50代で老後に向けた資産をほどほどに形成していれば安心です。しかし、実際は、思ったほど貯蓄がない世帯が多いのが現実です。


「2023(令和5)年 家計の金融行動に関する世論調査」よると、金融資産保有額(ここでは日常的な出し入れ・引き落としに備えている部分を除いた「運用のため、または将来に備えて蓄えている資産」のこと)が100万円以下であると回答した世帯主が50歳代の世帯は、二人以上世帯では「36.5%」、単身世帯では「49.5%」です。

定年を迎える60歳までに老後資金を作ることを真剣に考えている人も多いことでしょう。今回は、貯めると合わせて取り入れてほしい2つの「お金持ち習慣」をご紹介します。

■お金持ち習慣1:スキルアップにつながることにお金を使う
50歳になったら、老後のための資産形成に気持ちを集中させましょう。

集中力を高めるときに邪魔になるのは、消費的な行動です。たとえば、食べ歩きやレジャー、ショッピングセンターやデパートに頻繁に行くことなど。
これらは、「たまに」行くのは気晴らしになります。しかし、いつも行くとなれば、単なる浪費でしかなく、老後の資産形成を妨げる材料となるでしょう。

そうならないためにも、スキルアップにつながることにお金を使うようにしましょう。

というのも、今からの時代は、60歳で定年になったら働かずに家にいるのではなく、働けるうちは働くという人が増えてきます。その際、今までと同じ仕事をしたい場合、違う仕事をしたい場合のいずれもスキルアップが必要になってくるのではないでしょうか。

50代のうちから、定年後の働き方をイメージして、必要な資格を取得したり、知識を得る準備にお金を使いましょう。


■お金持ち習慣2:ささいなお金を意識すること
いつもコンビニを利用している人、週に何回もカフェに行く人、100円ショップが好きな人、「送料無料」になるまで買い物する人、ATMの時間外手数料を支払うことが多い人、使わないサブスクを解約しない人などは、「特にぜいたくしているわけではないのに、お金がない……」と感じているかもしれません。

このような人が使ってしまう支出はどれもささいなものですが、意識的に止めない限り、ダラダラと支払い続けてしまい、意外に大きな金額に膨れ上がってしまいます。

まずは、これらの細かい支出を意識しましょう。具体的には、簡単なメモを残しておくか、レシートを集めておくようにするとよいでしょう。1週間に1度ぐらい、メモやレシートをチェックしてどのくらいささいなものにお金を使っているか意識化する習慣を付ければ、支出の多さに気が付き、使わなくなるものです。老後生活をゆとりのあるものにするためにも、意味のない細かなムダを放置しないようにしましょう。


文:舟本 美子(ファイナンシャルプランナー)

3匹の保護猫と暮らすファイナンシャルプランナー。会計事務所、保険代理店や外資系の保険会社で営業職として勤務後、FPとして独立。人と比較しない自分に合ったお金との付き合い方、心豊かに暮らすための情報を発信しています。