「静かでパワフル、加速もよいから電気自動車最高!」というのは、「痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。」2期のOP曲を歌う今年結成15周年を迎えたアイドルユニット「純情のアフィリア」の寺坂ユミさん。彼女をASCII.jp自動車の「ゆみちぃ部長」として祀り上げ、様々なクルマを体験してもらう本企画。
今回は三菱自動車の「アウトランダーPHEV」をセレクトしてみました。なぜかって? それは「現在、もっとも現実的な電気自動車であり、部長の好きなドヤ顔のSUVだから」であります!
プラグイン・ハイブリッドは
EVとハイブリッド車のいいとこ取り



「ぴーえっちいーぶい、って何ですか?」と、ゆみちぃ部長はASCII.jp自動車の配車担当であり書記であり撮影班の部員Kに可愛らしく尋ねます。PHEVとは、プラグイン・ハイブリッド・エレクトリック・ビーグルの略で、簡単に言えば充電できるハイブリッド車になります。つまり充電できればEV車のような快適性が得られ、空っぽになっても燃料があれば大丈夫、というわけです。
「だったら、すべてのハイブリッド車に充電端子を付ければいいんじゃない?」と、当然の疑問をなげかけるゆみちぃ部長。そう考えるのも無理はありません。ですが、電気自動車ほどではないにせよ、大きなバッテリーやら何やらと、車体重量と部品点数が増加して、結果的に「お高いクルマ」になりがちです。

事実、今回試乗するアウトランダーPHEVのお値段は、一番お求めやすいMグレードが484万1100円~、試乗車のPグレードで570万5700円~、となっています。お財布のヒモが硬いと評判の部長は「たっか!」と、大きな目が飛び出しそうなほどに見開くのも無理はありません。「ですが、このクルマを購入すると、国から55万円の補助金が出ます。さらに自動車重量税の3万7400円と自動車税の3万9800円が減額、環境性能割は非課税なんです。さらに東京都の場合、さらに補助金として60万円が支給されますので、同じ価格のガソリン車と比べ、最大なんと122万7200円分もお得なんです!」と、まるで夜の通販番組のようなトークを展開する部員K。
ゆみちぃ部長も、「え? つまり1番高いグレードでも460万円で買えるんですか!? これはお買い得ですね」と通販番組のような口ぶりで応答。
三菱自動車の象徴的存在であるアウトランダーPHEV。その前身といえるアウトランダーは2005年に誕生し、PHEVは2013年1月に世界初の4WDプラグインハイブリッドSUVとして販売を開始しました。現行モデルである3代目は2021年にデビュー。PHEVシステムは熟成を重ね、「モータードライブの時はイイんだけど、エンジンが動き出すとガッカリ」という声は今はなく。もはや「今、モーターで動いているのかエンジンで動いているのか判別がつかない」というレベルにまで高まりました。これについてはのちほど。
7人乗りなので車内空間は広々
荷物もたくさん載る利便性がイイ!

まずはエクステリアから。「でかっ! これは大きい!」と部長。全長4710×全幅1860×全高1745mm、車重2.1tのボディーは、立派に大型SUVです。「ざっくり言えば、トヨタのハリヤーと同じようなものですね。全高はこちらの方が高いですが」とお伝えすると、「なるほど」と納得された様子。
気になるのはお顔立ち。以前、試乗した軽EVに似た顔つきですが「ボディが大きいこともあって、これはカッコいい!」と合格ハンコをポン。そして「この赤はイイですね。綺麗です」と、三菱といったらレッドダイヤモンドのカラーです。




大きな車体のバックドアを開けて、ゆみちぃ部長は「椅子がある!」と驚きの声をあげます。アウトランダーPHEVは5人乗りと7人乗りの2種類があり、今回お借りしたのは7人乗りです。もともとアウトランダーは3列シートを擁したSUV。先代のガソリン仕様には3列シートがあったのですが、PHEVモデルは2列目シートのみでした。PHEVのみの展開となった3代目でようやく実現できた、というわけです。その3列目シートは床下収納で、比較的簡単にたたむことができます。すると大きな収納スペースが生まれます。

ゆみちぃ部長の心をときめかせたのは、1500WのACコンセント。「これ、電源が取れるんですか! しかもトースターとか炊飯器が動かせるんですか? 最強じゃないですか!」とニンマリです。「このクルマでキャンプに行ったら、すごく快適そう! このクルマ、SUVで4WDだから、アウトドアにピッタリじゃないですか!」と、アウトドア熱がガンガン高まってきました。
3列目は緊急用だが2列目シートは超快適!



それでは、室内をチェックしましょう。まずは問題の3列目。まずは小柄なゆみちぃ部長が挑戦! ですが2列目シートを倒して乗り込もうとすると「これ……」と一言。まず、たどり着くまでが大変で、さらに座ろうとすると「座れないですよ。足が入らない!」と、笑いながら悲鳴をあげます。「小さなお子さんのためのシートですね」というのが部長の見解で、それはメーカー広報担当もキチンと認識しており「これは緊急用ですから」とのこと。







一方、2列目シートは快適そのもの。キルティングのような座面加工、オレンジのステッチに「これはオシャレ!」と笑顔をみせます。「すごくしっかりとして、でもフカフカなシートですね」とニンマリ。「これ、イイモノ感がすごいんですよ。驚きました」という言葉に嘘偽りナシ! アメニティも充実しており、USBのほか、ACアウトレットも用意されます。さらにプライバシーシェードも装備されているので「これは実にイイ!」と太鼓判の二重丸。















続いて運転席へ。「頼もしさを感じますね。それにイイモノ感がありますね」というように、直線基調のデザインと、そこに入るオレンジのラインにアウトドアテイストを感じられた模様。無骨といえば無骨なのですが、それが三菱らしいといえばらしいかなと。
Apple CarPlayにもAndroid Autoにも対応






ASCII.jp自動車部的にはナビが気になるところ。部員K的には「充電スポットを教えてくれるのは助かるけれど、他社みたいに充電できるか否かとかまでわかるといいんだけどなぁ」と思ったり。でも、目的地消去がトップメニューにあるのは、実に便利です。ワイヤレス接続のApple CarPlayといったスマホ連携にも対応していますし、機能面で不満はありません。


三菱らしいのが、シフトノブの下にあるS-AWC(Super All Wheel Control)の切り替えスイッチ。ツインモーターの4WDをベースに、ブレーキコントロール(AYC)と、ASC(ブレーキとモーターのコントロール)などで、あらゆる道でも安定した走行性能と、リニアなハンドリングを実現するという機構です。ラリー屋の三菱らしく、モードが「ターマック」「グラベル」「スノー」「マッド」と路面状況で表現しています。そして「ノーマルモード」のほか、「エコモード」と「パワーモード」があり、ギミックが好きな方にはたまらないでしょう。
車体の大きさゆえに見晴らしが良く
走りの安定感もある

キャンプに行きたくて仕方ない部長にハンドルを託して、アウトドアっぽい場所を求めて千葉へ向かいました。「このクルマ、モーターの音は聴こえますが、すごく静かですね」と、さっそく静かなクルマ好き部長のハートをキャッチ。「ハンドルもアクセルも、すべてが軽快なんですね。とても扱いやすいクルマだと思います」というように、見た目は頼もしく、実にジェントルで優しい乗り味、フィーリングなのです。
「クルマは大きいですけれど、全高が高いためか見晴らしがよく、意外と運転しやすいですね」だそう。大きいクルマに苦手意識がある人でも、アウトランダーPHEVはフレンドリーなクルマかも。


フレンドリーといえば運転支援。車線監視機能付きのアダプティブ・クルーズコントロールを搭載しています。試してみたところ、首都高のようなコーナーが連続する場所では車線をはみ出したりするのですが、それは余程のシステムでない限り無理な話。アクアラインや湾岸線といった直線基調では実に安定していますし、前に車が入っても急激にブレーキを踏むようなことはありませんでした。
巨大で重いのに燃費はリッター24.4kmを記録!



気になるのはバッテリー容量。床下に搭載するリチウムイオンバッテリーの総電力量は20kWhで、電気自動車のeKクロスEVと同じ大容量。そのため、充分なEV航続距離(WLTCモードのEV走行換算距離で83~87km)を確保している……ハズなのですが、やっぱり空っぽになってしまったり。
この場合、チャージモードを選択すれば、エンジンの動力でジェネレーターを回して充電できます。当然、相応の音は聴こえてくるのですが、それでも静か。「バッテリーがなくなったからといって、普通のクルマになる、ということがないんですね」とゆみちぃ部長は感心しきりです。
ちなみに、チャージモード走行時の燃費はリッター10km程度で、「この大きさのガソリン車並み、といえるんですかね」とお財布に厳しい部長も納得。ちなみにガソリンはレギュラーですが、モータードライブを使うと……。

なんと、リッター24.4kmを記録するからすごい! 近年、輸入車を中心にPHEV車が増えてきました。それらと三菱のPHEVが決定的に違うのは、静粛性と急速充電に対応できるということでしょう。輸入車PHEVは普通充電のみがほとんどなのです。よって高速道路の急速充電器で充電できますし、バッテリー容量が20kWhですから50kWhタイプの急速充電ですと、1度の急速充電で8割近くまでチャージできます。これはガソリン代との兼ね合いになりますが、積極的に充電をした方がいいかも、と思ったり。

千葉に着いた頃、キャンプモードだった部長に異変が。というのも、道のあちこちに「イチゴ狩り」の看板が掲げられているのです。春ですが「乙女心と秋の空」とはよくいったもので、ゆみちぃ部長は「いちご狩りに行きたい!」と言い出すではありませんか。さっそくスマホでイチゴ狩りができる農園を調べはじめるも、イチゴ狩り農園は基本的に予約制。予約サイトを見ると、当日の部分には「×」がついていたりします。




ということで、回ること数ヵ所。飛び込みでイチゴ狩りができる農園を発見。20分2000円を支払って、イチゴ狩りを楽しんだのでした。一口食べては「あまーい!」と、某師匠のような声をあげてはしゃぐ部長。部員Kは「この前、スーパーで見たイチゴは1パック(約12個)で500円だったから……50個食べれば元がとれる! 20分で50個ということは、24秒ごとに1個食べればいいのか」などと、お財布に厳しい部長のごとく、とにかく食べまくり。ですが30個ほどで練乳がなくなり、40個ほどで飽きてしまい……ちなみに部長は30個食べてしまい「ヤバい! 太る」と後の祭り。大丈夫です。イチゴは野菜でローカロリーです(多分)。

帰りの道中は、イチゴ狩りの想い出を語るゆみちぃ部長。饒舌に語るのは、クルマがとても静かだから。そしてお腹をイチゴで見たしタポタポ状態でクルマに乗って気分が悪くならないのは、乗り心地がとてもイイから。「三菱、すごいですね!」という、ゆみちぃ部長の笑顔に偽りはありませんでした。

■関連サイト
寺坂ユミ(てらさかゆみ)プロフィール

1月29日愛知県名古屋市生まれ。趣味は映画鑑賞。志倉千代丸と桃井はるこがプロデュースする学院型ガールズ・ボーカルユニット「純情のアフィリア」に10期生として加入。また「カードファイト!! ヴァンガード」の大規模大会におけるアシスタント「VANGIRLS」としても活躍する。運転免許取得してから上京後は一切運転していなかったが、最近ペーパードライバーを脱出。こだわりが強く興味を抱くとのめりこむタイプであることから、お気に入りの1台を探す予定。