黒木瞳がパーソナリティを務めるニッポン放送「黒木瞳のあさナビ」(1月23日放送)にメイクアップアーティストで僧侶の西村宏堂が出演。LGBTQ+(プラス)として生きていくことについて語った。
西村宏堂
黒木瞳が、さまざまなジャンルの“プロフェッショナル”に朝の活力になる話を訊く「黒木瞳のあさナビ」。1月22日(月)~1月26日(金)のゲストはメイクアップアーティストで僧侶の西村宏堂。2日目は、メイクアップアーティストになるまでの経緯について
黒木)プロの方に申し上げるのも変ですけれど、メイクがお上手ですよね。
西村)メイクって難しいではないですか。私は料理に例えることが多いのですが、みんな料理するけれど、調理学校に行って朝ご飯をつくっているわけではないですよね。
黒木)そうですね。
西村)メイクに関しても、「どうやったら上手くなれるのだろう」とYouTubeを観たりしても、なかなか上手くなれるわけではない。でも、私は「どうにか上手くなりたい」と思って、21歳のときにニューヨークでメイクアップアーティストの方に弟子入りし、5年間見て学びました。そのあとはロサンゼルスのヘアメイク学校に行って勉強しました。母を相手に、母が嫌がるくらい練習しました。
黒木)お母様にモデルになってもらって。
西村)そうなのです。
黒木)私はやっていただく方が多いので、自分でメイクする機会が少ないのですよ。西村さんのいろいろなインタビュー記事を拝見すると、「メイクは(合計で)100%になればいい」とおっしゃっていますよね。
西村)やりすぎてはいけないのです。例えば眉も100%、目も100%、リップも100%だと、全部足して300%になるではないですか。ハンバーグが出てきて、天ぷらが出てきて、カレーも出てくるような感じだと多すぎてしまいます。ハンバーグだったらキャベツやトマト、ご飯があって100%になるように、メイクも目をはっきりさせて70%ぐらいにしておき、リップはキラッと10%で、眉毛も10%にする。うまく全部で100%になるようにすると、定食として成り立つのです。メイクしたくてたまらないけれど、引き算した方がまとまりがよくなります。

西村宏堂
黒木)自分でメイクする場合は、欠点も含めて自分を知ることが大切ですよね。
西村)そうですね。
黒木)先ほどメイクアップアーティストの助手になった話がありましたが、そのときお母様が「自分に投資しなさい」とおっしゃったそうですね。
西村)最初はメイクのレッスンを受けるところから始まったのですが、「4時間で10万円」と言われたのです。
黒木)すごく高いですね。
西村)そうなのです。当時20歳だったので、母親に相談したら「こうちゃんがずっとやりたかったことだから、投資だと思えばいい」と言ってくれて。
黒木)やはり投資は大事ですよね。好きなことが見つかって、好きなことをするのは苦にならないですものね。
西村)そうですね。
黒木)ハリウッド女優とのお仕事もできた。
西村)いろいろな夢が叶ったので、10万円の元はしっかり取ったかなと思います。

西村宏堂
西村宏堂(にしむら・こうどう)/メイクアップアーティスト・僧侶
■1989年・東京生まれ。実家は都内にある浄土宗寺院。
■ニューヨークのパーソンズ美術大学を卒業後、ミス・ユニバース世界大会などで各国代表のメイクを行うなど、メイクアップアーティストとして活動。ハリウッド女優やモデルも担当し、世界的な活躍を続ける。※日本での美容師免許は取得していない。
■2015年、僧侶として修業し、浄土宗の認定を受ける。
■LGBTQ+の当事者でもあり、自分の経験を活かし、ニューヨーク国連本部やイェール大学で講演。啓発のためのメイクアップセミナーを行うなど幅広く活動。
■2022年末には「紅白歌合戦」の審査員として出演し、話題を集めた。
■2023年9月号の『VOGUE JAPAN』で、コロンビア人の男性とパートナーシップを結んだことを発表。