7月3日に開催された同社の新製品発表会で、鄧宇辰社長は「国内のSIMフリースマホ市場で、OPPOは10%を超えた」と市場動向を報告。市場開拓とブランド認知度向上などの施策がうまく機能していることをアピールした。
実は、今年に入ってからOPPOは新製品を投入していない。しかし、スマホレンタルサービスを開始したり、製品を取り扱う販売パートナーとキャンペーンを展開したり、顧客との接点づくりを強化したりと、地道な認知活動を行い、販売台数シェアの上昇につなげたようだ。
今回、発表した「Reno 10x Zoom」は新ブランド「Reno」シリーズの第一弾。「テクノロジーとデザインの融合」をコンセプトにしており、鄧社長は「OPPOの新しい10年の先陣」と語る。言葉だけだと仰々しく感じるが、その言わんとするところは実際に新端末に触れてみるとよく理解できた。
たとえば、本体上部に斜めに飛び出してくるポップアップ式のインカメラ。ピボットライジングカメラと称する機構を採用したことで、ここ最近のスマホのトレンドであったノッチを排除。完全なフルビューディスプレイを実現した。ベゼル幅も上下左右で極限まで狭め、画面占有率は93.1%まで高めた。
各社が競っていたノッチの小型化はインカメラ部の拡張とトレードオフだったが、Reno 10x Zoomはポップアップ式にすることでスペースを確保。約1600万画素/F2.0の高画質レンズ以外にフラッシュライトとレシーバーを搭載することを可能にした。
同社が国内で投入するモデルでポップアップ式のインカメラを搭載するのは、今回が2度目。1度目は、昨年秋に発売した「Find X」だ。当時はその発想とデザインに感動したが、ポップアップ時の駆動音など気になる部分も多々あった。Reno 10x Zoomは、こうした不満点を細かく改善。0.8秒で静かに起動する新ギミックは目新しいだけでなく、実用性も高いように感じた。
もう一つの目玉である背面のトリプルレンズは、望遠レンズをペリスコープレンズにすることで10倍ハイブリッドズーム撮影を実現。従来のスマホで弱点だった高倍率撮影を最先端のテクノロジーで解消した。
同様の機構はファーウェイの「HUAWEI P30 Pro」(日本ではNTTドコモから発売予定)も採用しているが、Reno 10x Zoomがすぐれているのは、カメラ部分が出っ張っておらず背面ボディとシームレスに一体化していることだ。「最先端のテクノロジーを搭載しながらもデザインを犠牲にしない」という一貫した哲学を随所に具現化している。
税別の実勢価格は9万9880円で、決して安くない。
キャリアでの取り扱いも気になるところ。ワールドワイドで5Gをリードする存在ということもあり、各キャリアも関心をもっているであろうと推測される。本格的に日本で5Gがスタートする秋以降は、同社にとってさらに販路を広げる絶好のチャンスになりそうだ。(BCN・大蔵 大輔)
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