3月18日に交通系ICカード「PASMO」がモバイルサービスをスタートした。関東の私鉄・バス会社の定期を利用する人には待ちに待ったニュースといえるだろう。
交通系サービスにとどまらず、最近はあらゆる決済でスマートフォンを利用できるシーンが増えた。コード決済のように画面を見せるだけのものもあるが、より便利なのはスマホをかざすだけの“非接触決済”だ。
 非接触決済を利用するためにはNFCの国内規格「FeliCa」に対応したスマホを用意する必要がある。少し前まで選択肢が少なかったが、現在はFeliCa対応スマホは増えてきている。まぎらわしいが、「NFC対応でFeliCa非対応」のスマホでは国内の非接触決済ができないことがほとんどなので、注意したい。
 まず、はじめに紹介したいのは定番中の定番「iPhone」だ。iPhoneは「7」からFeliCaに対応しており、スマホによる非接触決済が広がる土壌を作った。7以降はすべてのモデルで対応しているので、買い替えのときも安心だ。ただ、18日に開始した「モバイルPASMO」は現時点ではiOS非対応なので、交通系のモバイルサービスで使えるのはSuicaのみとなる。
 Androidスマホも最近では多くのモデルがFeliCaに対応している。お手頃なエントリーモデルの選択肢もあるので、コスパを重視するなら高価なiPhoneよりこちらのほうがおすすめだ。
 シャープはエントリーモデルからFeliCaに対応していることに加えて、キャリア各社・MVNO・SIMフリーで幅広く販売されているので購入を検討しやすいだろう。
コスパを重視するなら「AQUOS sense3」、よりスペックを追求するなら「AQUOS zero2 」が候補になるだろう。
 同じく国内メーカーのソニーもFeliCa対応端末の選択肢が豊富。大手キャリア3社から販売されている上位の「Xperia 1」はもちろん「Xperia 5」「Xperia 8」などもおサイフケータイ機能を搭載。MVNO各社が広く採用する「Xperia Ace」も対応している。
 海外メーカーは国内メーカーより注意を払う必要がある。例えば、ファーウェイが現在日本で販売しているスマホでFeliCaに対応しているのは「HUAWEI P30 Pro」のみ。SIMフリースマホで圧倒的人気を誇る「HUAWEI P30 lite」や「HUAWEI nova 5T」は残念ながら非対応だ。
 お手頃価格でFeliCa対応モデルを展開しているのがOPPO。昨年秋の発売以来、人気となっている「OPPO Reno A」はFeliCa対応で、非接触決済ができる。昨年末に発売したエントリーモデルに「OPPO A5 2020」があるが、こちらはFeliCaには搭載していない。
 対応モデルの広さでいえば、サムスンのGalaxyシリーズが充実している。上位の「Galaxy Note10+」「Galaxy S10+」からスタンダードモデルの「Galaxy A30」「Galaxy A20」までFeliCaを搭載。
一方、変わり種の折り畳みスマホ「Galaxy Z Flip」と「Galaxy Fold」は非搭載だ。
 Googleが発売している「Pixel 4」はFeliCa搭載。こちらも人気モデルなので買い替えの選択肢に入れている人は多いだろう。少し価格は高めだが、サイズがコンパクトで小ぶりなスマホを好むユーザーには向いている。非接触決済は今後ますます便利に使える環境が整えられることが予想される。FeliCa搭載の有無は購入を検討する上で、より重要な指標になってくるはずだ。(BCN・大蔵 大輔)

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