今年2月から俳優の高橋英樹とその娘であるフリーアナウンサー・高橋真麻が所属することとなり、注目の的となっているのが芸能事務所・グレープカンパニーだ。サンドウィッチマンカミナリ、永野といったお笑い芸人が所属する新興事務所ではあるものの、業界内では“優良事務所”との呼び声も高い。



 グレープカンパニーが誕生したのは2010年。当時サンドウィッチマンが所属していた「フラットファイヴ」のマネージャーが独立する形で設立、サンドウィッチマンほかフラットファイヴ所属のほとんどの芸人が移籍してきた。

「お笑い事務所といえば、よしもと(よしもとクリエイティブ・エージェンシー)が最大勢力。次いでナベプロ(ワタナベエンターテインメント)、人力舎、太田プロ、松竹、マセキ(マセキ芸能社)、浅井企画あたりが続くといった状況です。そんななかでグレープカンパニーは歴史も浅く、サンドウィッチマンありきの事務所であることは間違いないですね」(芸能事務所関係者)

 そんなグレープカンパニーだが、小粒ながらも順調に人気芸人を輩出している。

「ピン芸人の永野がブレイクしたかと思えば、茨城弁漫才のカミナリもブレイク。最近では、独特なツッコミが人気となっている東京ホテイソンもグレープカンパニー所属です。また、賞レースでも結果を出していてM-1ファイナリストでもあるカミナリのほか、キングオブコントではわらふぢなるお、ゾフィーが、THE Wではあぁ~しらきがそれぞれ決勝に進出しています。この規模の事務所にしては、なかなかの快挙だと思いますね」(前出・芸能事務所関係者)

●バーターをしない謙虚な姿勢

 いわば弱小新興事務所であるはずのグレープカンパニーはどうしてここまで結果を出し続けているのだろうか? とあるメディア関係者はその理由についてこう明かす。

「まず、現場マネージャーが有能だということですね。とにかくマジメでメディア対応もすごく丁寧。強引な売り込みはしませんが、いい芸人がいるとしっかり営業してくれるんですよ。
しかも、手芸人とも真摯に向き合っていて、芸人サイドからの信頼も厚い。事務所に対する文句を言う芸人はよくいますが、グレープカンパニーの場合は事務所に対する不満を言う芸人はほとんどいません。むしろ、『事務所に恩返しをしたい』と話す芸人ばかり。お笑い界では本当に珍しいことですよ」

 また、グレープカンパニーは芸人の世界ではよくある「バーター」をしないことでも知られている。

「たとえば、爆笑問題が所属しているタイタンであれば、爆笑問題の番組にタイタンの若手が出たり、よしもとやナベプロが売れっ子芸人に売出し中の若手をセットで付けて番組に出したりと、そういった形での“バーター”は珍しくないのですが、グレープカンパニーはそれをやらないんですよ。だからこそ、サンドウィッチマンにもいろんな番組からオファーがくるし、業界内での評判も良くなる。好感度No.1芸人を抱えていても、常に謙虚な姿勢でいるから、どんどん仕事もくるし、若手も育つということなのでしょう」(前出・メディア関係者)

 あくどい手法でのし上がる芸能事務所も多いなか、“マジメさ”を武器に結果を出していくグレープカンパニー。何かと炎上しやすいこのご時世、愚直なくらいのほうが成功しやすいのかも知れない。

(文=編集部)

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