【猟師になる、と決めたら】

 皆さんこんにちは! 茨城県でヨガのインストラクターの傍ら、新米猟師をしているNozomiです! 私のドタバタ連載は、まだ始ったばかり。ぜひよろしくお願いします!

 さて、前回は猟師の年収やワークスタイルについて綴らせて頂きましたね。

今回は猟師になるまでのフローや、私が実際に初年度にかかった金額を綴らせて頂こうと思います。

 私の拙い文章を通して少しでも“狩猟”に興味のある方、すでに“狩猟”に携わっている方、そして何より“いのち”と向き合っている方のお役に立てれば幸いです。

 まず、猟師になる為に必ず必要なものがあります。それは“狩猟免許”です。狩猟免許は国家資格であり、狩猟行為における密猟の防止、そして野生動物の保護(鳥獣保護法)を目的として作られた資格です。猟法(狩猟をする方法)の種類に応じて

♦第一種銃猟免許(散弾銃、ライフル銃)
♦第二種銃猟免許(空気銃)
♦網猟免許
♦わな猟免許

 の4つに区分されます。

法令や鳥獣に関する知識試験、視力や聴力、運動能力などの適性試験、技能試験を行い、基準を満たせば合格となります。ただしっかり勉強すれば合格率は80%以上なので特別難しくはない試験だと思いますが、専門用語が頻出しますのでしっかりお勉強して挑んでくださいね! また銃猟は20歳以上、それ以外は18歳以上の年齢制限があります。

猟師になるまでのフロー。実際の手続きは?の画像はこちら >>
こちらが私が狩猟免許の受験のために使った教科書と問題集です。

 それではまず免許の種類について詳しく説明していきましょう……φ(・ω・*)☆・゚:*

 

 第一種銃猟免許は、装薬銃(ライフル銃・散弾銃)、圧縮ガス銃・空気銃を使うことができる免許です。やはり、猟師やハンターと言えば、実弾のライフル銃や散弾銃を扱うイメージが強いですよね! 装薬銃は熊や鹿、イノシシなどの大物猟から、スズメなどの鳥猟まで幅広く対応しています。実弾を取り扱うので、取得の手続きも厳正で、所得費用、維持費もほかの猟法に比べると一番かかりますが、憧れている方も多いはず!

次に第二種銃猟免許では銃は銃でも、圧縮ガス銃及び空気銃のみの取り扱いになります。

空気銃のメリットは、装薬銃に比べて維持費が安く発射音も静かである事ですね! また広範囲に渡って獲物に鉛玉を浴びせてしまう散弾銃と比べて空気銃ならば獲物にダメージが少なく可食部へのダメージを最小限にすることができます。

 そして網猟免許は網を使った猟法です。主にすずめ、鴨、キジバト等、狩猟鳥を捕獲する為に用いられますが、ウサギなどを捕る方もいるそうですよ。銃器などを使う猟に比べて、手軽で安全無害だなぁと思いがちですが、手軽な分、狩猟鳥獣の乱獲や非狩猟鳥獣の捕獲をしてしまう事も多いそうなので注意が必要ですね……。費用に関しては網の修理費程度で済みますので、比較的簡単に始めることができます!

 そして最後は私たちが取ったわな猟免許です! 罠の設置が許可されている場所にくくりわなや箱わな等の罠を設置して狩猟を行います。捕獲対象は主にイノシシやシカで、銃猟に比べると所得費用と維持費が安いのがメリットです! ただ、わな猟を行う場合の注意点ですが、わな猟はあくまで捕獲する為の手段です。

わな猟免許しか所持していない私たちは捕獲した獲物の止め差し(とどめを刺す事)をするには原始的な方法をとるしかありません。従って、わな猟免許を取得する方は銃を併用して持つか、銃を持っている方とペアになって動く方が多いようです。私たちも初年度は、槍や棍棒を用意しましたが、命の瀬戸際、獲物はどんな動きをするかわかりません。こちらに向かってきたりなど、ヒヤリとするような場面もありましたし、止め差しの時に獲物に逆襲されてしまい大けがをする方や、亡くなってしまう方ももちろんいます。皆さん、本当に気を付けて下さいね……。

猟師になるまでのフロー。実際の手続きは?
私たちが自作した「くくり罠」。
罠のことは次回で詳しく説明します。

 さて、上記の狩猟免許は筆記試験と実技試験をパスすれば手に入れられる資格ですが、狩猟免許を取得しただけでは、まだ狩猟をすることができません……!

 銃を所持する場合は公安委員会の厳格な手続きを経て所持許可を得る必要がありますし、実際に狩猟する時場合は狩猟する場所に応じて狩猟者登録を行います。

長い道のり~!(;'∀')

《狩猟をする為のフロー》
①猟免許試験申し込み。(年に3回~8回)
↓ ⑴第一種銃猟免許 ⑵第二種銃猟免許 ⑶網猟免許 ⑷わな猟免許
②狩猟許試験合格。

③※⑴、⑵の方のみ※初心者講習→射撃教習→鉄砲所持許可申請などなど……

④狩猟者登録。

狩猟開始!

【猟師になるまでにかかる費用は? 私がわな猟免許を取得するまでにかかった金額】

 猟師になるにはいったいいくらかかるのか。

これから狩猟を始める方が一番気になるところなのかもしれません。お住まいの県や揃える道具によって金額はだいぶ変わってくるので細かい金額をお伝え出来ないのが大変心苦しいのですが、私がわな猟免許を取得して実際に猟を開始するまでにかかった金額をお伝えしていこうと思います!

1.免許をとるまでにかかった金額
♦事前講習    8,000円
♦狩猟免許試験料 5,200円
♦診断書代    4,080円
※①合計 17,280円

②免許を取ってから狩猟者登録にかかった金額
♦猟友会費、ハンター保険、狩猟者登録 27,100円
※②合計 27,100円

③実際に狩猟をする為に揃えた装備品
♦ナイフ ♦ブーツ ♦シャベル
♦ポーチ ♦皮手袋 ♦服 ♦鉄パイプ
※③合計 19,329円

④罠を作るのにかかった金額
♦罠一個あたりの値段1,743円×30個分 52,290円
♦ワイヤーカッター 12,960円
※④合計 65,250円

⑤雑費 
♦雑費 5,000円
※⑤ 5,000円

※①~⑤合計……133,959円

 

ぎょえぇぇぇえええ~!!!

こ、これでも狩猟免許の中では安いほうなんですっ……!

装備品もネットを駆使してだいぶ安く抑えたつもりですが、結構かかりますね。

これよりも細かな内訳は私の動画Nozomi’s狩チャンネル『#4【狩猟】結局、猟師1年目に掛かった金額は?Nozomi講座【狩女子】』で解説していますので気になる方は確認して頂ければ幸いです。

ちなみに第一種銃猟免許、第二種銃猟免許の方の取得までの金額を聞いたところ30万~50万との事でした!目がポーン!(  Д ) ゚ ゚

ですが、朗報もあります!私の住んでいる茨城県もそうですが近年の害獣被害の深刻さから補助金を出している自治体も少なくはないそうなので、是非お住まいの自治体に確認してみることをオススメします!

https://www.youtube.com/watch?v=rQ66Ast4lrA&t=13s

 

【終わりに】

 狩猟は、始めるまでにとてもお金がかかります。銃を所持すると、さらにメンテナンスや弾代などで、始めてからの年間の維持費もバカにならないようです。お金以外のどんな価値を狩猟に求めるかはあなた次第です。

しかしながら、狩猟は、年金など外に収入源のある方、収入に余裕のある方しか続けるのが難しいのが現状です。それが狩猟に若者の新規参入者が少なく“金持ちの道楽”だと言われてしまう所以だと、私は思っています。私はこの連載を通して、10年後、20年後の未来の為に、少しでもいろいろな人が狩猟に興味が持ってもらえるように尽力したいと思っています。

 今回は猟師になるまでのフローや、私が実際に初年度にかかった金額を綴らせて頂きました。フローや金額は皆さんお住まいの地域によって多少の前後があるようですが、参考になればと思っています。

 次回は実際に私が選んだ猟具『罠』についてもっと掘り下げてお伝えしていきたいと思います。この連載を通して私の、私たちの想いが、少しでも誰かに繋がり、そして何かのお役に立てれば幸いです。