電気自動車をいざ充電! しかし充電機がない!
先日、とあるメーカーのEVをお借りして3日間ほど乗り倒しました。レビューはそのうち掲載されるとして、こういった広報車というのはメーカーごとに違う部分もありますが、基本的にガソリン満タン&洗車返しが基本で、EVの場合は80%くらいまで充電して返してね、というのがルールになっています。
電気自動車最大の問題は充電機が少ないということ
先に取材で千葉の奥地まで行っていたので、我が家に乗って帰ってくる頃にはバッテリーは半分に減っていました。
お借りしたのは輸入車なのですが、まず付属のカーナビでディーラー検索をすると、うちの近所にない……。おそらく日本で1番か2番くらい多く走っている輸入車なのに。町ふたつ越えたあたりにディーラーがあったので、充電環境を見ると3.2kWか6kWしかありません。これではフルまでに数時間かかってしまい、返却時間に間に合いません。とりあえず、洗車しながら急速充電器(CHAdeMO)がある場所を探します。

電気自動車は他社のディーラーでも充電できるので、今度は国産メーカーも含めて探しました。ほとんどのディーラーで充電器が用意されてはいるものの、急速充電器はなかなか見当たらず。ようやく見つかったと思ったら、ガチのライバルメーカーのディーラーでした。しかしココしかないので、思い切って突撃します。
実はこの前日にも、急速充電機を見つけたものの、なかなか空かなくてイラっとさせられたことがありました(オーナーが充電しっぱなしで買い物に行ってしまったようで)。設置台数が少ないゆえに回転率が悪いのも問題です。

EVは素晴らしい乗り物です。排気ガスは出ないし、巨大なSUVでもグイグイ前に進んでいく運動性能、高性能な安全運転支援など、まさに未来の乗り物感があります。日頃はガソリン車好きの筆者も、最近はEVもいいなと考えを改めつつあります。同じEVというカテゴリーでもメーカーごとの個性が出ているのも面白いですよね。
◆インフラは国を挙げて整備しないと広がらない
しかし、改めて日本は充電環境の問題があると実感させられました(日本だけじゃないですが)。もちろんEVを買う人はおそらく大半が家に充電器を設置すると思いますし、最近は集合住宅の駐車場でも充電器が用意されているところが増えています。徐々にですが環境は整いつつはあると思いますが、ガソリンスタンドみたいになるのはまだ先の話でしょう。

すでにいろんなところで報じられていますが、ヨーロッパのEVシフトがここに来て停滞しています。

スマホもそうなんですが、バッテリーのブレイクスルーがないとこれ以上の進化は難しい気がします。高速充電で前よりは充電時間が速くなりましたが、それでもやっぱり給油の利便性に比べると……。トヨタや日産が研究している全固体電池(電解質を固体に置き換えたもの)が実用化されればまた変わりそうですが。もしくは中国のように国を挙げての産業にするか。上の人が率先して旗を振らないと誰も付いてこないでしょう。メーカーも慈善事業をしているわけではないですし。
インフラの現状を見ていると、今の最適解はPHEV(プラグインハイブリッド・家などで充電できるハイブリッド車)でしょう。家に充電器が設置できればモーターで走行できる距離は伸びますし、バッテリーが切れてもエンジンで発電して走れるという安心感がありますから。
個人的にはクルマでの遠出が多いため、充電に時間がかかるのがネック。途中で30分充電する必要があったら、30分早起きして家をでないといけません。
筆者紹介───スピーディー末岡

アスキースマホ総研主席研究部員。速いものが好きなスペック厨で、スマホ選びはスペックの数字が優先。なので使うスマホは基本的にハイエンドメイン。クルマはスポーツカーが大好き、音楽はヘビーメタルが大好きと、全方位で速いものを好む傾向にある。スマホ以外では乗り物記事全般を担当している。