毎年季節ごとに様々なアニメが放送されている今日。そんな作品たちを1話も視聴せず終わってしまう“0話切り”を撲滅すべく行われているのが、PVイッキ見イベント「つづきみ」だ。

その第11回目が3月22日、都内にて開催された。

本イベントは、毎クール放送される新作TVアニメや劇場アニメのPVを、3時間かけて一挙に上映するというもの。
毎回アニメ好きで知られるニッポン放送アナウンサー・吉田尚記と結を司会に進行し、ふたりの熱の入ったトークに共感が集まっている。

今回PV上映の対象となったのは、2019年春期に放送または上映される作品群。なんと53本もの作品が名を連ねており、これらを次々と見ていくことに。

最終回間近となっていた2019年冬アニメの1クール作品や2018年秋から放送されていた2クール作品を振り返ったところで、『甲鉄城のカバネリ ~海門決戦~』と『青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない』のPVを上映。

『甲鉄城のカバネリ ~海門決戦~』はTVシリーズのその後を描いた作品。吉田は千本木彩花の演じる人気キャラクター・無名と、三木眞一郎演じる今作から登場となる景之、この2キャラクターの色っぽさに言及していた。

結は『青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない』のTVシリーズ『青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない』が気に入っていたそうで、主人公・梓川咲太が女性陣にモテる理由について、「(ヒロインたちの問題について)全力で奮闘している」と力説していた。

その後、劇場オリジナル作品『LAIDBACKERS-レイドバッカーズ-』のPVを上映すると、この日最初のゲストとなった同作の監督・橋本裕之が登場。

この作品は“逆異世界転生”がテーマとなっており、昨今流行している現代人が異世界に飛ばされるのではなく、勇者と魔王が逆に現代にやってくる点が特徴。

本作誕生の経緯について、橋本は脚本の上江洲誠がきっかけだったと話す。
キャラクターたちのだらっとした緩い感じを出したかったという。

続いて『フルーツバスケット』と『7SEEDS』といった名作コミックのアニメ化作品の紹介では、結が『フルーツバスケット』に大興奮。やはり女性アニメファンには思い入れ深い作品となっているようだ。
また、本作のキャラクターデザインについて、原作者の高屋奈月自ら現在の絵柄でリメイクして欲しいと要望があったという話もなされた。

阿弥陀如来や帝釈天など神仏を擬人化する、振り切れた世界観に注目が集まった『なむあみだ仏っ!- 蓮台 UTENA -』、そして吉田、結ともに作品の世界を実際に体感することでその魅力がわかると熱弁した『KING OF PRISM -Shiny Seven Stars-』など、その後も続々と紹介。

プロメア』では、アニメファンならばお馴染みの制作会社TRIGGERと中島かずきによる作品であることを語ると、『オナラップ』では声を担当する木村昴に言及。木村といえば、男性声優キャララップバトル『ヒプノシスマイク』でブレイク中であり、本人のラップ好きで話題だが、この日吉田が着ていたパーカーも『ヒプノシスマイク』のものだったそうだ。

その後も多数の作品を紹介していき、吉田は『少女革命ウテナ』『輪るピングドラム』の幾原邦彦が手がける『さらざんまい』を今期の本命だとコメント。難解なところもあるけれど、必ず何か伝わるものがある、あの世界観を熱く語る一幕に。
対する結は『アイドルマスター シンデレラガールズ劇場 CLIMAX SEASON』で、アイドル達に留まらず作品やコンテンツ全体の魅力を怒涛の様な早口で次々と挙げていた。

PVだけでも女子高生の着用するタイツへの並々ならぬこだわりが感じられた『みるタイツ』が注目を集めたところで、2組目のゲスト登場へ。『洗い屋さん!~俺とアイツが女湯で!?~』より青葉りんご(結月葵役)と伊ヶ崎綾香(佐々倉芽衣役)が登場した。


こちらは『僧侶と交わる色欲の夜に…』から端を発するいわゆる“僧侶枠”と呼ばれる作品群にあたる。
男性向け、女性向け問わずちょっとエッチで際どい描写が特徴であり、放送される際は毎回熱狂的なファンを擁している。

そんな作品からのゲストということで、主に本編の際どい描写の数々をハイテンションで次々見せていくおふたり。
主人公は銭湯で洗体師という職業に従事していて、毎回やってきた女の子の体を洗うことになる。もちろん舞台が銭湯だけに毎回お風呂回になることも特徴だ。

本編の完全版の場面カット(通常では修正が入って見られない部分が見られる)や、おふたりの歌う主題歌などにも触れられたところで、そろそろイベントも終盤。
マクロス』シリーズの河森正治が総監督を務める『劇場版 誰ガ為のアルケミスト』やTVアニメ「『進撃の巨人』Season 3 Part.2」、原恵一監督の映画『バースデー・ワンダーランド』のPVを上映。

そしてこのイベントのトリを飾ったのは、『カウボーイビバップ』などで知られる渡辺信一郎総監督の『キャロル&チューズデイ』。

ここでは本作が未来の火星を舞台としていることや、堀内賢雄演じるダリアの声が実際に聴いてみても堀内だと判別できないくらいの演技になっていることに触れられた。

また、吉田は先日一足先に本作を視聴する機会を得ていたそうで、そのクオリティの高さに圧倒された様子を見せていた。そうしてこの作品のPVを紹介したところで、本イベントも終了の時間が近づいた。

ニコニコ生放送の配信を見ていた視聴者たちには、恒例となっている「今日の放送で見たい新作アニメは増えたか?」 という質問でアンケートを実施。
この質問に対する回答は“はい”が83%を記録しており、今回も番組が確かな成果を上げていることを窺わせた。

エンディングトークへ移ると吉田と結、そしてコメンテーターとして登壇していたリチャード・アイゼンバイス、野口衣織らを交えて感想戦に。
野口は“僧侶枠”アニメの魅力に取りつかれたと話したほか、リチャードは『異世界かるてっと』に言及。そして結と野口は女性目線で『みるタイツ』のタイツ描写に期待を寄せる熱いコメントを残した。

吉田は『鬼滅の刃』や『世話やきキツネの仙狐さん』といった作品群をピックアップしたほか、そろそろ“僧侶枠”との付き合い方を考えなければとも発言。そして今回もアニメに関わる全ての関係者へと感謝を述べつつ、本イベントは幕を閉じた。
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