■Q. 「更年期のつらさを頑張って乗り切ろうとするのは逆効果」って本当ですか?
「更年期に入り、だるさや抑うつなどの症状に悩まされています。仕事はこれまで通り忙しく休めないので、周りの人の迷惑にならないよう『病気ではないのだから、気合いで乗り切ろう!』『だるさは気持ちの問題』と頑張ろうとするのですが、体がついてきません。


どう頑張ればこのつらい時期を越えられるのか、アドバイスをいただきたいです」

■A. 気合いで乗り切ろうとするのは逆効果です。上手に生活を見直して、症状は和らげましょう
「つらくても気合いで乗り切ろう」「今まで通り全力で頑張ろう」という姿勢は、頑張り屋さんのタイプの人に多く、一見立派に思えます。しかし残念ながら、更年期においてはむしろ症状を悪化させてしまう考え方ですので、注意が必要です。

更年期はとは、皆さんもご存じの通り、閉経をはさんで前後10年ほどの時期を指します。この時期は女性ホルモンが急激に低下するため、のぼせ・ほてり・めまい・抑うつといった症状が出やすくなります。

また、体の変化だけでなく、責任の重い仕事を任されたり、子どもの独立や親の介護が重なったりと、暮らしの「ライフステージ」の大きな変化にも直面しやすい時期です。

ホルモンの変化と生活の変化が同時に押し寄せるため、つらい症状を抱えながら、無理をしてしまう女性が多いと考えられます。

更年期の症状には個人差がありますが、実は特に症状が重く出やすいのは、

・とても頑張り屋さんで何事もフルパワーで取り組もうとするタイプ
・自分のことは後回しにして、人のお世話を一生懸命するタイプ

の女性です。

逆に症状が軽い人は、つらいときには「今まで通り」に固執せず、これまでの80%くらいの出力で生活することを意識しています。

つまり気合いで乗り切ろうと頑張り続けるほど心身への負担は大きくなりやすく、「頑張ることをやめてみる」選択こそが、症状を和らげる鍵になっている可能性があるのです。

ただし、のぼせやめまいや疲労感といった症状は、更年期だけが原因ではない可能性があります。バゼドウ病・橋本病などの甲状腺機能の異常や、片頭痛といった別の病気が隠れていることもありますので、「更年期だから仕方ない」と自己判断しないことも大切です。


気になる症状が続くときは医療機関を受診しましょう。

更年期は誰にでも訪れる自然な変化の時期です。これまで全力で頑張ってきた人は、「頑張らなければ」「迷惑をかけないようにしなくては」という気持ちを少し手放すことをおすすめします。

自分の心と体をいたわる時間を持つことが、この時期を軽く乗り切るための第一歩になるはずです。

▼清水 なほみプロフィール女性医療ネットワーク発起人・NPO法人ティーンズサポート理事長。日本産婦人科学会専門医で、現在はポートサイド女性総合クリニック・ビバリータ院長。女性医療の先駆者の下、最先端の性差医療を学び、「全ての女性に美と健康を!」をコンセプトに現場診療にあたる。ネット・雑誌・書籍等の媒体を通し幅広く健康啓発を行っている。
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