2024年2月6日より東京・帝国劇場にて開演するミュージカル『ジョジョの奇妙な冒険 ファントムブラッド』の製作発表記者会見が11月16日に開催。ここでプロモーション映像が初公開、さらにメインキャストの松下優也、有澤樟太郎、宮野真守、清水美依紗、YOUNG DAIS、東山義久、廣瀬友祐、別所哲也、そして脚本・振付を担当する長谷川寧が登壇し、舞台への熱い期待を語った。


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シリーズ累計発行部数1億2000万部を誇り、全世界で多くのファンを魅了する荒木飛呂彦の大人気コミックシリーズを原作に、その始まりとなる「第1部 ファントムブラッド」をベースに、帝国劇場にて世界初の舞台化が決定。
19世紀末のイギリスを舞台に、主人公ジョナサン・ジョースター(通称 ”ジョジョ” )と運命的な出会いを果たすディオ・ブランドーを中心に、〈謎の石仮面〉をめぐる熱き戦いと奇妙な因縁を描いた壮大な物語を、圧倒的スケール感と豪華絢爛な装いを併せ持つグランド・ミュージカル形式で描いていく。

このビッグプロジェクトに相応しい、実力・人気ともに兼ね揃えた豪華キャストが集結。主人公ジョナサン・ジョースター役は松下優也、有澤樟太郎のWキャスト、その因縁のライバルであるディオ・ブランドーを宮野真守が演じる。
そしてジョナサンの想い人であるエリナ・ペンドルトンは清水美依紗、ジョナサンの仲間となるスピードワゴンをYOUNG DAIS、ジョナサンを導く頼もしい存在であるウィル・A・ツェペリは東山義久、廣瀬友祐がWキャストで務める。
そのほか河内大和(切り裂きジャック)、島田惇平(ワンチェン)、コング桑田(ダリオ・ブランドー)、別所哲也(ジョースター卿)と隙のない演技陣が舞台を「ファーストブラッド」の世界に染め上げる。


キャスト陣が揃ったのはこの日が初めてとのことで、ジョナサン・ジョースター役の松下は「もう今からワクワクします!」と興奮を隠しきれない様子。同じくWキャストでジョナサン役を演じる有澤さんは「この役を演じたい、この作品に入りたいと思った人が何人いたのかと思うと、身が引き締まる思いです。作品のスケール感を楽しみながら、熱いハートで演じ切りたい」と抱負を述べた。

ジョナサンのライバルとなるディオ・ブランドー役の宮野は「(登壇者は)みんな『ジョジョ顔』をしている。この濃い面子で最高の舞台を作り上げていきます!」、そしてエリナ・ペンドルトン役の清水さんは「豪華キャストの皆様、演出家の長谷川さんと一緒にこの作品をたくさんの方に届けていけたらいいなと思います」と語ると、今回ミュージカル初挑戦となるスピードワゴン役のYOUNG DAISは「自分自身が大好きで人気のキャラクターであると思うので、フレッシュな気持ちを大切にして最後までやりきりたい」と自身の思いをアピールした。

ウィル・A・ツェペリ役の東山は「原作が大好きでずっと読み込んでいて、舞台化の話を聞いた時、もし関われなくても絶対に観ようと思っていた」とそのファンぶりを熱烈アピール、同じくツェペリ役をWキャストで演じる廣瀬は「この作品の一部になれることを光栄に思います」と、作品への敬意を示した。

「お話いただいた時に『ジョジョ役ですか?』って聞いたんですけど……父です」と語って会場を明るく盛り上げたジョースター卿役の別所は、「台本や音楽、衣装といった要素がどう作品として結晶化するのか、皆さんと一緒に冒険したいと思っています」と笑顔で語った。

製作:東宝 (C)荒木飛呂彦/集英社

ここからは質疑応答へ。演出プランについて訊ねられた長谷川は、「現在、振付を作っている段階です。今までいろんなジャンルに携わってきたので、スタッフなど含めてそれらをミクスチャーして総合芸術として届けたいですし、それが新しい表現になれば」と答え、「現在の日本と、舞台となる19世紀のロンドンには社会的格差があるところにどこか共通する部分がある。お客さんに生々しいと感じてもらえる、そういったどこかのリアルさをお客さんには持ち帰ってもらいたい」と語った。

役が決まった時の思いや周りの反応についての質問に、松下は「周りに『(役は)ディオじゃなくて?』とすごく言われるんです」と心外な表情で語り、「知り合いは勿論なんですが、友達の友達みたいな知らない人からも『観たい』と連絡があって」と反響の大きさに驚いたという。
また有澤は、「『ジョジョ』が大好きななだぎ武さんが、大切にしていたジョナサンのフィギュアを僕に託してくれたんですよ。プレッシャーを感じながらも、頑張っていきたいと思います」と、大役の演じる重みを噛み締めた様子だった。
一方で宮野は「アニメの『ジョジョ』でもオーディションは受けていたんですが、なぜか縁がなくて。僕の ”初ジョジョ” はミュージカルに捧げました(笑)」と語り、会場を盛り上げた。

帝国劇場の舞台に立つことについてどう思うか、という質問では、初めて同劇場の舞台に立つ松下、清水、DAISがその感動を語り、ベテランの別所は「『レ・ミゼラブル』の時には観客の熱気で緞帳が押された」「地下にはリハーサルルーム、一番上の階には稽古場がある」など、自身の経験も含めて帝国劇場のあれこれを熱烈アピールする一幕も。

また原作の好きなシーンやセリフを訊かれると、トップで答えた松下がいくつも挙げてしまったため「後の人のために答えはひとつだけでお願いします」と思わずMCが注意する展開に。

宮野はあえてディオが言われたセリフをセレクト、「さすがディオ! おれたちにできない事を平然とやってのけるッ」と喋った後、続く「そこにシビれる! あこがれるゥ!」という言葉を取材陣に言わせようとしたものの、あまりの鈍い反応に「全然言わないじゃない!」と肩を落とした。

ミュージカルの要となる楽曲については、まだ仮の英詞が入っているものにも関わらず、全員が「めちゃめちゃカッコいい!」と即答。「ミュージカルなのにライブ感を味わえる」(松下)、「ドライブ感があって、原作の80~90年代の音楽観も感じ取れる楽曲も」(DAIS)など全員が興奮気味に語り、そのクオリティに太鼓判を押す。

登壇者の言葉一つひとつから、あふれんばかりの原作愛と帝国劇場という伝統の舞台で行う新しいチャレンジへの期待と興奮が伝わってきた。
ミュージカル『ジョジョ』は「奇妙」というより、むしろ「必見」の冒険作となりそうだ。

製作:東宝 (C)荒木飛呂彦/集英社