人材派遣事業などを手掛けるパソナグループは、2020年9月から23年度末にかけて、本社機能を兵庫県淡路島の拠点に分散すると発表した。最終的には、グループ全体の本社で働く社員約1800人のうち、約1200人が淡路島で活躍することになる。
移転する社員は基本的に希望制で選出しているという。

 本部から淡路島に移転する業務は、人事、財務経理、経営企画、新規事業開発、グローバル、IT/DXなど。9月から段階的に移転していく計画だ。あわせて、AI・IoTを駆使した「DX(デジタルトランスフォーメーション)・BPOセンター淡路」を開設する。自社のDXを推進するとともに、クライアント企業のインサイドセールスやウェブ・デジタルマーケティングなどの業務を行うとしている。
 今回の取り組みは、新型コロナウイルス感染症の拡大などを受けて、社会・ビジネス環境の急速な変化に対応するための施策。
事業構造の変革やDX、自然災害などのリスクに対応するBCP(事業継続計画)対策の一環として、本部機能の分散と淡路島への移転を段階的に実施する。率先して地方に移転することで、「どこでも働ける」ことをアピールする狙いもあるという。
 移転先に淡路島を選んだ経緯について、同グループの広報担当者は「淡路島とは2008年から地方創生事業で関りがあり、廃校や使われなくなった公園の利活用、イベント誘致などに取り組んでいた。その過程で淡路島が大変素晴らしい場所だと知り、移転先に選んだ」と説明する。同社の本社機能の移転に伴って、提携企業も拠点を設けるなど、淡路島の活性化にもつなげる狙いだ。
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