一般向け自動走行実証実験を開始したHonda CI マイクロモビリティ

 Hondaの研究子会社である本田技術研究所は、2月より茨城県常総市にて、独自のAIである協調人工知能「Honda CI」を搭載したHonda CI マイクロモビリティの一般向け自動走行技術実証実験を開始しました。さっそく体験してきたのでレポートします。


◆交通の便がいいアグリサイエンスバレー

Honda、マイクロモビリティ「Honda CI」の実証実験で交通事故ゼロの社会を目指す
Honda
常総市アグリサイエンスバレー事業エリア(常総市ホームページより)

 実証実験が行なわれているのは、圏央道・常総インターチェンジすぐにある「アグリサイエンスバレー常総」。ここ1~2年で、道の駅常総やTSUTAYAブックカフェ、国内最大級のイチゴ農園「グランベリー大地」といった大型施設がオープンした、常総市肝入りの施設です。中でも道の駅常総は、昨年オープンしたにも関わらず、全国で5指に入る年間来場者数を記録したのだとか。


 さらに「アグリサイエンスバレー常総」では、今後国内最大級のミニトマト栽培施設のほか、温浴施設、そして物流センターがオープン予定とあって、現在最注目のエリアです。ちなみに東京からだと常磐道・谷和原ICから一般道を経由で90分程度。ちょっとしたお出かけにピッタリです。


Honda、マイクロモビリティ「Honda CI」の実証実験で交通事故ゼロの社会を目指す
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TSUTAYAブックカフェの一角にHonda R&Dのブースが設けられている
Honda、マイクロモビリティ「Honda CI」の実証実験で交通事故ゼロの社会を目指す
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搭乗型マイクロモビリティ「CiKoMa(サイコマ)」とマイクロモビリティロボット「WaPOCHI(ワポチ)」
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場内の様子
Honda、マイクロモビリティ「Honda CI」の実証実験で交通事故ゼロの社会を目指す
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Honda、マイクロモビリティ「Honda CI」の実証実験で交通事故ゼロの社会を目指す
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 Hondaはこのエリアで自動走行をする搭乗型マイクロモビリティ「CiKoMa(サイコマ)」と、オーナーを先導または追従するマイクロモビリティロボット「WaPOCHI(ワポチ)」を各2台用意。一般の方に使っていただきながら、ユーザーの要望を集めつつ研究開発を推進するとのこと。そのため、TSUTAYAブックカフェのある建物の一角にブースを構えての展示スペースも用意する力の入れようです。


Honda、マイクロモビリティ「Honda CI」の実証実験で交通事故ゼロの社会を目指す
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本田技術研究所 先進技術研究所 知能化領域 エグゼクティブチーフエンジニアの安井裕司氏

 しかし、「なんで常総市なの? 協調人工知能Honda CIって何? Hondaは何がしたいの?」という疑問が。そこで、プロジェクトをけん引する本田技術研究所 先進技術研究所 知能化領域 エグゼクティブチーフエンジニアの安井裕司さんにお話を伺いました。


◆廃校になった教習所が自動運転とAIの開発コースに

 まずは、なぜ茨城県常総市で実証実験をするのかという点から。本田技術研究所は埼玉県の和光市と朝霞市、そして栃木県芳賀郡にあり、道の駅なら「道の駅もてぎ」が最も近いのでは?


安井氏「私たちは2016年頃からマイクロモビリティだけでなく四輪の自動運転の研究をやっています。公道に行く前に安全面をしっかり担保したいということで、クローズドコースを作りたかったのですが、それだと2~3年はかかってしまいます。

そこで廃校になった教習所を探していたら、常総市にあるとのこと。そこで市役所と今の市長さんにお願いをして、自動運転、AIの研究のために使わせてほしいとお願いしました」


Honda、マイクロモビリティ「Honda CI」の実証実験で交通事故ゼロの社会を目指す
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本田技術研究所 先進技術研究所 知能化領域 エグゼクティブチーフエンジニアの安井裕司氏

安井氏「教習所を借りる時に、市長さんからアグリサイエンスバレー常総の構想を伺いまして、そこで実証実験をやってくれないか、という提案を受けました。そして、私たちもずっと準備をしてきて、今日を迎えたというわけです」。


 Hondaとしては、テストコースが使えるうえに、行政の後押しが受けられる。常総市としては実証実験が観光資源にもなる。こうしてWin-Winの関係が構築できたのだとか。ちなみに常総市以外の自治体にアポをとったことはないそうです。


◆交通事故ゼロの社会を目指して

 続いて「Hondaは何がしたいのか? 何を目指しているのか?」について話を進めましょう。


Honda、マイクロモビリティ「Honda CI」の実証実験で交通事故ゼロの社会を目指す
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交通事故ゼロを目指すHonda

安井氏「すべての人に生活の可能性を拡がる歓びを提供する、Hondaの2030年ビジョンの1つになります。そして私たちは交通事故ゼロを目指しております。交通事故のない社会の実現をしたうえで、いつでもどこでもどこへでも、人と物の移動を自由自在に意のまま行なうことが、人の行動を支えていき、新たな移動の歓びに溢れた日常を実現してまいります」


Honda、マイクロモビリティ「Honda CI」の実証実験で交通事故ゼロの社会を目指す
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Hondaは知能化モビリティで自由な移動の喜びを提供したいとしている

安井氏「私たちは自動運転技術により、長距離をラクに移動できる、日常の短距離の移動を安全快適にできる、運転の苦手な方に自動運転または運転支援のサポートをしていく。また事故ゼロに向けて、もしもの時には自動で事故を回避するといった研究をしています。具体的には、AIで外界のリスクを認識し、ドライバーに認識してあげて、気づいていない場合にうまくサポートするという技術です」


Honda、マイクロモビリティ「Honda CI」の実証実験で交通事故ゼロの社会を目指す
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様々なシーンでの協調行動をするための高度なAIが必要

安井氏「高精度技術に頼った自動化技術では、やはり走れるエリアに限界が出てきます。

いつでもどこでもどこまでもを実現するためには、高精度地図に頼らない環境認識が必要になってきます。また、予知予測技術も必要となってきます。さらに高速道路の合流など、譲り合いなどといった協調も必要になってきます」


Honda、マイクロモビリティ「Honda CI」の実証実験で交通事故ゼロの社会を目指す
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Honda CIの概念

安井氏「それを実現するものが、私達が研究しているHonda CI(Cooperative Intelligence)になります。HondaのCIはユーザーと回りの人とAIが、互いに意図と行動を分かり合いながら協調で行動するAIになっております」


 つまり、AIを活用して交通事故のリスク低減を目指すとともに、自動運転をも実現しようと考えているわけです。自動運転に関してHondaは世界で初めて自動運転レベル3機能(Honda SENSING ELITE)を搭載した市販車を販売した実績もあることから、Honda SENSING ELITEにHonda CIを加えれば、全速度域において自動運転が実現できるというわけです。


今後はマイクロモビリティの需要が高まる

Honda、マイクロモビリティ「Honda CI」の実証実験で交通事故ゼロの社会を目指す
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Hondaは今後、マイクロモビリティの必要性が高まると予想している

 さらにHondaは、将来のモビリティにも目を向けているようです。高齢化社会により2030年以降、労働力は不足しますし、高齢者の認知能力低下や運転に不安を抱く方はもっと増えてくるでしょう。その一方で、街中でのマイクロモビリティの需要は高まってくるとHondaは予想しています。


Honda、マイクロモビリティ「Honda CI」の実証実験で交通事故ゼロの社会を目指す
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短距離利用の例

 事実、都市部のビジネスマンは短距離の移動にタクシーを使う人が多いと言います。その距離は都市部で3.3km、地方で4.5km程度。つまり、クルマの移動は意外と短いのです。また、最近は電動キックボードシェアリングも増えてきましたが、それもこうした背景によるものと安井氏は推測します。


 高齢者の立場からすると、公共交通機関を利用するにしても階段などがあるため、利用しづらい側面があります。

そのため、平面の移動が非常に重要になってきます。


安井氏「高齢者の方は300mや500mの買い物に行くために自動車を使うという方もいます。その理由を尋ねると、荷物があるからという解答が最も多く、荷物がなければ歩きたいという声も多いのです」


 これは現在850万人と言われている高齢者の食品アクセス(買い物困難者など)問題にも直結する話。農林水産省によると全国1741の市区町村のうち、87.2%が対策の必要性と認識しており、常総市もそのひとつです。


Honda、マイクロモビリティ「Honda CI」の実証実験で交通事故ゼロの社会を目指す
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実証実験の内容

 そういった背景から、高精度地図を使わずに自動運転をする搭乗型マイクロモビリティ「CiKoMa」と、荷物を代わりに持って歩行者に追従、または先導をするマイクロモビリティロボット「WaPOCHI」を開発。実用化に向け、一般に向けた実証実験を開始したというわけです。


Honda、マイクロモビリティ「Honda CI」の実証実験で交通事故ゼロの社会を目指す
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Honda CIのコア技術
Honda、マイクロモビリティ「Honda CI」の実証実験で交通事故ゼロの社会を目指す
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Honda CIは地図レス協調運転と意図理解・コミュニケーションという2つの柱で成り立つという

 これらには、地図レス協調運転と意図理解・コミュニケーションというHonda CIモビリティのコア技術が搭載されているとのこと。それぞれについて説明しましょう。


高精度地図レスでラクラク移動を実現するCiKoMa

Honda、マイクロモビリティ「Honda CI」の実証実験で交通事故ゼロの社会を目指す
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搭乗型マイクロモビリティ「CiKoMa」搭乗型マイクロモビリティ「CiKoMa」
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本田技術研究所先進技術研究所知能化領域チーフエンジニア CiKoMa開発責任者自動走行機能担当 松永英樹さん
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大型モニターが並ぶ運転席
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運転席には自動運転モードと手動運転の切り替えキーが用意されている
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後席には大型のモニターがある
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後席の様子。頭上に小さなスピーカーを設置
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後席の椅子の下には4つのHonda Mobile Power Packが並ぶ

 まずは搭乗型マイクロモビリティ「CiKoMa」から。一見ゴルフカートのようですが、電源に着脱式可搬バッテリーのHonda Mobile Power Packを4つで動く電気自動車。運転席に数多く並んだモニターが印象的です。


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CiKoMaの開発コンセプト
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地図レス協調運転機能が大きなポイント
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地図がなくてもカメラとAIで走行ができる

 コンセプトは「いつでもどこでも乗れて、意のままに行きたいところへ行き、降りたいところで乗り捨てができる」というもの。

カメラとAI技術によって、高精度地図がないエリアでの自動走行を実現しています。単に走るだけでなく、人やクルマが近づいた際、停止や避ける、譲るといった判断をするのが最大のポイントといえます。


Honda、マイクロモビリティ「Honda CI」の実証実験で交通事故ゼロの社会を目指す
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コミュニケーション機能を搭載
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実証実験の主な内容
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コミュニケーションの例
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一般の方が歩く歩道を走行

 また、専用端末を用いて音声でコミュニケーションをすることで、迎えに来させたり、目的地を伝えたり、途中で下車もできます。手を挙げたらやってくるといった動作も可能なのだとか。


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今回の実証実験例
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実証実験エリアの歩道。歩道としては、かなり道が広く、標識などが書かれている
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あちらこちらに実証実験中の看板が設置されていた

 それでは乗ってみることにしましょう。実証実験では、道の駅常総から約800m先にあるイチゴ農園「グランベリー大地」までの歩道。道路にはカラーリングがされている以外、とくに変わったことはありません。無人運転の実証実験の中には、道路にセンサーなどを仕込んだり、区画整理をする「新都市型スマートシティ」化する方法があります。


 ですが、こうしたことができるのは一部の自治体だけで、適応可能な街が限られます。「既存の街にレトロフィットさせることが、Honda CIの目指すところです」と安井さんは語ります。


Honda、マイクロモビリティ「Honda CI」の実証実験で交通事故ゼロの社会を目指す
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CiKoMaとのコミュニケーションをとる端末
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音声入力する
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トコトコとやってくるCiKoMa
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運転手の方はハンドルから手を離している! 代わりに太ももにワイヤレスキーボードが……
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段階的に自動運転を目指すという

 腕に専用端末をつけて、音声で「ここに来て。

イチゴ農園まで連れて行って」などと伝えると、「CiKoMa」がトコトコとやってきます。運転席と助手席に人が乗っていますが、あくまで監視員役で、運転そのものは完全自動。段階的に無人の走行を目指すそうで、その際は別場所にある管理センターで運行管理するとのこと。


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トコトコと走るCiKoMa
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走行中の運転画面

 あまり開かないドアをあけて、ちょっと狭い後席に乗ると「CiKoMa」はゆっくりと発進。乗り心地は正直言って「ゴルフカート」よりも酷いのですが、これはハードウェアの実験ではないので目をつぶりましょう。スピードは歩行者と同程度。まぁ、歩道ですからね。ここを歩行者と同じ速度で走行します。


Honda、マイクロモビリティ「Honda CI」の実証実験で交通事故ゼロの社会を目指す
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歩行者を認識している様子
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クルマが出てきた様子
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歩行者で道がふさがれている状態

 走行中、「CiKoMa」は前から来る人、立ち止まっている人、後ろからランニングで走ってくる人を認識し、適切な行動をします。歩行者が前をふさいでいれば立ち止まったり、回避行動をしたりと、なかなかおりこうさんです。イチゴ農園までは約1kmあり、時間にして約20分の不思議体験。


Honda、マイクロモビリティ「Honda CI」の実証実験で交通事故ゼロの社会を目指す
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車内の端末に向かって音声入力してコミュニケーションを行なう
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歩車道を走るCiKoMa

 途中下車する場合は「止まって」といえば、安全な位置で停車します。

そのコミュニケーションは、対話型でスマホライク。少し歩き、専用端末で「迎えに来て」と言えば、また迎えにきてくれます。この「専用端末で」というのは、現時点での話。並行してどういった形でコマンドを送るのがベストなのか、というのは継続課題とのこと。


Honda、マイクロモビリティ「Honda CI」の実証実験で交通事故ゼロの社会を目指す
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実証実験のロードマップ
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CI-MEV
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Honda、マイクロモビリティ「Honda CI」の実証実験で交通事故ゼロの社会を目指す
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Honda、マイクロモビリティ「Honda CI」の実証実験で交通事故ゼロの社会を目指す
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 Hondaは2024年頃から、ここで使われている機能の一部を搭載した2人乗りのCI-MEVを用いた実証実験も予定しています。具体的な機能については明かしていませんが、「常総市はコミュニケーション機能を使った無人運転よりも前に、交通事故ゼロを求めている」(安井氏)とのこと。このように意見を広く募りながら開発を進めていく ようです。


◆人混みの中でもユーザーを認識する「WaPOCHI」

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電動マイクロモビリティロボット「WaPOCHI」
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本田技術研究所先進技術研究所知能化領域アシスタントチーフエンジニアWaPOCHI開発責任者の小室美紗さん
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WaPOCHIの概要

 一見、SF映画に出てくる宇宙人を彷彿させる外観の電動マイクロモビリティロボット「WaPOCHI」。荷物を代わりに持って、先導または追従することで、歩行者の自由度が大幅にアップするお役立ちロボットです。


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技術的ポイントの1つである、ユーザー認識について
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人の進行方向を推定し先導をする
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大勢の中でもユーザーを認識する

 驚くのはユーザーの特徴を記憶し、人混みの中でも追従や先導をするというところ。また歩行者の軌道を予測する機能も備えているそうです。


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イチゴ農園「グランベリー大地」のエントランスとWaPOCHI
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体験シナリオ
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頭部の下に手をかざしてユーザー登録を行なう
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ユーザー登録の画面
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音声でのコントロールも可能

 「WaPOCHI」は、イチゴ農園「グランベリー大地」でエントランスからビニールハウスに続く私道で実証実験が行なわれています。手のひらの静脈認証でユーザーを登録するか、専用アプリをインストールしたスマートフォンでWaPOCHIをコントロールします。目の部分は、状態をあらわしており、たとえばオーナーを認識をするとウインクをするようなアニメーションをします。またエラーだと×マークになります。これが結構カワイイ。


Honda、マイクロモビリティ「Honda CI」の実証実験で交通事故ゼロの社会を目指す
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人混みの中でも追従する

 オーナーが歩くと、一定距離をあけてついてきます。エキストラ(研究所の職員)の方々が歩く中でも、きちんとついてくるところに驚きます。歩行スピードが変わっても、きちんと一定距離で追従してきます。


 途中「歩くのって楽しいねぇ」と「WaPOCHI」が話はじめたので「うん、楽しいね」と返答。ですが「WaPOCHI」には私の声は届いていない模様。その様子を見ていたエンジニアから「スミマセン、会話機能は実装していないんです」ということで、いい歳をした男性は恥ずかしい思いをしてしまいました。でも、話ができたら面白いかもしれません。


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先導している様子
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 先導するモードも基本的には同様。前を走ることで、自然と道ができるのはお年寄りはだけでなく、観光農園での誘導に便利そう。残念ながら湿度の関係でビニールハウスの中に入ることはできず、目的地に到着したら、自動的に所定の場所に戻るとのこと。


 これらのHonda CI搭載機は、百聞は一見にしかず、というところがありますので、ぜひ足を運んで頂き、体験してほしいところです。ちなみに、月曜と金曜を除く毎日行なわれ、時間は10~12時、13~15時とのこと。


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Hondaのグローバルブランドスローガン

 Hondaは昨春からグローバルブランドスローガン「The Power of Dreams(夢の力)」に、「How we move you」という副文をつけて「夢の力で、あなたを動かす」と謳っています。発表された当時は「なんだコレ?」と思ったのですが、約1年が経ち、その意図に合点がいった気分。さらに副文の下には「Create、Transcend、Augment」とも。これは、顧客を「Transcend:時間と空間の制約から解放」し、「Augment:ひとのあらゆる可能性を拡張」する価値あるモビリティを「Create:生み出す」という意味です。


 今までもこれからも、Hondaはクルマやバイクのみならず、面白く、役立つモビリティを作り続けることでしょう。実証実験とともに、これからもHondaに注目です。


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