スズキの電気自動車(EV)の現地生産計画が動き出した。インド西部のグジャラート州の乗用車工場の隣接地にEVと車載電池の新工場をつくる。
これとは別に、スズキのインド子会社マルチ・スズキ・インディアが1800億円(1100億ルピー)を投じ、北部ハリヤナ州に新工場を建設する。ハリヤナ州に建設する新工場は25年に稼働し、生産能力は25万台となる。スズキは四輪車でハリヤナ州に2工場、グジャラート州に1工場あり、年産能力は225万台だ。今回の工場の新設でインドの生産能力は、およそ1割増加する。
日本の自動車大手ではスズキとダイハツはEVの生産や販売をしていない。日産自動車と三菱自動車は22年夏までにEVを発売し、ホンダも24年に軽の商用車を売り出す。スズキは世界販売の半分を占めるインド市場からEVの本格展開を始め、巻き返しを目指す。インドでは日本の軽自動車を母体にした小型車がヒットし、21年3月期の連結営業利益の3割をインドを中心とするアジア地域で稼いだ。
スズキにとってインドは世界で最も重要な市場だが異変が起きた。韓国勢と現地メーカーの攻勢を受け、21年3月期のスズキの乗用車販売のシェアは47.7%に低下、死守したいとしていたシェア50%を割り込んだ。韓国の現代自動車(起亜自動車を含む)が23.1%、インドのタタ・モーターズが8.3%、同じくマヒンドラ・アンド・マヒンドラが5.8%と、スズキの牙城に割って入ってきた。マヒンドラは13年に、韓国の現代自は19年にEVを売り出した。スズキに先駆けて富裕層を取り込む戦略を打ち出した。
インドでのEVはトヨタとの協業がカギを握る2020年代後半にはインドが人口で世界一になる見込みだ。自動車でもインドは中国と並ぶ大市場になる。トヨタやスズキなど日本メーカーはハイブリッド車(HV)を投入しようとしていたが、この目論見は外れた。インド政府は17年5月、「2030年までガソリン車、ディーゼル車の販売を禁止し、EVのみとする」方針を明らかにした。HVを飛び越えて、EVにシフトすると宣言したわけだ。スズキは20年をメドにリチウムイオン電池を使ったHVをインド市場投入する計画だったため、インド政府の方針転換に困惑した。
実は日本勢はインド市場ではHVを優先させる戦略だった。
インド政府は中国のあとを追う。30年に新車販売に占めるEVの比率を3割に高める目標を掲げ、EVの購入時に補助金を出すことを決めた。車メーカーにもインド国内でのEVの生産実績に応じ、助成金を出す制度を設けた。
スズキは結局、戦略転換を余儀なくされた。スズキがインド市場向けに生産するEVにトヨタがコネクテッドカー(インターネットと常時つながる車)の最先端技術などを供与する。一方、トヨタはスズキからEVの供給を受け、自社ブランドでインド市場に投入する。
スズキは得意とする小型のEVで新しい市場を開拓し、50%のシェアを死守する構えをみせている。購入補助金などを差し引き、スズキのEVの実質価格は100万円台を目指す。
経営体力が限られるスズキにとって、インドへの一極集中は賭けである。もう一つの主力市場の日本での成長力が限られるなかで、いかにインドでシェア50%の生命線を死守できるか。経営力を含めた総合力を高めることが求められている。
23年3月期は3年ぶり、16%減益スズキは5月11日、23年3月期の連結純利益が22年同期比16%減の1350億円になる見通しと発表した。3期ぶりの減益となる。22年3月期に計上した工場跡地の売却益がなくなる反動だ。原材料価格の高騰が850億円の減益要因となる。
5月11日に公表した22年3月期連結決算は12%の増収、10%の最終増益だった。主力のインド市場の販売台数は21年同期比3%増の136万台。日本は半導体不足の影響が大きく13%減の56万台だった。インドが国内の2.4倍となった。
(文=Business Journal編集部)

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