ボクシングを扱った作品として人気を誇る『はじめの一歩』。数々のボクサーが登場する中、主人公「幕之内一歩」の後輩として、物語に刺激を与えるキャラクターが、今回ご紹介する「板垣学(いたがきまなぶ)」です。
一歩に憧れて鴨川ジムに入門し、才能を開花させていく彼の魅力をご紹介します。

【※一部、ネタバレの内容を含む可能性が御座います。ご注意下さい。】

■生まれ持ったスター性!

 明るく社交的で要領の良い板垣学。甘いマスクは女子にも人気で、プロのデビュー戦から黄色い声援が飛んでいました。目立ちたがり屋で緊張を楽しめる性格の彼は、勝ち試合の後に宙返りを披露したり、パフォーマンスも派手で、スター性も抜群です。
また、誰に対しても物怖じせず、時には先輩の一歩にもはっきりものを言いますし、“死神”と恐れられているボクサー「間柴了」とも仲良くやっています。

 冷静に物事を見るタイプの彼は、心の中できつめのツッコミを入れている時もありますが、そこが天真爛漫な一歩との対比となって、面白くもあります。

■鴨川ジムの血を受け継ぐ“プロ”ボクサー

 板垣はもともと運動神経抜群で、圧倒的なスピードと反射神経、優れた空間把握能力を武器にするアウトボクサーです。しかしアマチュアの高校時代は、ライバルの「今井京介」に3戦3敗3KO・・・。今井に負け続け、いつも2位に甘んじていました。その為、普段は飄々としている板垣も、今井に関してだけは、つい感情的になってしまいます。


 その後、鴨川ジムに入門した板垣は、東日本新人王決定戦で、プロになって初めて、今井と対戦します。デビュー戦当時はアマチュアの感覚を引きずっていた板垣ですが、鴨川ジムの先輩達と過ごしてきた濃密な時間により、プロの姿を学び、自身にもその誇りとプライドを刻み、今井との因縁の一戦に臨みます。

 素晴らしい才能を持ちながら、それを十分に活かせていなかった板垣。しかし、鴨川ジムでの厳しい練習と先輩たちの背中を追いかけることで、成長し才能を開花させていく様子は、「才能だけではなく、努力によって人は花開く」ということを教えてくれているようで、観ていてワクワクしてしまいます。

 その後、あまりの天才ぶりを発揮する板垣は、天才ゆえのムラっ気がたびたび出てしまい、必ずしも順調とはいかないのですが・・・。

■強烈!ダジャレ家族

 一見華やかで育ちの良さそうな見た目の板垣ですが、実は貧乏育ちの貧乏家族。
高校や大学も特待生として入学した板垣は、早くボクシングで身を立てて、家族に楽をさせてやりたいと思っています。しかしそんな環境も、笑いで苦労を吹き飛ばすのが、板垣とその家族です。

 底抜けに明るい家族と数々のダジャレが披露されるのが、アニメ2期の第25話。プロ初勝利をあげたお祝いで、板垣家に招かれた一歩は、そこで思わぬものを目にします。まず板垣家のボロ屋っぷりに驚き、妹の奈々子のかわいさに頬を染め、極めつけは板垣父をはじめとした家族全員のダジャレ攻撃です。夕食の挨拶は「いた“が”きます!」から始まり、全ての会話がダジャレダジャレ・・・。
一歩の周りに吹きすさぶ、寒いダジャレのブリザードは強烈でした(笑)。『はじめの一歩』のギャグ回は、どれもテンポが良くて好きなのですが、この回は特に濃厚な(?)内容です。

 今井戦後、その才能を徐々に開花し、“天才”ぶりを発揮していく「板垣学」。しかし、天才ゆえのムラっ気から、意外な試合結果になることもあります・・・。才能のかたまりとして、一歩とは異なった壁を乗り越えていく、彼の今後が楽しみです。

【原稿作成時期の都合により、内容や表現が古い場合も御座いますがご了承下さい】

★記者:moto11(キャラペディア公式ライター)