)などが挙がった。

また、どのように音声AIアシスタントを活用しているかも調査。

その結果、「見守りカメラやセンサーとの連動(47.6%)」「音声・ビデオ通話(41.3%)」「音声AIアシスタントとの会話(37.3%)」「服薬・通院予定などのリマインダー設定(35.7%)」「照明・テレビ・エアコンなどの家電操作(33.3%)」といった理由が挙げられた。

高齢者を見守ったり会話を楽しんだりするだけでなく、リマインダーの設定や家電の操作など、音声AIアシスタントの多様な機能が活用されていることが判明。

高齢者介護の音声AIアシスタント活用、利用者の8割が「役立つ」と回答 6割超が「コミュニケーションの改善」を実感
見守り・介護に音声AIアシスタントは役立つか

■6割超が音声AIアシスタント利用で「高齢者とのコミュニケーションが改善」、「精神的/経済的負担が軽減」と回答

見守り・介護における音声AIアシスタントの使用頻度については、61.9%の利用者が毎日使用していると回答。

また、音声AIアシスタントを見守り・介護に利用したことによる調査対象者の変化を調査したところ、「見守り・介護をしなければという精神的な負担が軽減した(66.7%)」がトップに。

次いで「見守り・介護時間が短縮され、時間的な余裕ができた(65.1%)」「見守りサービス費用などの経済的負担が軽減した(65.1%)」「高齢者とのコミュニケーションが改善した(62.7%)」などが上位に続いた。

さらに、高齢者の変化については、「音楽などのエンターテイメントを楽しむ時間が増えた(68.2%)」「発話・発声する機会が増えた(65.1%)」「通院や投薬などの予定を忘れないようになった(65.1%)」「AIアシスタントと会話することで孤独感が解消された(65.1%)」が上位に。

音声AIアシスタントの導入により、調査対象者と高齢者の双方にポジティブな変化があったことが伺える結果となった。

なお、音声AIアシスタントを使用していないと回答した調査対象者は、57.4%が「音声AIアシスタントが見守り・介護に活用できることを知らない」と回答。


高齢者介護の音声AIアシスタント活用、利用者の8割が「役立つ」と回答 6割超が「コミュニケーションの改善」を実感
音声AIアシスタントを見守り・介護に利用したことによる変化
【左】介護者の変化、【右】高齢者の変化同調査結果より、離れた高齢者の見守り・介護をしており、日常的に音声AIアシスタントを活用している調査対象者にとって、音声AIアシスタントは見守りのサポートからコミュニケーションの活性化まで、一定の効果を上げていると認識されていることが明らかになった。

【調査概要】
調査方法:インターネット調査
調査対象地域:日本全国
調査対象:離れて暮らす65歳以上の親や親族の見守りや介護などのサポートに関与していると申告した516名
調査期間:2025年8月1日~8月3日
※同調査は、アマゾンジャパンがウェーバー・シャンドウィック(再委託先:マクロミル)に委託し実施。

<参考>
Amazon『離れて暮らす高齢者の見守り・介護における音声AIアシスタント活用実態調査
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