外国客船といえばダイヤモンド・プリンセスを思い浮かべる方も多いでしょう。ホスピタリティや大浴場が好評で、2027年春からは姉妹船サファイア・プリンセスも加わり、2隻体制での日本発着クルーズが始まります。
ともに2004年に長崎で建造され、長年にわたり愛されてきましたが、プリンセス・クルーズでは次世代の客船も続々と登場しています。

そこで今回は、プリンセス・クルーズの最新船スター・プリンセス(2025年就航)のアラスカクルーズに乗船。優雅さはそのままに、過ごし方の選択肢が増え快適性がアップした同船の魅力をひも解きます。

最新船には時代のトレンドや船社の思いがいち早く反映され、他の船へと展開されていきます。実はダイヤモンド・プリンセスでもこの春から体験できるサービスもあるので、ぜひチェックしてくださいね。

■17万トン超えの最新船が目指す、新しいクルーズの形
中央に球体を抱くユニークな船体が印象的なスター・プリンセス。17万トン超の船内は21階建てで地上から見上げると圧巻の大きさ。ダイヤモンド・プリンセス(約11万6000トン)と比較してもスター・プリンセスの大きさが際立ちます。最新技術を活用したエンターテインメント施設の中には、新造船だけで体験できるものもあります。

また特筆すべきは「食」。船内には30以上のレストランやバーがあり、著名シェフやセレブリティとコラボしたスペシャリティ・レストランも10以上と多彩。味はもちろん、個性あふれる内装やプレゼンテーションも楽しく、食事そのものがエンターテインメントになっています。


■大型船なのに驚くほど優雅。その理由とは?
17万トン超というと、日本発着で親しまれているMSCベリッシマとほぼ同サイズです。ただ、プレミアム船の「スター・プリンセス」は、施設や船内の雰囲気、過ごし方が大きく異なります。

例えばスター・プリンセスにはスポーツコートやジョギングコース、ジムなどはありますが、大型のカジュアル船に見られるようなウォータースライダーやアスレチック施設、テーマパークのような遊戯施設はありません。

その代わり甲板には、海を眺めながらのんびりと過ごせる場所が数多く用意されています。お気に入りの場所でデッキチェアに横になったり、ドリンク片手に景色を楽しんだり。船内を歩いていると、思い思いの時間を過ごす人たちの姿が目に入ります。

筆者が最も驚いたのが、スター・プリンセスではクルーズ中に混雑でストレスを感じることが、ほぼなかったこと。船が17万トン超えの大型になると、混雑や待ち時間があるのは仕方ないのですが、レストランや乗下船時もスムーズで快適。一時的に待ち時間が発生しても、すぐに解消されストレスとは無縁でした。

これは乗客定員を約4000人としていること(参考:MSCベリッシマは約6000人)、エンターテインメント施設を複数設けるなど、人の流れを分散させる工夫をしている点が大きいと感じます。

■数あるエンターテインメントはお好みで
メインとなるエンターテインメント施設「プリンセス・アリーナ」は、舞台が回転・昇降し、映像技術を駆使した演出によって迫力あるショーを展開。
客席近くまで演者が降りてくる演出もあり、より没入感のある体験が楽しめます。

船の中央、球体部分にある「ピアッツァ」は、3層吹き抜けの円形空間。舞台を囲むように座席が配され、バーやカフェメニューを楽しみながら観覧できるのが特徴。キャプテン主催のウェルカム・パーティーや生演奏、アクロバティックなショー、参加型イベントなど、多彩なプログラムが一日中行われにぎやかです。

船尾にあるガラス張りの「ザ・ドーム」は、刻一刻とかわる景色を映し出し、夜にはキャンドルナイトや幻想的な音楽イベントなども開催されます。

ほかにも「プリンセス・ライブ!」では講演会やクイズ大会が行われ、カジノもプリンセス史上最大級の規模を誇るなど、過ごし方の選択肢が幅広く、結果として船全体にゆとりが生まれているのだと感じます。

■明るくモダンな客室。使いやすい水回りに感動
滞在したデラックス・バルコニーの客室は、白やベージュを基調とした明るい空間に、青やオレンジのクッションがアクセントを添えモダンな雰囲気。木目調の床も上質感を演出しています。

特筆すべきは水回り。シャワーブースにはガラス扉が採用され、シャワーヘッドは可動式。水量や温度もそれぞれ調整ができるなど快適に利用できます。


晴天に恵まれた今回のクルーズでは、バルコニーは朝のコーヒータイムや航海中にシャンパンを飲みながら景色を楽しむなど、特等席となりました。

■世界的な賞を受賞したダイニングなど、食の楽しみが豊富
スター・プリンセスの最大の特徴は「食」。こだわりのダイニングが多くどこへ行こうか迷うほど。クルーズ代金に含まれるものとしては、メイン・ダイニング、ビュッフェレストラン、プールサイドのハンバーガーやタコス、ピザなどがあります。

メイン・ダイニングは2名席も多く親しい人同士、落ち着いて食事を楽しめます。

ビュッフェレストラン「イータリー」にはエスニック料理など各国の料理が並び、サラダやサンドイッチ、デザートなどがパックに入り自由に持っていけるテイクアウトコーナーは、時間のないときや、屋外でピクニック気分で楽しみたいときに重宝します。

ただ、スター・プリンセスの最大の魅力はスペシャリティ・レストランにあります。ラブ・バイ・ブリットは、世界的アーティスト、ロメロ・ブリットの作品が飾られたキュートな空間で、ハートをモチーフにした料理がいただけます。演出がロマンチックで、記念日やハネムーンにぴったり。

ウマイ・鉄板焼きは、目の前で繰り広げられるパフォーマンスが魅力。言葉を超えて楽しめるレストラン。肉好きならブッチャーズ・ブロック・バイ・ダリオもおすすめ。
さまざまな部位を異なるスタイルで味わうことができます。

そして日本人にとってうれしいのが江戸前寿司レストラン「マコト・オーシャン」。世界で活躍する日本人シェフ・大桑誠氏が監修し、日本人が食べても感動する味わいを海の上で実現。予約が取りにくい人気店のオーナーシェフである大桑氏のこだわりを船上で楽しめ、すでにさまざまな賞を受賞するなど注目を集めています。

実はこのコンセプトは新造船に続き、日本発着のダイヤモンド・プリンセスにも2026年春にいちはやく導入され「海(kai)寿司・バイ・マコト」で味わうことができます。ダイヤモンド・プリンセスに乗船予定の方は要チェック! 人気なので乗船前に予約がおすすめです。

■プリンセス・プレミアの威力発揮! 記念日利用にはぜひ
魅力的なスペシャリティ・レストランですが、クルーズ代とは別に料金がかかります。

そこで検討したいのが料金プラン「プリンセス・プレミア」。1泊1万4000円×泊数分のチャージがかかりますが、20ドルまでのお酒やスペシャリティコーヒーなどがフリードリンクとなり、Wi-Fi(4デバイス)、チップ(通常1泊当たり18~20ドル)に加え、スペシャリティ・レストランの無制限利用がパッケージになっています。

紹介した以外にもスペシャリティ・レストランがあり、それが何度でも利用ができるとあって食の楽しみがグーンと広がります。私はお酒はたしなむ程度なのでドリンクパッケージにはあまり興味はもたないのですが、スター・プリンセスは別格!

さらに船内ではフォトグラファーによる撮影機会も多いのですが、プリンセス・プレミアなら写真データのダウンロードと印刷3枚も料金に含まれ、ハネムーンや記念日で乗船する方には特におすすめです。

■最新船スター・プリンセスはどこで乗れる?
上質なホスピタリティはそのままに、船内で過ごす楽しみを広げたスター・プリンセスは、2026年、2027年ともに、5月から9月まではアラスカに配船、秋冬のシーズンはカリブ海や中米方面を航海します。


アラスカクルーズは、日本から直行便のあるシアトル発着で参加しやすく、氷河や野生動物など体験価値の高い人気航路。それでいて比較的リーズナブルな料金とあって、初めての海外クルーズにおすすめです。

また姉妹船サン・プリンセスは夏から秋にかけて地中海方面を運航するので、こちらを検討するのもいいでしょう。

今年(2026年)のクルーズは直前ディスカウントとなっており、例えば9月のスター・プリンセスのクルーズは10万円を切るなど破格。ただし現地までの航空券が必要なので、燃油サーチャージが高騰している今は難しいという方も多いことでしょう。

まずは日本発着クルーズでクルーズの魅力や楽しみ方を体験、情勢をみながら海外クルーズへステップアップするのもいいでしょう。日本発着クルーズとは異なる景色や文化、船との出会いも海外クルーズの魅力。経験を重ねるほど、クルーズの楽しみ方はさらに広がっていきます。

▼村田 和子プロフィール旅行ジャーナリスト。「旅で元気になる」をテーマに活動。親子で47都道府県を踏破し旅育メソッドを提唱。著書に「旅育BOOK(日本実業出版社)」。
クルーズコンサルタント、総合旅行業務取扱管理者。大人旅、ひとり旅も得意!
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