「家賃を払い続けるくらいなら家を買ったほうが得」――そう考える人は少なくありません。一方で、持ち家と賃貸のどちらが得なのかを巡る論争は今も続いています。


実業家・著作家のひろゆき(西村博之)氏は著書『貧しい金持ち、豊かな貧乏人 賢い安上がりな生き方80の秘訣』(徳間書店)の中で、「持ち家は資産ではなく負債」だと語っています。

なぜ持ち家を「負債」と捉えるのか。賃貸暮らしのメリットにも触れながら、住まい選びに対するひろゆきさんの考え方を見ていきましょう。

■なぜ「賃貸vs持ち家」論争は終わらないのか
とにかくお金がかかるのが居住費である。そして居住費をめぐる話題になると決まって出てくるのが賃貸か持ち家かの議論だ。ずーっと議論されているテーマだ。ずーっと議論されているのは答えがないからだ。どっちがいいかは人による。

賃貸暮らしも持ち家暮らしもそれぞれメリット、デメリットがある。ただし単純なお金の損得でいえば、賃貸のほうが圧倒的にいい。持ち家は完全に不利だ。

日本の場合、一等地をのぞくと、住宅の価値は年月とともに右肩下がりをたどる。
特に築浅の物件を買う場合は要注意だ。築20年くらいになれば価値の下落も底を打つが、築浅だと買ったそばからみるみる値下がりしていく。

なかでも新築マンションや新築建売住宅は最悪だろう。買った瞬間に1~2割値下がりしてしまう。これは販売価格に不動産会社の営業経費が含まれているからだ。

どうしても持ち家がほしい。でも損はしたくない。そう考えるなら、あるていど築年数が経った中古物件を買えばそこまで損はしないだろう。かたやコスパよく、築浅のきれいな家に住みたいのなら賃貸一択である。

■賃貸暮らしのほうが合理的な理由
賃貸暮らしの最大のメリットは自由度の高さだ。いつでも引っ越せる。だから転勤や育児といったライフスタイルの変化のみならず、不測の事態にも対処しやすい。


持ち家暮らしだとそうはいかない。住み替えのため、やむをえず売却や賃貸に出したところで庶民向けの物件は引き取り先が見つかりづらい。安く買い叩かれるのがオチだ。

日本はこれから一気に人口減が進む。一等地をのぞく不動産価格はますます値崩れするだろう。損をしたくないなら、いまはなおさら家は買わないほうが賢明である。

加えて日本は自然災害大国だ。世界で発生する地震(マグニチュード6以上)の約2割が日本で起きている。もし首都直下地震に見舞われれば、一等地もひっくるめて不動産価格は暴落する。

持ち家暮らしはリスキーである。住み続けるかぎり維持費(メンテナンスや修理)もかかる。賃貸暮らしで出費を抑え、貯金や投資にお金をまわしたほうが合理的だ。


■持ち家は「資産」ではなく「負債」だ
賃貸暮らしだとただ家賃を払い続けて終わる。持ち家暮らしだとローンを払い終えれば資産として残る。いまだにそう考える人が少なくない。でもそれは幻想だ。庶民が買えるような家に資産価値はない。

そもそも資産とはその所有者に金銭的な利益をもたらすものをいう。いつでも換金できて、お金を増やしてくれるものが資産だ。

35年ローンを払い終えた古びた家がお金をもたらしてくれるだろうか。売却しようにも大金をはたいてフルリノベーションしなければ買い手はつかないだろう。売れたら売れたで所得税や住民税が乗っかってくる。さらに仲介手数料もかかる。

もしまだローンが残っていたら、売却時にそれを完済しなければならない。
売却益がローン残高を下回るようなら、そのぶんのお金を工面するはめになる。

庶民の持ち家は資産どころか負債だろう。35年ローンという気の遠くなる負債である。資産価値はほぼゼロだ。都心でもないかぎり土地の価値もしれている。

■老後に家を買うという選択肢もある
お金の損得はどうでもいい。とにかく家を持ちたい。そこで幸せな家庭を築きたい。家を買っていいのはそんな夢と覚悟がある人だけだ。

持ち家=資産は不動産会社がまき散らしているウソだ。資産性があるのは一等地の物件にかぎられる。

でも老人になると部屋を貸してもらえなくなるから、いまのうちに家を買っておいたほうがいい。
そう指摘する人もいる。たしかに65歳以上の年金暮らしの人が賃貸物件に引っ越すのは難しいだろう。70歳を過ぎると年齢だけで断られてしまう。

とはいえ、先回りして家を買う必要はない。年を取ったときに貯めておいたお金で安いマンションを買えば済む話だ。リタイアしているのだから駅の近くでなくていい。あえて都会で暮らす理由もない。田舎に行けば300万円でマンションを買える。

長閑な場所でゆったり余生を過ごす。老後のひとつの理想だと思う。現役時は賃貸、そして退職後は持ち家。人生の収支決算としてそれがいちばん安上がりなのだ。


この書籍の著者:ひろゆき(西村博之)プロフィール
1976年、神奈川県生まれ。1999年、インターネットの匿名掲示板「2ちゃんねる」を開設し、管理人となる。2005年、株式会社ニワンゴの取締役管理人に就任し、「ニコニコ動画」の運営に携わる。2009年、「2ちゃんねる」の譲渡を発表。2015年、英語圏最大の匿名掲示板「4chan」の管理人となる。現在、数多くのネットメディアに出演する、日本を代表する論客の1人。著書多数。
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