ビジネス誌の「プレジデント」が(プレジデント社)が2月3日、2537人の読者アンケートの結果をネットで公表した。「経営者」「政治家」「ビジネス書」について、ベストとワーストを順位付けしたものだ。


「あなたが評価する経営者」の部門でワースト評価を受けたのは、元ワタミ会長の渡邉美樹氏。すでに経営の第一線を退き参院議員になっているが、過労死裁判をめぐる対応の悪さなどによるイメージ悪化が、現在も続いているとみられる。


■ベスト経営者は「稲盛流コンパ」の提唱者



渡邉氏は、日経ビジネス2016年1月25日号の「敗軍の将、兵を語る」に登場。イメージ回復の絶好機と見られたが、「(ブラック企業という)心ない誹謗によってワタミは大きなダメージを受けました」と弁明して話題となったばかりだ。


一方、最も支持された現役経営者は、4年連続で稲盛和夫氏。現職の肩書きは、京セラと日本航空の名誉会長、KDDIの最高顧問とのことだが、現役といっていいのだろうか。


稲盛氏は「あなたが評価するビジネス書の著者」の部門でも、大前研一氏と故P.ドラッカー氏をおさえて1位を獲得している。2015年には「稲盛流コンパ 最強組織をつくる究極の飲み会」(日経BP社)という本を出し、


「酒を酌み交わすのです。心をさらけ出すのです」


という表現が話題になった。稲盛流コンパは「全員参加」が大原則で、稲盛氏自身も酒を飲みながら部下と軍歌を歌ったりするそうだが、これを聞くだけだと若者世代の中には、なぜ「名経営者」と評価されているのか理解できない、という人もいるかもしれない。


なお、回答者の年代では40代の35.1%が最も多く、50代の27.1%と合わせると6割以上を占める。男性の割合も83.8%と高い。

職位は経営者・役員と正社員・職員で8割を超え、非正規雇用は自営業・無職と合わせても16.1%しかいない。


堀江貴文氏が「ワースト著者」3位にランクイン


また、ワースト経営者の2位には東芝歴代社長、3位には堀江貴文氏がランクイン。堀江氏は「ビジネス書の著者」のワースト部門でも、勝間和代氏や大前研一氏に次ぐ第3位となっている。


その一方で堀江氏は、ネットを通じて若者を中心に高い支持を集めており、ツイッターで150万近いフォロワーを誇っている。しかし公称25万部あまりの「プレジデント」の読者は中高年が中心ということもあり、ネットとはだいぶ意識が乖離しているようだ。


なお、ベスト政治家は小泉純一郎、田中角栄に次いで安倍晋三首相がランクイン。

安倍首相はワーストでも、鳩山由起夫氏と菅直人氏に挟まれる形で第2位となった。好きなビジネス書著者は、故司馬遼太郎氏が圧倒的1位。ワーストでも百田直樹氏をおさえて第1位となっている。


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