映画コメンテーターの清藤秀人が、3月20日(日)に放送された女優の戸田恵子がパーソナリティを務めるラジオ番組「戸田恵子 オトナクオリティ」(ニッポン放送・毎週日曜14時~14時30分)にゲスト出演。映画の祭典「第94回アカデミー賞」を特集し、最優秀作品賞の有力作品を予想すると共に、濱口竜介監督の『ドライブ・マイ・カー』の魅力も紹介した。

なぜ、映画『ドライブ・マイ・カー』は世界で注目されたのか? ...の画像はこちら >>

先月2月8日に行われた「第94回米アカデミー賞」で、俳優・西島秀俊が主演する『ドライブ・マイ・カー』が日本作品史上初の作品賞など4部門にノミネートされた。世界中で極めて高く評価されており、カンヌ国際映画祭でも脚本賞など4つの賞を獲得し話題をさらった。

戸田:『ドライブ・マイ・カー』がアメリカやカンヌで注目を浴びた理由を、清藤さんはどんな風に考えていますか?

清藤:とにかくセリフが一本調子で、それは意図的なんですけどね。まるで、俳優達の台詞合わせのような台詞なんです。

戸田:はい。

清藤:劇中劇で舞台を上演しているのですが、多国籍言語が飛び交う舞台劇なんです。だから、意思の疎通ができていないはずなのに、ひとつのプレイとして成立している舞台という、不思議な空間。

戸田:へえ!

清藤:そういう不自然さがあるのに、見てるうちにどんどん取り込まれていく、不思議な魅力。3時間の上映時間、気が付いたらどっぷり……っていう。

戸田:それは面白そう。実は全然内容を知らなかったので。

清藤:西島秀俊さんが演じる、妻を亡くした演出家兼俳優が、その喪失感と向き合いながら、やがて救済されていくんです。

三浦透子さんが運転する赤いサーブに乗って、どこに行くんだろう?っていう。まさに、ドライブ・マイ・カーなんです。

戸田:うん。

清藤:そこに凄く、「救済」というメッセージが込められていて。親しい人、愛する人を亡くしても、その先に……って。それがおそらく、今の世界の人達にヒットしたのではないかと。みんなやっぱり、失ってるじゃないですか。いろんなものを。

戸田:うん、うん。この時期ね、特にね。

清藤:友人から聞いた話ですが、アカデミー賞候補になった時、LAでプレ試写がいくつかあって、誰も出て行かずに見ていたと。アメリカだと作品がつまらないとすぐに退席しますから(笑)

戸田:本当にそうですよね。

清藤:シーンと静かに3時間見ていたそうですよ。

この他にも番組では、「第94回米アカデミー賞」作品賞にノミネートした『コーダ あいのうた』『パワー・オブ・ザ・ドッグ』『ウエスト・サイド・ストーリー』といった注目作品の裏話や、受賞を予想。

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