今クールの連続テレビドラマ『ルパンの娘』(フジテレビ系)の第1話が11日に放送され、平均視聴率は8.4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と2桁には届かなかったものの、あまりの“ぶっ飛び”ぶりに絶賛の声が続出している。
主演の深田恭子が演じる図書館勤務の三雲華は、代々泥棒一家の“Lの一族”の娘で、華自身も泥棒としての類まれな才能に恵まれているものの、いまだに泥棒として活躍する父の尊(渡部篤郎)や母の悦子(小沢真珠)に反発を抱き、“普通の生活”を望んでいる。
そんな華がある日、恋人の桜庭和馬(瀬戸康史)に連れられ和馬の両親へ結婚の申し込みのため挨拶に行くと、なんと和馬も含めて桜庭家が代々警察官一家であることを知り、和馬の両親からは警察官以外との結婚は許さないと言われてしまう。さらに窃盗犯を担当する警視庁捜査三課の刑事である和馬は、なんと“Lの一族”の逮捕という任務を負わされてしまい、深く愛し合う華と和馬に危機が訪れるという設定だ。
ドラマの設定を聞いただけでも、奇抜なストーリーであることがうかがえるが、放送終了後からインターネット上では、以下のように高く評価する声が続出している。
「濃すぎで笑えます。ドラマチックな音楽と共にラブシーンや泣ける演出からのツッコミとかセンス良すぎです」
「大満足。大好き。カオス。キャスティングもカオス。ぶっ飛んでる」
「理屈抜きで楽しめるエンターテイメント! それぞれのキャラが立ってるし、無条件に面白い」
「予想を覆す面白さ!まさか、まさかのダ-クホ-ス?(笑)。これは、本当に久しぶりの高揚感」
「このノリ、最高です!」
「終始ゲラゲラ、おなか抱えて笑いっぱなしでした」
『翔んで埼玉』スタッフも参加同ドラマを見たテレビ局関係者は語る。
「薄暗い居間で深キョンと瀬戸が正座で座り、テーブルを挟んで全員黒いスーツ姿で怖い表情の瀬戸の家族4人と対峙する冒頭のシーンは、“何かが起こりそうな空気”満載で、一気に視聴者を引きずり込むほどのインパクトがありました。
そして深田がなんの変哲もない古びた一軒家に帰宅して和室に立ち、床が抜けて深田が落下したかと思うと、どこかの物置から深田が出てきて、高級タワーマンションの最上階にある“本当の自宅”に帰り、それまでのシーンとは打って変わり豪華な室内で派手な格好をした渡部と小沢が登場。
2人は高級ワインを傾けながらバカな会話を繰り広げ、さらに深田の祖母役のどんぐりが大きな声でワーワーしゃべっていたかと思えば、スパイ映画調の曲が流れ、深田の家族全員がヘンテコな全身スーツとマスクをかけた姿で登場するオープニングになだれ込む。この冒頭数分で“え? 何これ?”と視聴者の心をつかむことに成功していました。
これ以外にも、いきなり深田と大貫勇輔のミュージカルが始まったり、真っ赤な全身スーツ姿の深田が逆さまで宙づり状態のまま瀬戸の愛の告白を受けたりと、笑いどころ満載で、文句なしの傑作コメディーといえるでしょう」
また、別のテレビ局関係者は語る。
「すべての登場人物のキャラ付けがしっかりとされていて、物語の展開に無駄がまったくなく、さらに細部の演出やセリフまで巧妙につくりこまれているので、見ている間ジェットコースターに乗っているような感覚で1時間があっという間でした。
『ルパン三世』や『キャッツアイ』など日本のアニメのパロディと思われる部分は多々あるものの、つくり方としては『007』や『ミッション:インポッシブルシリーズ』などアメリカのスパイ映画に近いという印象を受けました。ちょっとテレビっぽくないつくりだなと思ってドラマのHPをみたところ、脚本やプロデューサー、演出に映画『テルマエ・ロマエ』や『翔んで埼玉』の制作陣が入っていて、合点がいきましたね。
ちなみに個人的には、ラストのほうで全身スーツ姿の深田が、犯人が撃ってきたピストルの弾をヒョイヒョイとよけながら格闘して、最後の一撃で犯人をしとめた後に変な決めのポーズを決めるアクションシーンが抜群に面白かったです。また、犯人のアジトで深田を天井から逆さ状態でロープで吊るして潜入させる場面で、ロープを吊るす機器が壊れて、これまた全身スーツ姿の渡部と小沢が焦った様子でその機器をフゥーフゥー口で吹いて冷やそうとしているシーンなども、間抜けすぎて爆笑してしまいました。
テンポも良くて完成度も高く、これまでの連ドラにはない異色の作品であることには間違いなく、今後視聴率が伸びていく可能性はあると思いますよ」
視聴者からも好評を博しているだけに、視聴率面でも今後の健闘を期待したい。
(文=編集部)