定年後の暮らしを迎えるにあたり、「毎月の生活費が足りなくなったらどうしよう」という不安を抱える人は多いものです。

いわゆる「老後2000万円問題」などの数字に振り回されず、現実的に毎月いくら不足し、どう備えればいいのでしょうか。
経済ジャーナリストでAll Aboutマネーガイドの酒井富士子さんに教えてもらいました。

■老後の支出と収入はプラマイゼロに収めたい
定年後の日々の生活費(支出)は、毎月の給与や公的年金といった収入の範囲内で、プラスマイナスゼロに収めるのが理想の形です。

例えば、年金収入が夫婦で「22万円」あれば、生活費もその範囲位に収めるということです。

ただし、現実には現役時代よりも収入が下がるため、どうしても毎月のやりくりで足りなくなる可能性が出てきます。そこで現役時代のうちに準備しておきたいのが、基本生活費の「予備資金」です。

■年50万~100万円の不足を想定しておく
目安としては、年間で50万~100万円の不足分を補えるだけの資金を読んでおきましょう。これが世間で言われる「老後2000万円問題」のリアルな正体です。

(65歳から85歳までの)20年×50万円~100万円=1000万~2000万円

そして、この不足金をカバーする一番の特効薬は、できるだけ長く働くことです。

例えば、夫婦で月5万円ずつでもいいので、再雇用制度やパート就労などで70歳まで働き続けることができれば、手持ちの老後資金を大きく取り崩さずに済みます。まとまった取り崩しの時期を70歳まで先送りできれば、それだけで資産寿命は一気に伸びていくでしょう。

さらに、一般的には年齢を重ねるごとに生活費もサイズダウンしていきますから、70歳以降の精神的な安心感は格段に変わってくるはずです。

元気なうちに働いておくことは、健康維持のためにはもちろん、老後の生活防衛の観点からも、これ以上ない強力な対策になりますよ。


文:酒井 富士子(経済ジャーナリスト)
「日経ウーマン」「日経マネー」副編集長歴任後、リクルートに転職し、定年あるじゃん、あるじゃん投資BOOK等の立ち上げ・編集に関わる。2006年にお金専門の制作プロダクション「回遊舎」を創業。「ポイ活」の専門家としても情報発信を行う。
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