スタンフォード大学は、1891年に設立された私立大学で、学生の在籍者数は16,000名ほど。このうち7,000名が学部生です。入学する学生はただ優秀なだけではなく、多才で、飛びぬけたスキルを持っていることが求められます。
米国内ではもちろん、世界トップクラスの大学であり、アイビーリーグよりも高い評価を受けることもよくあります。Forbes誌の全米大学ランキング「America's Top Colleges」、 Washington Monthly誌の「College Guide and Rankings」では、全米一の大学にランキングされることも多く、Times Higher Education (THE)の世界ランキングでは第3位にランクしている大学です。現時点でのTHE 最新世界ランキング2018においても、カリフォルニア工科大学(こちらもアイビー校ではない)と同率で世界3位を維持しています。Slate誌は同大学を「21世紀のハーバード」と称しています。
“悲劇”からはじまった大学の歴史大学の歴史は1800年代後半に起きた、ある“悲劇”から始まります。カリフォルニアの上院議員だったLeland Stanford氏と妻のJaneは、一人息子のLeland Jr.を腸チフスで亡くします。息子を亡くした悲しみを乗り越え、彼の名を世に残すためStanford夫妻はPalo Alto Stock Farm(パロアルト牧場)に大学を創設することを決意します。スタンフォード大学のキャンパスが今でも“Farm”と呼ばれているのはこのためです。
同大学初代学長となるDavid Starr Jordan氏と共に、Stanford夫妻は、宗教色のない、共学の大学を作ろうと奔走します。ハーバード大学を始めとしたアイビー校など、キリスト教の背景、キリスト教色を持つ大学が多かったなかで、宗教色のない学び舎は珍しいものでした。また彼らは、急速に発展するアメリカに建設的な変化をもたらし「公益を促進する」学生を輩出したいと考えていました。
あのアメリカ大統領OBは落ちこぼれだった?開学してすぐ、のちにアメリカの第31代大統領となるHerbert Hoover氏が入学しました。面白いことに、彼は入学する前、数学を除くすべての入学試験に落ち、夏に補習の個人指導を受ける程だったそうです。しかし当時のスタンフォードは現在ほどの名門大学ではなかったので、のちの大統領は無事卒業することができたわけですが、もちろん今ではそうは行きません。その後Hoover氏は、大学にとても影響力を持った人物となりました。
Leland Stanford氏の死後、1906年に起きたサンフランシスコ地震により、以後大学は財政的な危機に陥りました。しかしHoover氏は1920年代より大学運営に関わるようになり、Graduate School of Business(経営大学院)の設立を指揮し、さらにHoover Institution Library and Archives(フーバー研究所図書館・文書館)を設立し、立て直しを図りました。
さて、アメリカの大学のモットーはラテン語か英語の場合が多いのですが、スタンフォード大学のモットーは"Die Luft der Freiheit weht.”というドイツ語です。「自由の風が吹く」という意味のこのモットーは、16世紀の人文主義者Ulrich von Huttenの言葉から引用されたもので、大学の自由と探求の精神を表したものです。しかし、このモットーは初期の役員メンバーから賛同を得ておらず、長い間認められていませんでした。
23区よりも大きい!? 広大なキャンパス
スタンフォード大学は見事なキャンパスを有しています。世界で2番目に広いキャンパス(キャンパス単体)は、8,180エーカー(約33㎢)の面積にもなります。比較ですが、東京23区で、スタンフォードのキャンパス面積より広いのは、大田区、世田谷区など8つの区だけです。殆どの23区の面積よりも、大学一つのキャンパスの方が広いという信じられない話です。
ちなみに、世界で最も広いキャンパスを有するのは、アメリカのジョージア州にある ベリー大学 で、28,000エーカー(113㎢)というとてつもない広さのキャンパスです。23区の中で最も大きい大田区(60㎢)まるまる2つ分のキャンパスということになります。日本で最も広いキャンパスを持つ九州大学、伊都キャンパス(2.6㎢)と比較すると、スタンフォードやベリーの広大さが分かります。
シリコンバレーの中心部にある好立地!
広さもさることながら立地条件も良く、世界の先端技術企業の本社が多く集まる「シリコンバレー」のちょうど中心部に位置しています。このシリコンバレーの中には、Google、 Yahoo!、 Apple、 Facebookなどの有名企業が集結しており、学生は、こういった企業の中から比較的有利にインターンシップ先や就職先を見つけることができるのです。
またキャンパスの周りを見渡してみてもすばらしい環境です。
学問的な特徴はどうでしょうか?幾つか特筆事項を見ていきましょう。まずあげられるのは一年を4つの学期に区切るクォータ制の採用です。つまり一般によく見られるセメスター制(2学期制)の場合よりもテンポが早く、望めば多くのクラスを履修することができるのです。また学生と教授の割合が4対1で、少人数制のクラスとなっており、クラスの70%は19人以下のクラスです。
自由度も高いカリキュラムになっており、例えば、学部生であっても大学院の講義を自由に受講することができるなど、個人個人の関心にあわせカリキュラムを自由に組み、速いテンポで勉学を進めていくことができるのです。
Googleの創業者からタイガーウッズまで 多くの著名人が卒業生
スタンフォード大学は多くの著名人を輩出しています。革新的な考えを尊重しビジネスに重点を置く大学として、世界企業の社長、CEO、創業者を多く輩出しています。Googleの共同創業者Sergey Brin氏と Larry Page氏、Instagramの創業者Kevin Systrom 氏と Mike Krieger氏らは卒業生です。スペースX、テスラモーターズ、PayPalを立ち上げた Elon Musk 氏は大学院で物理学を学んでいました。
もちろん、ビジネスと技術だけの大学ではありません。スポーツや芸術など様々な分野でも著名な卒業生が多くいます。小説家のJohn SteinbeckやKen Keseyも大学に在籍していたことがあり、史上最高の成功を収めたゴルファーTiger Woodsも卒業生です。
大学ではノーベル賞受賞者や優れた発明や理論を生み出した教授陣が教鞭をとっています。数学のノーベル賞といわれるフィールズ賞を女性初で受賞したMaryam Mirzakhani氏は理論数学を教えていました。また人文・理学部・大学院で英語とクリエイティブ・ライティングのクラスを受け持っていたTobias Wolff氏は、2015年National Medal of Arts(全米芸術勲章)を受賞、さらに化学科教授のW.E. Moerner氏は、2014年ノーベル化学賞を受賞しました。
スタンフォードは、学問、研究、ビジネスを追求していく上で、これ以上ないインスピレーションを与えてくれる、刺激に満ち溢れた大学です。
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