■Q. 「食後に眠くなるのは糖尿病のサイン」って本当ですか?
「最近、食事が終わると毎回猛烈に眠くなってしまいます。『糖尿病になると食後に眠くなる』と聞きますが、本当でしょうか? 不安なので病院に行こうかとも思うのですが、ただ眠くなるだけで受診していいのか迷っています」

■A. 多くは自然な体の反応ですが、注意が必要な場合もあります
結論からお伝えすると、食後に眠くなること自体は、必ずしも糖尿病特有の症状ではありません。
食後の眠気は、多くの方が経験する自然な体の反応です。

食事を始めると、消化のために血流が消化管に集中し、リラックスをつかさどる副交感神経が優位になります。体が休息モードに入りやすくなるため、眠気を感じやすくなるのです。

加えて、私たちの脳には血糖値の上昇を感知するセンサーが備わっており、食事で血糖値が上がると、それを脳が感知して、睡眠に関わる神経細胞が活性化します。これも自然な生体メカニズムのひとつです。

ただし、近年注目されているのが、食後の血糖値が急激に上下する「グルコーススパイク」(一般的には「血糖値スパイク」とも)と眠気の関係です。

血糖値が急上昇すると、それを下げようとインスリンが大量に分泌され、その後血糖値が急激に低下します。この変動が、眠気やだるさにつながると考えられています。実際、食後血糖値が高い方ほど、食後の眠気を強く訴える傾向があるとの報告もあります。

ただし、この因果関係については、まだ確立したエビデンスがあるわけではなく、あくまで関連が示唆されている段階です。

眠気が気になる場合は、まずは以下の点を心がけて、眠気が改善するかを試してみてください。

・食後はすぐに横にならず、後片付けや軽い散歩など体を動かす
・早食いや糖質から先に食べるなど、血糖値が急上昇しやすい食べ方を避ける
・食後にすぐ休まず、血糖値が下がりやすい状態をつくる

食後の眠気は、それだけで病気を意味するものではありませんが、糖尿病以外にも関連する病気はあります。


眠気が強く日常生活に支障が出ている場合や、肥満・いびきなどが気になる場合は、睡眠時無呼吸症候群など別の病気が隠れていることもあります。

「眠気くらいで」というためらう気持ちもあるかと思いますが、気になる症状が長引くときは、早めに医療機関に相談すると安心です。

荒牧 昌信プロフィール日本内科学会総合内科専門医。「やさしい言葉とわかりやすい説明」をモットーに、クリニック院長として外来診療に従事。糖尿病・生活習慣病に関するセミナー・講演会も多数。ひとりでも多くの人が健康的な生活を送れるよう、役立つ医療情報を発信中。
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