片付けられない症候群や汚部屋に関するテレビ番組が人気になるほど、今や注目のキーワードになっている「整理収納」。この片付けを理論から学び、仕事として生かせる資格「整理収納アドバイザー」が、特に女性の間で人気です。

どんなことができる資格なのでしょう?

老若男女、実は誰もがやらなくてはならないのが整理収納

 家の中を片付ける整理収納は、掃除と一緒に考えてしまい、主婦や女性の仕事と思っている人が多いのですが、実は老若男女、すべての人が身に付けておくべき生活スキルなのです。家中を片付けることはないにしても、自分の机、自分のクローゼット、会社の机など、雑然としていると不便な場所はたくさんありますよね。整理収納は、多くの方にかかわってくることなのです。

実はほとんどの人が整理収納を「自己流」でやっている

 整理収納は家庭内で行うので、親や兄弟など家族の整理収納法をなんとなく受け継いでいる人がほとんどです。自分のアレンジを加えている人もいると思いますが、それもまた自己流なので、とても実用的であったり、実は無駄があったりと、どちらのケースもあるのですが、第三者から評価されることがないので、どちらかわからず、常に自己流になってしまいます。これが整理収納がなかなか上達しにくい原因です。

 最近では雑誌やSNSで整理収納が人気になり、特集記事や整理収納に関するワード、整理収納の手順が共有される機会が増えました。それを見て「私、意外と整理収納上手だった」「今までの整理収納の仕方では、全然ダメだった」などと確認された方もいるのではないでしょうか。

理論と実例を学んで、自分の整理収納法を客観視できる

 整理収納の正式な資格となる「整理収納アドバイザー」は、ハウスキーピング協会が認定する資格です。1日で取得できる2級、2次試験まである1級の2種類があります。自分自身で上手に整理収納ができるようになるだけでなく、1級を取得すれば、整理収納の悩みを抱えている人の気持ちを理解し、一緒に問題を解決して住まいの収納を美しく機能的に変えること、またそれを維持できるようにアドバイスすることが可能です。ちなみに2級で学ぶカリキュラムは、以下のような内容になっています。

・整理について考える

・整理収納を促進させる5つの法則

・人とモノとの関係

・ケーススタディから学ぶ~整理を妨げている要因~

・グループ演習

・整理収納アドバイザー認定テスト

 これはハウスキーピング協会でも受講できますし、弊社インブルームでも受講日を設けています。弊社の講師は、実際に多くのお家を整理収納してきた「お片付けコンシェルジェ」のベテランが担当しているので、理論プラス実際のケースに基づいた具体例をもとに、整理収納の実践方法をお伝えしています。ただ話を聞くのみのセミナーと違い、自分で考えたり、自分のやり方を振り返って学ぶので、会場を出たら忘れてしまうということもなく、自分の中に知識がしっかり残ります。

取得した日から、すぐ生活の中で生かせる「使える資格」

 受講して整理収納アドバイザーの資格を得ると、その日からその知識が生かせます。今まで自分はどんな整理収納をやっていたのか、その長所と改善点がわかるので、今までの整理収納が正解だったのか、またどれくらいのレベルだったのかも把握できるようになります。

 つまり自分の整理収納力が「見える化」され、自己流が正しい形に変わるのです。

 すると、「思い切って捨てたけれど、あれはやはり捨てなければよかった」「片付けたのに、あっという間にリバウンドした」などの失敗や後悔がなくなります。それだけでも大きなプラスになりますが、さらによいのは、整理収納を行うことにプラスの価値を見いだせることです。

 今までの受講者から頂いた報告では、女性の場合は「今まで義務だと思ってやっていた整理収納が、おもしろくなり、子供にも片付け方を教えられるようになった」という声がありました。男性の場合は「今までは片付けてもらうのが当たり前だと思っていたが、理論が理解できたので、実際に自分でやりたくなった。手始めに会社のデスクを整理収納してみたら、とてもスッキリ。共用部分もやってみたくなった」など。

 またシニアの方も「家の中にずっとあるものの、要不要を分ける気持ちが出てきた。終活というよりこれからの余生を気持ちよく暮らすために、整理を始めます」と前向きな感想を頂いています。

我が家を機能的に片付けられるのはもちろん、整理収納のプロにもなれる

 自分の家だけにとどまらず、整理収納が得意な人なら、さらにスキルアップして仕事にすることもできます。整理収納アドバイザー1級を取得すれば、片付けられずに悩んでいるお宅に、プロとして整理収納をアドバイスする仕事ができます。資格と経験があって初めて就ける職業なので、その収入もかなり高い。企業によって差はありますが、時給2000円でバリバリ稼いでいる整理収納アドバイザーも少なくありません。個人のお宅にお邪魔して、悩みを聞き、片付けられない原因を依頼者と一緒に考え、ピッタリ合った整理収納プランを立てて、それを一緒に実践していく。

 とても大変な仕事ではありますが、やり終えたときの充実感や、依頼者から感謝されたときの達成感は他の仕事ではなかなか得られないものです。私もそうですし、弊社でお片付けコンシェルジュとして働いている人たちも、大きなやりがいをもって働いています。人のためになる仕事がしたい、やりがいのある仕事につきたいという方にはおすすめです。

 ※インブルームで受講できる整理収納アドバイザー2級認定講座は→

受講料/開催日程/お申し込み

さらに極めて、社内の整理収納ができる企業内整理収納マネージャーの資格を取得することも

 最近は個人宅だけでなく、会社内の整理収納にも注目が集まっています。仕事をする場である会社では、探しものをする時間をなくし、仕事の効率を上げることが利益に直結します。

整理収納の重要さに気づいた企業から、仕事の依頼が増えつつあります。

 企業内整理収納マネージャーの資格は、整理収納アドバイザー2級を持っていれば受験可能です。この資格の場合、プロとして企業の整理収納コンサルタントとしてお仕事にするという方法と、社内の一社員としてこの資格を取り、自分の会社で社内の環境改善リーダーとして活躍する、という2つの働き方ができます。

 ※インブルームで受講できる企業内整理収納収納マネージャー講座は→ 

受講料/開催日程/お申し込み

 

これからは整理収納が仕事になっていく時代

 片付けなんて、誰でもできて当たり前というのは昔の話です。モノがあふれる今は、誰でも要不要を見極めたり、取り出しやすく戻しやすい収納ができるわけではありません。だからこそプロの整理収納が仕事として成り立つのです。たかが整理収納と思わず、しっかり学んで自分の「強み」にしてみませんか?

(文=中山真由美/整理収納アドバイザー、インブルーム取締役)

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