スマートフォン(スマホ)の販売動向に新たな動きがあった。正式プランの開始前、2020年1月23日に発売した楽天モバイル独自端末「Rakuten Mini」がいきなり爆売れしたのだ。
理由は明白。楽天モバイルが正式プラン「Rakuten UN-LIMIT(楽天アンリミット)」の契約とセットで購入すると、本体価格を1円に値引く「Rakuten UN-LIMITお申し込みでRakuten Mini本体代が1円」キャンペーンを開始したからだ。

 キャンペーン期間は、6月17日8時59分(オンライン申込の場合)まで。既存のRakuten UN-LIMIT利用者から要望があったのか、当初の「端末1円はRakuten UN-LIMIT先着300万人、1年プラン料金無料の対象者のみ」という制限が撤廃され、Rakuten UN-LIMITとの同時購入なら、1人1回限り、誰でも1円で購入可能になった。
 Rakuten Miniは「おサイフケータイ」機能を利用できるFeliCaを搭載し、「モバイルSuica」や今春開始の「モバイルPASMO」を利用できる。折しも楽天グループの楽天ペイメントは5月25日から、クレジットカードの「楽天カード」からのチャージで楽天スーパーポイントがたまる「楽天ペイのSuica」サービスを開始。ネットからリアルに進出した楽天のエコシステムは、最近はむしろリアルのほうが強まっていると感じる。
 家電量販店の実売データを集計した「BCNランキング」によると、Rakuten Miniは、キャンペーン開始直前の5月3週(2020年5月18~24日)のシェアがわずか0.2%で、キャリア・容量・カラーを合算したシリーズ別集計で45位と低迷していた。しかし、キャンペーンが始まった5月4週(20年5月25~31日)はシェアが4.7%まで拡大し、6位に食い込んだ。
 1位の「iPhone SE(第2世代)」、2位の「iPhone 11」との差は大きいが、Androidに限ると「AQUOS sense3」「P30 lite」「Galaxy A20」に次ぐ4番手であり、アプリやウェブからのオンライン申込分は反映されていないと結果とみると、かなりの健闘といえるだろう。キャンペーン期間中、順位を維持できるか注目だ。(BCN・嵯峨野 芙美)
*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。

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