(C)2011映画「モテキ」製作委員会

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あなたの思う”日本映画界を代表する女優”は、誰だろうか。

ヒットメーカー・東野圭吾原作、実写化の興行収入46億円超えと大盛況だった『マスカレード・ホテル』(19)の続編として期待が高まる、9/17公開『マスカレード・ナイト』。
前作に引き続き、優秀で真面目すぎるホテルマン・山岸尚美を演じるのは長澤まさみ。

日頃からドラマやCM、映画などに触れている人であれば知らない人はいないであろう、紛れもない”日本映画界を代表する女優”の一人だ。

女優・長澤まさみの軌跡

長澤まさみの眩しすぎる魅力:誰がどう見ても世界遺産級、異論は認めない

(C)2019「コンフィデンスマンJP」製作委員会

長澤まさみの女優人生のはじまりは、第5回「東宝シンデレラ」オーディション。当時12歳、史上最年少でグランプリを受賞し芸能界入り。その後さまざまなドラマ、映画、雑誌に出演した後、『世界の中心で、愛をさけぶ』(04)のヒロイン・亜紀役に抜擢。第28回日本アカデミー賞最優秀助演女優賞を受賞し、映画界に深い爪痕を残した。

当時、私は12歳。
ちょうどポケモンやジブリ以外の日本映画作品を見はじめた頃で、幼いながらに映画館で大号泣した記憶がある。

その後、ドラマでは「ドラゴン桜」、「プロポーズ大作戦」、「ラスト・フレンズ」、「コンフィデンスマンJP」など、映画では『涙そうそう』(06)、『モテキ』(11)、『50回目のファーストキス』(18)、『キングダム』(19)など、女優としての階段を休むことなく駆け上がっている。

長澤まさみは、青春時代のどのシーンにも登場する眩しすぎるヒロインの代表格と言っても過言ではない。アラサー世代にとって思い出深いドラマや映画に、彼女の存在は必要不可欠だ。

ここからは、そんな長澤まさみの個人的推し5作品とともにその魅力を語っていく。

やっぱり王道に真面目な長澤まさみが一番。
『マスカレード・ホテル』

長澤まさみの眩しすぎる魅力:誰がどう見ても世界遺産級、異論は認めない

(C)2019 映画「マスカレード・ホテル」製作委員会 (C)東野圭吾/集英社

『マスカレード・ナイト』の公開を目の前にしてまず観ておきたいのが『マスカレード・ホテル』(19)だ。

木村拓哉演じる刑事・新田と、長澤まさみ演じるホテルマン・山岸のコントラストが非常にユーモアな本作品。長澤まさみ史上最も真面目な役柄ではないだろうか。ぶっきらぼうな新田に対して疑いの目しか向けない山岸が、捜査を進める中で自身には持っていない視点や行動に尊敬の眼差しに変わっていく姿が印象的だ。

激動の劇中ももちろんのことだが、中でも魅力的なのはラストシーン。

大波乱な捜査を終え、若干の名残惜しさを感じつつもお別れをした後日、山岸と総支配人である藤木(石橋凌)、新田と元相棒である能勢(小日向文世)の4人でホテル・コルテシアにて食事をするために再会。
ロビーで待つ新田の目に飛び込んできたのは、仮面を被った山岸と多数のお客様だった…というのは妄想で、本当は小綺麗な格好をしたいつもの山岸なのだが、それはそれでいつものホテルマンとの姿にギャップに戸惑いを隠せない様子の新田。明らかに柔らかい雰囲気になっていてまんざらでもなさそうな山岸。見ているこちらがドキドキしてしまう。

長澤まさみの眩しすぎる魅力:誰がどう見ても世界遺産級、異論は認めない

(C)2021 東野圭吾/集英社・映画「マスカレード・ナイト」製作委員会

山岸の目に映った”仮面舞踏会”の様子は『マスカレード・ナイト』への示唆なのか。新田と山岸、二人の展開にも注目だ。

誰がどう見ても世界遺産級、異論は認めない。
『モテキ』

長澤まさみの眩しすぎる魅力:誰がどう見ても世界遺産級、異論は認めない

(C)2011映画「モテキ」製作委員会

長澤まさみを語る上で外せない作品が『モテキ』(11)。この長澤まさみを見て惚れない人類はいないと断言する。

森山未來演じるサブカル系セカンド童貞・藤本幸世。そんな男を沼にハメてしまう(いろんな意味で)危険な女こそが長澤まさみ演じる松尾みゆきだ。
映画って、好きすぎると内容や展開を知っていても、なんでもないときになんとなく流したりする。私が最も観てる作品が、なにを隠そう『モテキ』。
もう、何回観たかわからない。そして、何回観てもみゆきは最高だ。

Twitterはよくわからん男のイラストアイコン、ディープなサブカル事情についてつぶやきまくり、幸世とDMのやり取りをする中でも女性と思わせないサバサバさ…そんな第一印象からいざ会ってみたらベリーショートとショートパンツが超似合う、服装はきれいめなのにイヤホンじゃなくヘッドホンで音楽聞いてるあの感じ、からの顔を覗き込んでの「幸世…くん?」。あと、度々かましてくる「ん?」…モテキの長澤まさみは一体どれほどの男性をその気にさせてしまったのか、考えただけで計り知れない。

長澤まさみの眩しすぎる魅力:誰がどう見ても世界遺産級、異論は認めない

(C)2011映画「モテキ」製作委員会

他、神シーンとしては「一緒寝る?」「飲む?」からの口移しキスや、飲み会終わりの「私ここで、どろんしま~す。あはは、シュシュシュシュシュシュシュ」など、こんな長澤まさみを魅せてくれた大根仁氏には頭が上がらない。


ただのビッチかと思いきや闇深い大人の事情を抱えているみゆきが、不器用な幸世とともに成長していく、実はピュアなラブストーリー・『モテキ』。

観れば観るほど長澤まさみの魅力に溺れること間違いない。

大人の色気に初っ端から目を離せない『海街diary』

長澤まさみの眩しすぎる魅力:誰がどう見ても世界遺産級、異論は認めない

(C)2015 吉田秋生・小学館/フジテレビジョン 小学館 東宝 ギャガ

吉田秋生原作・マンガ大賞2013受賞作品、是枝裕和監督・脚本により映画化された『海街diary』(15)。美しい三姉妹、いや、四姉妹と海辺の風景に心を洗われる物語だ。

しっかり者の長女・幸(綾瀬はるか)、自由人で変わり者な三女・千佳(夏帆)、ミステリアスな一面が光る四女であり腹違いの妹・すず(広瀬すず)と、個性豊かな姉妹に囲まれ、長澤まさみが演じたのは次女の佳乃。明るくて奔放、酒好きで酒癖は悪め、そのわりに仕事はそこそこにそつなくこなし(なんせ銀行勤め)、人生において恋愛を重要視しつつもダメンズを拾いがち…そんな女性だ。

長澤まさみの眩しすぎる魅力:誰がどう見ても世界遺産級、異論は認めない

(C)2015 吉田秋生・小学館/フジテレビジョン 小学館 東宝 ギャガ

本作品は、佳乃と恋人の朋章(坂口健太郎)が泊まった翌朝、二人が眠っているシーンからスタートする。朝っぱらから幸に呼び出され急いで着替えて彼の家を後にするシーン、寝起きとは思えない長澤まさみの美しさ、メリハリのある引き締まった身体に目を奪われる。

すずの元を訪れ宿に到着するやいなや「ビール飲みて~~~」と駄々をこねる一面、すずに恋愛の煌びやかさを語る姿は別人のようだ。そんなギャップもたまらなく愛おしい。

キャリアウーマン役をやらせたら右に出るものはいない、『嘘を愛する女』

長澤まさみの眩しすぎる魅力:誰がどう見ても世界遺産級、異論は認めない

(C)2018「嘘を愛する女」製作委員会

TSUTAYA CREATORS’ PROGRAM FILM 2015で初代グランプリ企画が映像化された話題作、『嘘を愛する女』(18)。サスペンス、ミステリー、ヒューマン、恋愛と、さまざまな要素が混ざり合う、朝日新聞の記事から着想を得た実話を元にした物語だ。

本作品で長澤まさみが演じるのは、キャリアウーマンでありながら恋愛にも抜かりがない凛とした女性・川原由加利。東日本大震災で研究医・小出桔平(高橋一生)と偶然の出会いを果たし早5年、順風満帆な同棲生活を送っていた。由加利の母と三人で会う約束をしていたとある日の夜、伝えていたお店に彼は現れず、帰宅しても部屋の中は暗い。深夜、インターホンが鳴りやっと帰宅したと思いきやそこには警察官の姿が。なんと桔平はくも膜下出血で倒れ意識を失っていた。この一件をキッカケに、思いもよらない出来事たちが由加利に襲いかかる。

長澤まさみの眩しすぎる魅力:誰がどう見ても世界遺産級、異論は認めない

(C)2018「嘘を愛する女」製作委員会

瀬戸内で”本物の桔平”を発見したと思いきや別人だったときの長澤まさみの芝居は唯一無二だった。「やっと見つけた」という期待から一気に突き落とされ、絶望から涙するわけでもなくただただ声を上げて笑う姿には心が痛くなる。ラスト、病室で眠る桔平にこれまで伝えられていなかった思いを涙ながらに激白するシーンも圧巻だ。

闇に堕ち続ける毒親役で誰も見たことのない新境地へ。『MOTHER マザー』

長澤まさみの眩しすぎる魅力:誰がどう見ても世界遺産級、異論は認めない

(C)2020「MOTHER」製作委員会

親子が起こした殺人事件というショッキングな実話をベースに描いた映画、『MOTHER マザー』(20)。誰にも救いようのない衝撃的なストーリー、類を見ない胸糞の悪さ、星5つである。

ゆきずりの男たちと関係を持ち、その場しのぎの生活をおくる自堕落で奔放な女・秋子。比較的明るい役柄が多かった長澤まさみからは想像もつかないほどのクズさ加減…長澤まさみの真骨頂を見た気がした。

秋子はシングルマザーで、周平(奥平大兼)という息子がいる。仕事もお金もない秋子だが、周平への執着心は異常で、元旦那にはなにがなんでも渡そうとしない。また、実家に帰るたびにお金をせびり、両親や妹とも実質絶縁状態。そんな秋子はいろんな男と関係を持ちつつもパチンコ店で出会った遼(阿部サダヲ)と堕ちるところまで堕ち、社会の底部で生きていく。そんな遼との時間は永遠なわけもなく、やっぱり秋子には周平しか、周平にも秋子しかいないのだ。

長澤まさみの眩しすぎる魅力:誰がどう見ても世界遺産級、異論は認めない

(C)2020「MOTHER」製作委員会

この長澤まさみがすごいのが、(彼女だからこそきれいなものの)化粧っ気も一切なくよれよれの服を着ただらしのない容姿、話さなくてもわかるうらぶれ具合にも関わらず、出会う男全員と寝るのだ。じゃがいもの皮をするする剥くギャップに、みんなやられてしまうのだろうか。長澤まさみのうちからにじみ出る色気は圧巻で、そうなるたびに心の中で拍手していた。もはや尊敬の念。

すべての責任を周平に押し付け罵倒するその姿は憎くもあり、それ以上に哀れだった。鑑賞後もしばらく引きずってしまうほどの毒親を演じ切った長澤まさみのこれからがますます楽しみになる作品だ。

長澤まさみの眩しすぎる魅力:誰がどう見ても世界遺産級、異論は認めない

(C)2018「嘘を愛する女」製作委員会

長澤まさみ代表作品を深堀りする中で引っかかったことが、二つある。

一つ目、映画『モテキ』の一人目となるヒロインは長澤まさみ、ドラマ「モテキ」の一人目となるヒロインは野波麻帆なのだが、この二人には「東宝シンデレラ」オーディション グランプリという共通点がある。また、『嘘を愛する女』でも食品メーカーの同僚・ライバルとして共演。これはただの偶然なのだろうか。

二つ目、長澤まさみはどんな役柄でもなにかにつけて酒飲みの役が多い。その飲みっぷりは見ていて気持ちいいくらいだ。実際の長澤まさみはどうなのだろうか。いつか一緒に乾杯したい。

長澤まさみの眩しすぎる魅力:誰がどう見ても世界遺産級、異論は認めない

(C)2020「コンフィデンスマンJP」製作委員会

今回は特に推しな5作品とともに振り返ってみたが、映画だけでも通算50作品以上出演している。それぞれの作品で魅力はまったく異なるので、改めて見返してみて”推しな長澤まさみ”を語り合いたいところだ。

(文:桐本絵梨花)

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