心根がまっすぐな主人公「光牙(こうが)」とは対照的に、斜に構えたような言動が多いのが、今回紹介する「エデン」です。高い実力を持ち、品格ある振る舞いで周りからも一目置かれているのですが、本人は周りの人間と仲良くする気があまり無いようにも見えます。
そこには、彼なりの孤独があったのでした。

⇒エデンとは?(聖闘士星矢シリーズ)
http://www.charapedia.jp/character/info/4961/

【※一部、ネタバレの内容を含む可能性が御座います。ご注意下さい。】

■闘いの神・マルスの血

 エデンは、神の化身にして火星の守護者である「マルス」の息子であり、彼の作る「新世界」の王となるべく育てられました。本人も神の血を引く者として高い誇りを持つ一方、自分は他者と違うという思いから周囲とは距離を置く一匹狼に・・・。しかし、そんな中でも「アリア」の事は心底愛しており、守りたい存在として想い続けていたのですが、父「マルス」が下した試練は過酷なものでした・・・。


■支えを失い追い込まれる精神

 マルスの手によってアリアが殺害されてしまうことで、エデンは大きな悲しみを胸に抱きます。しかも、マルスがアリアを殺したのは「新世界」の人柱として・・・。そのことを知り、「自分が殺したようなものではないか」という苦悩も。アリアの愛した世界を守るため、マルスの「新世界」を否定、反旗を翻すことを決意するのですが、そこに至るまでの苦悩は見ていて痛々しいほどです。しかし裏を返せば、神の子でありながらも思い悩む彼の人間的な感性も、彼の魅力のひとつといえます。

 最終的にマルスに勝利したエデンでしたが、家族を全て失ったこと、アリアの敵討ちを終えてしまったことから「自分はどう生きていけばいい?」と新たな悩みを抱えるようになるのです。


■守るべき人がいる強さ

 マルスとの戦いの後、アリアを守れなかった虚無感をずっと抱き続けていたエデン。昴(すばる)からは「力があるのにそれを使わないバカ」と言われる場面もありました。「いずれ神になる男」を自称し、その力を渇望する昴にとって、“神の子”であるにもかかわらず、それを憎むような言動さえ見せるエデンにイライラを覚えたのでしょう。

 エデンはエデンで、「守りたいものもないのに何をどうしろというのだ」と反感を覚えますが、ある人物との出会いを境に考えが変化します。「アリア」が愛した世界、そこに住む人々を守ろうと立ち上がり、ようやくその強さを発揮するようになります。

 全ての戦いが終わり、一人旅に出るエデン。
自分が何者なのか、どう生きていくべきかを探す旅です。長い旅になるかもしれない・・・そんな矢先、自分と同じように旅に出ようとする光牙とバッタリを出会います。光牙の誘いから共に旅をすることになった二人ですが、その旅は一体どのようなものになったのでしょうか?若き聖闘士のその後も少し気になります。

【原稿作成時期の都合により、内容や表現が古い場合も御座いますがご了承下さい】

★記者:氷雨みやこ(キャラペディア公式ライター)