『真夜中の太陽』(中央公論新社)著者:米原 万里Amazon |honto |その他の書店
中公文庫版の「あとがき」に米原万里はこう書いている。〈本書におさめられた文章は、二十世紀末から二十一世紀初頭にかけて、いくつかのメディアに連載したもので、いずれも今現在の日本と世界の状況を、わたしなりに解釈しようと試みたものばかりである。


では、そのころの米原はどんな立場から書いていたのだろうか。ひとことでいえば、政官財の集団がさまざまなトリックを仕掛けて、国民の税金をほとんど横領しているという立場で書いていた。彼女の見取り図では、世界中いたるところがそうなのだ。なるほど、現在でもこの図柄は生きている。彼女の文章がいまも新鮮なのはそのせいにちがいない。

【この解説が収録されている書籍】
20世紀末から21世紀初頭にかけての時事を、米原流に解釈
井上ひさしの読書眼鏡
『井上ひさしの読書眼鏡』(中央公論新社)著者:井上 ひさしAmazon |honto |その他の書店

【書き手】
井上 ひさし
(1934-2010)作家・劇作家。
山形県生まれ。上智大学外国語学部フランス語学科卒業。『ひょっこりひょうたん島』(共作)、『手鎖心中』『吉里吉里人』『きらめく星座』『ムサシ』『化粧』『父と暮せば』『井上ひさしの読書眼鏡』『井上ひさし全選評』他、多数の小説・エッセイ・戯曲の著作あり。演劇賞、文学賞を多数受賞。故郷山形県川西町には井上の蔵書20数万点で作られた図書館、遅筆堂文庫がある。

【初出メディア】
米原万里展「ロシア語通訳から作家へ」図録 2008年10月刊

【書誌情報】
真夜中の太陽著者:米原 万里
出版社:中央公論新社
装丁:文庫(251ページ)
発売日:2004-08-01
ISBN-10:4122044073
ISBN-13:978-4122044074