東京ディズニーリゾートの楽しみといえば、アトラクションやショーだけだと思っていませんか? しかし、十数年パークに通うディズニーブロガーのみっこさんは、「アトラクションやショーの魅力はもちろんですが、ふとした光景に隠れているこだわりを見つけるとパークで味わえる感動は何倍にもなる」と言います。最新刊『思わず話したくなる究極のディズニー』より、ディズニーランドの玄関ともいえる「ワールドバザール」に隠れた魔法を紹介します。
◆建物が実際よりも大きく見える魔法がかけられている
目の錯覚? ディズニーランドの建物の縮尺がおかしなことになっ...の画像はこちら >>
 

「夢と魔法の王国」への入口である「ワールドバザール」。左右に広がるにぎやかな街並みとその奥に見えるシンデレラ城の姿にワクワク感が高まります。
 ここに並ぶショップやレストランは2階建て、もしくは3階建ての個性的な建物ばかりです。
 しかし、この街並みを眺めてみると、もう少し高さがあるように見えませんか? 実はこれ、ゲストにかけられた「魔法」なのです。
 1階部分は、私達が実生活で利用する建物と同じ高さですが、2階・3階部分は、上に
行くほど縮尺が小さくなっています。
 建物によって差はありますが、例えば、1階部分の高さを「100」とすると、2階部分は「約70」、3階部分は「約50」というようになっています。こうして縮尺を変えることで遠近法を巧みに利用し実際よりも高い建物に見せているのです。こうして開放感を演出し、ゲストの期待を高めているのでしょう。
 普段は気にしない風景のなかにもディズニーの魔法がかけられているのですね。

◆実は「銀行」だったお菓子ショップ

 ワールドバザールにある、ディズニーランド最大のお菓子のショップ「ワールドバザール・コンフェクショナリー」。おみやげの定番である、さまざまな種類のお菓子が揃っています。
 このショップでは、複数のレジ台が横一列に並んでおり、商品を購入するゲストは、空いたレジカウンターでお会計をすることになります。


 ただのお会計のためのレジ……とほとんどのゲストは気に留めないと思いますが、実はここは「元銀行」だった、というストーリーがあるのです。銀行だった場所がお菓子屋さんになったことが、店内の新聞に記されています。

 そんな背景を知ると、レジ台がまるで銀行の窓口を思わせる作りになっているのも納得です。この銀行の名前は「SUGARMAN BANK」(シュガーマン バンク)。なんだかおいしそうな響きですよね。壁には銀行の重役の写真が飾られていますが、よく見ると彼らは「お菓子に関する名前」になっています。

■PRESIDENT(頭取)の名前:A. RICH SUGARMAN(シュガーマン)
■VICE-PRESIDENT(副頭取)の名前:I. NOAH SWEETDEAL(スウィートディール)
■ACCOUNTANT(会計士)の名前:HANS N. DECOOKIJAR(クッキージャー)
 ※正確なつづりは「COOKIEJAR」。クッキーの入れ物のこと。
■TREASURER(会計係)の名前:PHILIP D. CANDYDISH(キャンディディシュ)

 レジに並ぶ前あたりの壁には、「NIGHT DEPOSIT」(夜間金庫)も設置されています。
 お会計待ちの時間にでもぜひ探してみてくださいね。

◆「パレード中のキャラクターの目線」が体験できるアトラクション

 鉄道や車など、乗り物系のアトラクションがパークには数多くあります。そのなかのひとつ「オムニバス」では、めずらしい体験ができます。


 シンデレラ城前の周囲を1周するというシンプルなコースを回り、乗車中は各テーマランドの説明が車内アナウンスで流れます。パレード前後の時間帯には運行されませんので、一日のなかで「運営時間が非常に短いアトラクション」でもあるのです。
 おすすめは、2階の一番前の座席。景色がいいのはもちろんですが、「正面を向いて座ることができる」唯一の場所だからです。
 通常では見られない、バスの2階からのパークの景色は貴重です。ディズニーランドのパレードではフロートの上からキャラクターが手を振ってくれますが、その時の「キャラクターの目線」を体感することができます。
 ここに座るには、列の先頭に並んで待つ必要があるかもしれませんが、1回分待ってでも乗る価値があると思います。乗ったことのない方はぜひ試してみてくださいね。

『思わず話したくなる究極のディズニー』(KKベストセラーズ刊)をもとに構成>
 

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