9月14日に開幕する「FIVBワールドカップバレーボール2019」。4年ごとに行われるこの大会は、毎回フジテレビが独占放送し、スペシャルサポーターとしてジャニーズの新人グループが起用されることが恒例行事となっている。

これまでも、1995年のV6、1999年の、2003年のNEWS、2007年のHey!Say!JUMP、2011年と2015年は連続してSexy Zoneと、この大会を機にCDデビューを狙う若きジャニーズJr.たちの登竜門的存在になっているのだ。

 しかし、今回のスペシャルサポーターに抜擢されたのは、CDデビューしてすでに5年にもなるジャニーズWEST。なぜ新人グループの起用は見送られたのか? ジャニーズ事情に詳しいある週刊誌記者は、次のように分析する。

「前大会もSexy Zoneが起用されましたが、実はあの時点で、“新人グループの登竜門”としての役割は終わっていたのです。というのも、2011年にデビューしたSexy Zoneは、同年のこのワールドカップバレーで初めてスペシャルサポーターに抜擢され大々的に売り出されました。しかしその後、グループとして一般層にまで浸透するほどには売れることなく、結果的に2015年にもまたスペシャルサポーターを務めることに。Sexy Zone以後も、2012年にA.B.C-Z、2014年にジャニーズWESTがデビューしていますが、いずれもジャニーズファン内での人気にとどまっている。2018年にデビューしたKing&Prince(キンプリ)まで、わかりやすく爆発的に売れたグループをジャニーズは輩出できておらず、これをアイドル業界では“セクゾ渋滞”と呼ぶほどなのです。

 Sexy Zoneはもうデビュー8年めなのに、まだまだグループの冠番組も定着していない。むしろ、発売初日に30万枚超という鮮烈なCDデビューが印象的だったキンプリのほうが、まだわかりやすく売れたといえるでしょう。なので、いまの時代にバレーW杯で新人グループを仕掛けるのは危険だと判断され、セクゾ渋滞に巻き込まれたままのジャニーズWESTのほうに白羽の矢が立ったのではないかといわれています」

盛り上がる関西ジャニーズJr.

 今までのスペシャルサポーターのラインナップを振り返ると、確かにいずれも今ではジャニーズファン以外にも知られる存在となった人気グループばかり。Sexy Zoneがまったく売れていないとうわけではなかろうが、セールス的にはKing&Princeの後塵を拝す結果となってしまったのは紛れもない事実。



「ジャニーズWESTも関西ローカルではそこそこ露出がありますが、全国区レベルだとまだ知られてない存在。今回のバレーW杯をきっかけに全国区の人気をつかみたいところなのでしょうが、新人グループの“アピールチャンス”が結果的にひと枠なくなってしまったわけで、一部のジャニヲタからはブーイングが起こっています。

 彼らの兄貴分である関ジャニ∞は、テレビでもコンサートの集客でも圧倒的な人気を誇っていますが、2018年に渋谷すばるが脱退し、錦戸亮も辞めたがっているという噂が根強い。最悪の場合、解散というケースも考えられるため、ジャニーズWESTの底上げはジャニーズ事務所にとっても急務。そのため、今回のスペシャルサポーターへの抜擢につながったのではともいわれていますね」(前出・週刊誌記者)

 一方、在阪のある放送作家はこんな分析を披露する。

「いま、関西ジャニーズJr.の人気が本当にすごくて、ジャニーズWESTの下には“なにわ男子”“Lilかんさい”“Aぇ!group”などのデビュー待機組にもファンがしっかり付いています。そのため、ジャニーズWESTをちゃんとブレイクさせないことには、今度は“WEST渋滞”になってしまう可能性もある。しかし、昨今はバレーW杯自体が視聴率的にも低迷してますし、V6や嵐がそれをきっかけにデビューしたときとは環境が違いすぎる。低迷するフジテレビに乗っかったところで、さほど話題にはならないでしょうしね」

 果たして、アイドル帝国の大きな期待と切実な裏事情を背負い、ジャニーズWESTが大ブレイクを果たすことはできるのか? 熱い戦いはコートの外でも繰り広げられているようだ。

(文=藤原三星)

藤原三星(ふじわら・さんせい)
ドラマ評論家・コメンテーター・脚本家・コピーライターなど、エンタメ業界に潜伏すること15年。独自の人脈で半歩踏み込んだ芸能記事を中心に量産中。<twitter:@samsungfujiwara>

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