「ホンダ出身者では頼りない」――。
日本の自動車メーカーの団体である日本自動車工業会(自工会)は、豊田章男会長(トヨタ自動車社長)が任期を延長し会長を続投することを決定した。
自工会の会長ポストはトヨタ、ホンダ、日産自動車の代表権を持つ社長以上が1期2年の輪番制で務めることが内規で決まっている。現在の会長である豊田氏の任期は2020年5月まで。ところが9月26日の自工会の定例記者会見で、豊田会長の任期を2年延長することが理事会で決定したと明かされた。
豊田氏が内規を曲げても自工会会長ポストにこだわるのは、来年の東京五輪があるためだ。自工会や日系自動車各社は、世界中から多くの人が来日する東京五輪を、完全自動運転車や空飛ぶクルマなど、日本の先進技術をアピールする絶好の機会と捉えている。自社のテレビCMに積極的に出演し、新車発表会では自身は出席しなくてもビデオで何度も登場し、登壇者であるトヨタ幹部らに「マスタードライバー豊田章男」と連呼させる豊田氏としては、トヨタのトップではなく、日本の自動車メーカーの代表者として世界に名を売るチャンスと映る。
こうした思惑もあってトヨタは、東京五輪が開催される20年に自工会の会長ポストを確保したいとの意向があり、次期会長を出すホンダと水面下で交渉してきたようだ。トヨタは約2000億円ともいわれる契約料を拠出してIOC(国際五輪委員会)と最高位のスポンサー契約であるTOP(ザ・オリンピック・パートナー)を締結するなど、五輪に熱心な企業として有名。これに対してホンダはスポーツ関連の取り組みで有名なものはない。
予兆はあった。ホンダは今年4月の役員人事で、神子柴寿昭氏が会長に就任した。20年5月にまわってくる自工会会長ポストに就任することを見越しての人事と見られていたが、神子柴氏が代表権を持たない会長だったことを不思議がる声が上がっていた。自工会会長は自動車メーカーの代表権を持っていることが決まっているからだ。つまりトヨタは、今年の初めには豊田氏の自工会会長の続投に向けて動いていたと見られる。
ホンダにとっても渡りに船記者会見では中部地区のメディアの記者が、なぜ豊田会長が続投するのかと質問すると、本来なら来年5月に会長に就任するはずだった神子柴氏が「来年、東京五輪というビッグイヤーを迎えることもあり、これまで強力なリーダーシップ、求心力でやってきた」ことが理由と説明。あるジャーナリストは「質問者はどう見てもトヨタ側の仕込み。ホンダの神子柴氏に回答させることで、トヨタが任期延長を求めたのでなく、ホンダをはじめとする周囲から強く要請されたから、これを受けたと演出したかったのだろうが、魂胆が見え見えで会場はしらけきっていた」という。
ただ、ホンダがトヨタの要請に簡単に応じたのも理由がある。自工会会長を出す自動車メーカーは、特段メリットはなく、広報体制などを含め全面的にバックアップすることを強いられ、企業側の負担も少なくない。「四輪車事業での利益率低迷などで業績が厳しいホンダとしては、トヨタが会長職を続けたいというなら『是非どうぞ』というのが本音」(業界筋)だからだ。
9月26日の自工会の理事会では、西川廣人副会長(日産取締役)の辞任も了承された。西川氏が日産の社長兼CEOを辞任したためだ。かつては自工会の会長・副会長は、経済産業省の天下りを除いて、トヨタ、日産、ホンダ、マツダ、三菱自動車の大手5社のトップが務めてきた。三菱自は燃費不正問題を受けて当時のトップが自工会の副会長を辞任し、今回、日産も辞任した。このため、会長・副会長はトヨタと、トヨタと資本提携して関係の深いマツダ、そしてホンダの3社となった。今後、10月末までに決まる日産の新しいトップが副会長に就くかは未定だが、当面、「出たがり豊田会長」のやりたい放題が続くことになりそうだ。
(文=河村靖史/ジャーナリスト)

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