Zホールディングス(旧ヤフー)100%子会社のZフィナンシャルと三井住友銀行が出資するジャパンネット銀行(JNB)は、口座直結のデビットカード「JNB Visaデビット」を合計1万円以上利用すると抽選で20人に1人に1000円が当たる「Visaデビット利用で20人に1人1,000円もらえるキャンペーン」を実施している。初めてJNB Visaデビットを利用する場合は、3回以上の利用でもれなく500円または1000円プレゼントし、デビットカードの利用促進を図る。


 スマートフォン決済サービス「PayPay」は4月1日から、PayPay残高またはヤフーカードで支払った場合の還元率を1.5%から0.5%に引き下げる。2つの利用条件を満たすと、それぞれ+0.5%アップするものの、あまり現実的ではなく、大半のユーザーは0.5%となるだろう。
 PayPay残高のチャージ方法は、銀行口座/ヤフーカード/ソフトバンク・ワイモバイルまとめて支払い/現金(セブン銀行ATM利用)/ヤフオク!・PayPayフリマの売上金。事前に設定した銀行口座からオートチャージも可能。直近24時間で2万円、過去30日間で5万円という制限はあるものの、別途、3Dセキュア対応の他社クレジットカード(VISA・Mastercard)を紐づけて決済することもできる。
 今回のPayPayの還元率ダウンは、au PAYへの対抗もあると考えられる。au PAY残高に相当するau WALLET 残高のチャージ方法は、auじぶん銀行口座/対象クレジットカード(Mastercardとアメリカン・エキスプレスは発行元問わず、VISAはau WALLET クレジットカード、セゾンカード、UCカード、MUFGカード、DCカード、NICOSカード、TS CUBICカード、エポスカードのみ、JCBはセゾンカード、TS CUBICカードのみ)/auかんたん決済/現金(セブン銀行ATM・ローソン店頭・auショップ)/au WALLET ポイント/auポイント。
 au WALLET 残高は、多くの他社クレジットカードからチャージ可能だが、おすすめはauじぶん銀行からのオートチャージ。今は提供していないauブランドのフリマアプリが誕生すれば、PayPayやメルペイ同様、フリマの売上金からもチャージが可能になり、au PAYの入金方法の多彩さはトップクラスとなる。
 PayPayは、auじぶん銀行を含む、さまざまな銀行と連携可能だが、JNBに限り、手数料無料で払い戻し(払出)できる。対してau PAYは唯一連携可能なauじぶん銀行ですら払出には手数料がかかる。またPayPayのキャンペーンでは、通常、期間限定の残高(PayPayボーナスライト)が付与されるが、au PAYのキャンペーンはポイントで付与され、「au Wowma!」は、頻繁にたまったポイントで購入するとポイント還元率がアップするキャンペーンを実施している。
似ているようで違いが多いので気を付けたい。
●高還元の理由には訳がある 「前払い・即時払い」推奨へ
 注文から入荷まで平均1~2週間かかる商品を、PayPay残高またはヤフーカードで支払うとポイント還元率がアップし、最大20%還元となる「PayPayモールで100億円相当あげちゃうキャンペーン」を実施しているPayPayモール(PayPayモール店)で購入し、入荷完了メールを待つ間、PayPay残高払いは「前払い」だと感じた。
 後払いのクレジットカード、即時払いのデビットカード、銀行口座・クレジットカード直結のスマホ決済サービス、事前チャージ式の電子マネー、いずれも還元率が同じならどの決済方法が管理しやすいだろうか。
 人それぞれだが、前払いや一括払いは家計の収支に余裕がなければ難しく、前払いなら還元率アップとなると、金銭面で余裕のある人ほど得する構図が強まっていく。店舗にとっても、従来のクレジットカードに比べ、手数料の少ないスマホ決済のほうが負担が少なく経営上で好ましいとなると、レジ袋が有料化されたようにやがて高額決済、サブスクリプションサービスなどの継続的な決済を除き、前払い方式のキャッシュレス決済が事実上の標準として推奨されるようになるかもしれない。
 4月1日以降、リアル店舗でのPayPay残高払いの還元率は下がるが、昨年10月から「還元なし」に改定された他社クレジットカードによる決済利用時との還元額の差が減り、PayPayと連携可能な他社クレカユーザーにとっては朗報だ。当初、高還元がウリだった複数のサービスの改悪から分かるように、決済手段を変えるだけで得する大幅還元のボーナスタイムは今年3月をもって終わる。(BCN・嵯峨野 芙美)
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