主演・本田翼、山本美月という豪華キャスティングで話題になっている当映画だが、その中で、気になる少女を見つけた。
それが彼女、飯村未侑。
普段の自分とは大きくかけ離れた性格の人物を演じるにあたって、彼女が思ったこととは。
また、素顔の彼女について、STREETJACKが掘り下げていく。写真を拡大
「人が死ぬ瞬間を見てみたい」
映画『少女』は、そんな願望を抱えた、2人の女子高生が主人公の物語だ。思春期ならではの心の闇、そして社会の闇が描かれた壮絶なストーリーと、主演の本田翼、山本美月の鬼気迫る演技ぶりは、試写の時点から話題となっている。
その映画の中で、“いじめっ子役”として登場しているのが、現在ネクストブレイクに顔を出してきそうな気になる女優・飯村未侑(いいむら みゆう)。その可憐なルックスとは正反対の役柄を演じた彼女にインタビューを行った。

――どんな役を演じているのか知らずに試写を見に行って、見た目の印象とは真逆の役で驚きました……! 今回の役を演じてみてどうでしたか?
飯村 人間の闇を感じるダークな役柄だったので、最初は演じられるかどうか不安もありました。演じているときも、普段の飯村未侑に戻っちゃうと、「ごめんなさい!」って心が痛んじゃうんです。だから自分の中の「この人のこういう部分は嫌だな」という感情をかき集めて、役である“萌”に飲み込ませて演技をしていました。
――しかも、いじめるときに笑っているようなシーンも結構ありましたよね。
飯村 監督からも「もっとうるさくしていいよ」とアドバイスをいただいたので、常にハイテンションでいることをは心がけていました。

――笑顔で優しい言葉をかけておいて、急に表情を変えて、ひどい言葉を浴びせたりする場面も怖かったです。
飯村 ギャップとか落差を見せてほしい、ということは監督からも言われていました。その場面では、周囲にエキストラの方がたくさんいたんですが、言葉のあまりの壮絶さに「ひぇ」って悲鳴が上がっているのが聞こたりしました。
――自分の高校時代とは、相当にかけ離れた役だったんじゃないでしょうか?
飯村 そうですね。映画の舞台はお嬢様の女子校でしたけど、私は共学でしたし、私のまわりは平和でしたね。映画の中みたいに「ごきげんよう」という挨拶もしたことがないですし、どちらかというと活発なタイプの女子でしたから(笑)。本当に自分の高校生活とは180度反対の世界でしたが、少し歯車がズレただけで、こういう世界になっちゃうのかも……とも感じましたね。
――かけ離れた世界のようでいて、意外と身近にあるものなのかも……という怖さも感じる映画ですよね。
飯村 そうですね。登場人物たちが抱える心の闇には、自分にもどこか重なるところがありましたし、見ている人もそう感じる部分があるんじゃないかと思います。そういった怖さを感じながら、後半は「こことここがつながるんだ!」という展開もある映画なので、ぜひ劇場で観ていただきたいです。

――……と、ここまで映画についてを伺ってきましたが、先ほどお話に出たように、ご自身の高校時代は映画とは正反対な感じだったんですか?
飯村 そうですね。高校時代はサッカー部のマネージャーをしていて、男女の分け隔てはあまり感じていませんでした。だから映画では「女子高ってこんな雰囲気なのかな?」って考えながら演じていましたね。
――活発なタイプだった、とのことですが運動も好きなんですか?
飯村 はい。小学校3年生から中学校3年生までバスケ部に入っていて、部活が中心の生活をしていました。走るのが好きだったので、高校でも運動会ではクラスリレーに出ていましたね。だからサッカー部の男子たちに混ざって、一緒に走るトレーニングもしていました。

――かなり活発なマネージャーですね(笑)
飯村 そうだったかもしれないです。あと私、体力測定のシャトルランが大好きだったんですよ。
――ひたすら往復して走るやつですよね?
飯村 そうですね。それが大好きだということに高校に入ってから気づいて、1人で90本とか走っていました。自分でもちょっと「私って変なのかな?」と思いましたけど。

――変だと思います(笑)。そんな中で、芸能活動を始めるきっかけは何だったんでしょうか?
飯村 実は私、小さい頃はアイドルになるのが夢だったんですよ。モーニング娘。の方々が参加していたミニモニ。が好きで、小学校1年生のときの文集には「東京ドームとかでコンサートをするんだ!」って書いていましたね。かわいい衣装を着て、歌って踊るのが憧れだったんです。今見ると恥ずかしいんですけど(笑)。
――なぜアイドルの道には進まなかったんですか?
飯村 母に「アイドルはやめてくれ」って言われたのが原因ですね(笑)。それで母に「じゃあモデルをやってみたら?」と言われて、今の事務所に応募したんです。そこで演技のレッスンを受けている中で、「あ、演技をするのって楽しい!」と気づいて。そこから映像のお仕事が少しずつ増えてきた感じですね。

――ちなみに出身は青森とのことですが、芸能活動をはじめてから上京したんでしょうか?
飯村 上京したのは高校卒業後で、それまでは実家から夜行バスとかを使って通っていました。今は東京の生活にもだいぶ慣れてきました。
――最近はのマイブームとか、ハマっていることはありますか?
飯村 寝ることと、食べることですかね? なまけものみたいなんですけど(笑)。あと、美味しいものを食べるなら、やっぱり友達と一緒に食べたい!と思うんですけど、なかなか時間が合わなくて。だから最近は1人で寝てばかりいます。
――それは……確かになまけものかもしれないです。
飯村 そうですよね(笑)。だけど、今でも走ることは好きなんですよ。それを言うと「寝たり食べたりするのと真逆じゃない?」ってまた驚かれるんですけど。

――そうでしょうね(笑)。では今後、女優として挑戦していきたい役柄などはありますか?
飯村 とにかく色んなタイプの役をやってみたいですね。普通の素直な女の子から、個性的すぎて周りが付いていけない女の子まで、何でもチャレンジしたいです。
――憧れている女優さんは?
飯村 事務所の先輩の宮﨑あおいさんは、女優の仕事を本格的に目指してからずっと憧れています。芯の強さがとても好きなんですよ。特に、あおいさんがヒロインの芽衣子ちゃんを演じた映画『ソラニン』。あの芽衣子ちゃんみたいに、悲しみを受け入れようと頑張って、成長していく役柄を演じてみたいです。
――今回の映画『少女』では、いじめっ子として登場して、最後までいじめっ子の役でしたからね。
飯村 そうなんですよ! だから成長する役も演じてみたいですし、いじめっ子の役ばかりじゃなくて、他の部分も知ってもらいたいです(笑)。
Profile
飯村未侑(いいむら みゆう)
1996年11月16日、青森県生まれ。19歳。10台前半の頃からモデルを中心に活動をはじめ、その後は女優業も開始。映画『ある夜のできごと』(2010年)、『奇跡のリンゴ』(2013年)やケンタッキーフライドチキンのCMなどに出演。10月8日公開の映画『少女』では、主人公2人のクラスメイト・萌役で出演している。
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