『藝人春秋』(文春文庫)にも書いてあるフレーズなんだけど、たけしさんはかつて、当時、飛ぶ鳥を落とす勢いだった松本人志さんが話題になった時に「(松本より)俺の方がより凶暴で、俺のほうがよりやさしい」って言ったことがあったんです。
その“とてつもない凶暴さ、とてつもないやさしさ”ですね。
やさしさみたいなエピソードは沢山ありますけど言いたくないですよー、ええー具体的に? 基本的には語りたくないなー。あ、これは名古屋の番組で言ったからいいか。
たけしさんはいま立川談春さんに弟子入りしていて、談春さんの国立演芸場の前座とかに「立川梅春」という名前で高座に出ている。まあこれは『赤めだか』に談志師匠役で出演した絡みもありますけど、オレは一番は「梅春」という名前が面白いからやっていると思うんですけどね(笑)。
「夏目亭透析」と「古今テー志んショー者」と「立川梅春」もともと「錦乃助」って名前を談志師匠に貰っているのに、新たに自分で名前つけてやってんだもん。でも、そんな国立演芸場の前座に出たとか、鶴瓶さんの前座に出たとかは、確かにニュースになっているから皆、知ってはいることなんです。
オレが言いたいのは、実はグレート義太夫さんとホーキング青山がやっている「放送禁止ライブ」にも落語家として出ていることなんです。これがタイトル通りに、まあ、ふたりとも体が不自由なんですよ(グレート義太夫は重度の糖尿病を患っており、ホーキング青山は両手両足を先天的に使えないというハンデを持つ)。
ふたりは「夏目亭透析」と「古今テー志んショー者」って、たけしさんが付けた芸名なの。そこに「立川梅春」という名前で、たけしさんが落語をやるんです。何がすごいって、もう2回も出てるんですよ。
一度きりのご祝儀出演じゃないんです。
ほんとうにたけしさんの面倒見は…いいなんてもんじゃないですよ。なんて言ったってたけし軍ではこれまでのべ100人くらいの弟子を見ているわけですからね。もう親分としての器が桁違いなんですよ。