昨年登場した11代目シビック。そのホットバージョンであるTYPE Rが、ついに姿を現しました。9月発売予定という新型シビック TYPE Rを、SUPER GTに参戦する「Modulo Nakajima Racing」のレースクイーン「Moduloスマイル2022」の新 唯(あらた・ゆい)さんがさっそくチェックしました!
これ、めちゃくちゃカッコいいじゃないですか!


TYPE Rが誕生したのは1992年のNSX Rから。その後、1995年にインテグラ TYPE Rが登場し、過去10台のTYPE R車両が世に送り出されました。最近では2017年に誕生した10代目シビックのTYPE Rでしょう。その販売台数は歴代で最も多い4万7200台。日本だけで8100台が販売されたそうです。

唯さんも以前、10代目シビック TYPE Rを試乗。ガンダムとも言われているエクステリアに心をときめかせ、また圧倒的なパフォーマンスに心を奪われたのでありました。その後、何度か11代目シビックを試乗したのですが、その度に「前のシビック(TYPE Rのこと)の方がカッコよかった」と小言を漏らしていたことを正直に告白します。ゆえに「新しいTYPE Rって、今の形に羽根を付けただけでしょ?」と内心思っていたようで、あまり期待せずに会場に入ったところ……。

「これ、めちゃくちゃカッコいいじゃないですか!」と、手のひら返しの大絶賛! ではエクステリアからチェックしていきましょう。



フェンダーを大きく張り出したロー&ワイドなフォルム。フロントバンパーは完全新規で、大きなグリル開口部が印象的です。近年、フロントバンパーの両側にスリットを入れる手法が流行っていますが、新型TYPE Rはフィンを立てる手法を採用。デザイナーによると「検討の結果、こちらの方が好ましい効果が得られた」のだとか。


エンジンフードにはエアーアウトレットを用意。「これ、カッコいい!」と唯さん大絶賛。スポーツカー好きにはたまらないようです。


フロントフェンダーには、ホイールハウス内の圧力を軽減し空気をスムーズにサイドへ流すフェンダーダクトを採用。これはレーシングカーでよくみられる手法です。


リアタイヤ前の空気の流れをコントロールするため、サイドスポイラーにシルを立てているのも特徴的です。そして前モデルと違い、リアタイヤ周りの造形が実にスッキリ。というのも、前モデルではSUVのようなフェンダーアーチが設けられていたのですが、今回は空力ノイズ低減を狙うべく一体型へと変更されているのです。


唯さんが前モデルで最も好きな部分はリアスポイラー。「羽根のないハッチバックはハッチバックにあらず!」という名言を残しておりました。今回のシビック TYPE Rのそれは、翼端板が小さくなったほか、3D形状はそのままに、Rはかなり小さなものとなり、一言でいえばシンプル。ですが「これはコレでカッコいいですね」と笑顔。




細かく観察すると、角度変更はできないのが残念。そして「これ、樹脂なんですかね?」とポツリ。さすがにカーボンはないでしょ、と思いきや、なんとホンダアクセスから純正アクセサリーとしてドライカーボン製のリアスポイラーを発売するというから驚き。しかも、レッドポリエステル織り込みのほか、ウイング裏面にはModulo Xでおなじみの実行空力デバイスを取り付けているとか。こちらはでき上がり次第、ウイング評論家の唯さんによる検証実験をする予定です。



マフラーは前モデル同様のセンター3本出し。そして大型のディフューザーがその脇を固めています。もちろん空力的な効果が望めるのは言うまでもありません。


ホイールは19インチへとインチダウン。ですがよく見るとホイールのリムが従来の段付き(ノーマルリム)から、滑らかなリバースリムへと変更されています。これによって、大径ホイールのように見えるほか、空力的な効果が期待できるのだそう。タイヤはミシュランのパイロットスポーツ4S。

ボディカラーはTYPE R定番の「チャンピオンシップホワイト」のほか、フレームレッド、レーシングブルー・パール、クリスタルブラック・パール、ソニックグレー・パールの5色を用意。「ブラックもイイですし、明るいブルーも捨てがたいですが……、ここはやっぱりチャンピオンシップホワイトですよね!」と唯さん。さすが分かっている! と思いきや「だってリセールバリューがイイでしょうからね」というあたり、かなりチャッカリ者です。
より鮮烈な赤へと刷新!
TYPE Rモードは専用メーター表示へと変更



ドアを開けると、赤いカーペットとシートが唯さんを迎え入れました。「TYPE Rといったら、コレですよ!」というわけでさっそく試座。「従来よりも赤が鮮やかになったようですね」というように、シートの色は刷新されて鮮やかさアップ。サポート性も強化されたほか、通気性の高い素材が用いられているとのこと。「ステアリングホイールはアルカンターラですね。手触りが最高です!」と感触を確かめる唯さん。



「赤と黒のコントラストがイイですね。カッコいいです」と室内を見回すと、内張の色味も少し異なる様子。そして助手席のエアコンアウトレット近くにシリアルナンバープレートを配置する心憎い演出がなされていました。

「MTじゃないですか! 最高!」というように、新型でも6MTのみの設定。ただしサイドブレーキは電子式です。「レバーの方がいいなぁ」とボヤく唯さん。ですが「センターコンソールパネルがアルミなんですね。シフトノブと併せてメタリックでイイ」と笑顔。さらに「+Rボタンがちゃんとある!」と、前モデルで最も気に入っていた走りのモード「+Rモード」が用意されていることに大喜び。さっそく押してみます。


「メーターの表示がカッコいい!」と、専用表示になるではありませんか。この表示、どこかS2000を彷彿させるもので、Hondaファンとしてはうれしい演出では? さらにセンターディスプレイには車両の各種インフォメーションも表示されます。補助メーターを買わなくてもイイのは助かるやら、ちょっと寂しいやら。




リアシートはスウェード調で、黒に統一。ですが赤いステッチでスポーツテイストを演出しています。アームレストはなく、中央にドリンクホルダーを用意。どうやら4人乗りのようです。後席にはエアコンダクトやUSB端子の姿は見当たりませんでした。


収納に関しては、シビックと同様。ですが「バックドアが軽いんですよ」というので、触ってみると樹脂製。担当者によると軽量化のために樹脂製へと変更したのだとか。
気になるエンジン出力は非公開
だがパワーアップは確実!


エンジンフードを開けると2リットル直列4気筒ターボエンジンが姿を現します。パッと見たところ、前モデルと同じように見えますが、新たにTYPE Rのプレートが。エンジン出力は現時点では非公開。ですが、タービンを変更しているそうで、パワーアップしているのは確実。というのも、既に鈴鹿サーキットのタイムアタックでFF最速の「2分23秒120」をたたき出しているのですから。
このタイムは、先代のシビック TYPE R Limited Editionのそれを0.8秒更新しただけでなく、ライバルのルノー「メガーヌR.S.トロフィーR」の「2分25秒454」より2.3秒以上速いのです。このことから新型シビック TYPE Rが「ピュアエンジンFFスポーツの完成形」といっても過言ではないでしょう。となると、気になるのはドイツ・ニュルブルクリンク北コースのタイム。ですが、残念ながら今のところ、そのタイムは非公開。2019年5月、ルノー・メガーヌR.S.トロフィーRが出したFF最速タイム「7分40秒100」の更新も時間の問題でしょう。

第二世代TYPE Rはスポーツカーの枠を超える

開発責任者の柿沼秀樹さんは、前モデルのシビック TYPE Rから「世界トップレベルの速さと、日常でも使える」ことを、TYPE Rに課しているといいます。言い換えるなら、サーキットで一級のRacingパフォーマンスと、快適な長距離移動のGTパフォーマンスの両立、つまりスポーツカーの枠を超えたUltimate SPORTがTYPE Rの目指すところなのだとか。「軽量なシャシーにハイパフォーマンスのエンジンを載せて、足を引き締める」という快適性無視のスポーツカーの時代は終わったということ。速くて快適、実に素晴らしいではありませんか。

さらにASCII.jp的に見逃せないのが、TYPE R用のデータロガーアプリをリリースする予定とのこと! リアルタイムで車両情報をスマホに表示するほか、タイムを保存・共有することができるのだそう。これも新時代のスポーツカーに必要な機能ですね。

「早く乗ってみたい!」と、スポーツカー大好きの唯さんは今からソワソワ。発売は9月を予定しています。もちろん、取材する際は唯さんにお願いする予定ですので、今しばらくお待ちください。
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モデル紹介――新 唯(あらた ゆい)

10月5日栃木県生まれ。ファッションモデルとしての活動のほか、マルチタレントを目指し演技を勉強中。また2022年はSUPER GTに参戦するModulo NAKAJIMA RACINGのレースクイーン「2022 Moduloスマイル」として、グリッドに華を添える。