現在放送中の『俺の話は長い』(日本テレビ系)で、4年ぶりの連続ドラマ主演を務めている生田斗真。初回視聴率は8.4%とやや低調な滑り出しであったが、1時間ドラマなのに30分×2話方式を採用、初回放送前にYouTube 日テレ公式チャンネルなどで28時間の生番組を配信、そのことにより「最も長い広告宣伝映像」としてギネス認定……などの話題作りも仕掛け、なかなかの野心作となっているようだ。

 では、本作を関係者たちはどのように見ているのだろうか? あるテレビ誌の記者は次のように語る。

「タイトル通り、ほんとに長くて偏屈な講釈を生田斗真が延々と語り、それが物語のメインとなっているため、今の若者世代には非常に見づらい内容だと思います。だって、映画を倍速で観たり、YouTubeをスキップして観たりするのが当たり前の時代ですからね。だからこそ、30分×2話形式にしてよりテンポよく見せようとしたかったんでしょうが、それでもなお、“俺の話は本当に長い”んですから(笑)。さすがにこれは、ドラマのコンセプトがあまりにも時代と逆行しているといわざるを得ません。今後、生田斗真演じるニートが再生していく物語になるようですが、そもそもそこまで視聴者が耐えられるのかどうか……」

『俺の話は長い』出演は作品選びを間違えた?

 生田はジャニーズ事務所所属だがCDデビューはしておらず、“歌わないアイドル”として知られている。俳優業に専念する“異色のジャニーズ”として長く活躍しているが、「実は伸び悩んでいる」というのはあるスポーツ紙の記者だ。

「彼の代表作といえば、映画『土竜の唄 潜入捜査官REIJI』シリーズぐらいでしょう。2014年公開の1作目は興行収入20億円を突破し、シリーズ第2作の『土竜の唄 香港狂騒曲』でも14億円ほど。また、吉高由里子とW主演を務めた2012年公開の『僕等がいた』は前後篇は40億円を突破するほど大ヒットを記録し、ほかにも興収10億円オーバーがいくつかあります。なので、一時は“興行収入10億円は突破できる俳優”として引く手あまたでしたが、ここ数年は10億円を下回ることも多くなり、まさに伸び悩んでいるといえます。

 一方、ドラマの主演作でヒットしたものが何ひとつない。

もともと映画俳優という売り出し方でしたが、35歳になってそうもいってられない時期にきたのでしょう。とはいえ、ラブストーリーをやるには年がいきすぎてるし、かといってほかに代表作があるわけではない。だからこそ今回の『俺の話は長い』は、彼にとっては絶対に当てなければならないドラマだと思うのですが、ちょっと作品選びを間違えたとしかいいようがないですね……」

生田斗真はCDデビューすべき?

“異色のジャニーズ”ともてはやされていたのも今は昔。ジャニーズを取り巻く状況もここ数年で一変し、俳優・生田斗真もまた岐路に立たされている。ある週刊誌の記者は次のように語る。

「そもそも生田くんはのメンバーと同期でジュニア時代から人気者でしたが、嵐結成のときになぜかメンバーから漏れてしまったのが“異色のジャニーズ”の始まり。そんな嵐も来年いっぱいで活動休止ですから、生田くんも彼らと同じくいろいろ思うところはあるでしょう。また、同じく同期の関ジャニ∞も錦戸くんが抜けて5人編成となり、新たな岐路に立たされています。そんな激動の時代に生田くんが『俺の話は長い』を選んだことは、非常に興味深いと思うんですけどね。つまり、今までと同じやり方をしていたら何も変わらないんだと彼は気づいたのではないでしょうか。『俺の話は長い』はかなりの野心作ですが、今後もいろんなチャレンジをしていくという気持ちの表れなんだと思います。

 一方時代は流れて今や、元KAT-TUNの赤西仁くんや元関ジャニ∞の渋谷すばるくんなどの“やめジャニーズ”が自身のファンクラブやレーベルを設立し、成功していたりする。

もはや“異色のジャニーズ”だけでは太刀打ちできない時代が到来したということですよね。個人的には、“歌わないアイドル”だった生田くんがこのタイミングで突然CDデビューとかアイドルグループを立ち上げるといったチャレンジをしてほしいと思ってます。おそらく、『俺の話は長い』よりもよほど話題になるし、売れると思うのですけどね(笑)」

 各界から非難ごうごうな今回の『俺の話は長い』。生田斗真がジャニーズ激動期に挑んだ渾身の野心作だと思えば、彼の長い話も少しは聞けるようになるのかもしれない。

(文=藤原三星)

藤原三星(ふじわら・さんせい)
ドラマ評論家・コメンテーター・脚本家・コピーライターなど、エンタメ業界に潜伏すること15年。独自の人脈で半歩踏み込んだ芸能記事を中心に量産中。<twitter:@samsungfujiwara>

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