宮藤官九郎が山本周五郎『季節のない街』をドラマ化。舞台は仮設住宅のある「街」

2023年05月11日(木)12:25

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Text by CINRA編集部

宮藤官九郎が企画・監督・脚本を手がけるドラマ『季節のない街』が8月9日からディズニープラス「スター」で全10話一挙配信される。

宮藤が長年、企画を温めてきた同作は、山本周五郎の小説『季節のない街』を映像化するもの。

原作小説は1970年に黒澤明監督が『どですかでん』のタイトルで映画化しており、裕福とはいえない「街」を舞台に弱さや狡さを隠さずに逞しく生きる住人たちの悲喜を描いた。

ドラマ版では原作小説をベースに、舞台となる「街」を12年前に起きた「ナニ」の災害を経て建てられた仮設住宅のある「街」へ置き換え、現代の物語として再構築。希望を失い「街」にやってきた主人公が住人たちの姿に希望を見つけ、人生を再生していく青春群像エンターテイメントとして描く。

宮藤が映像作品の監督を務めるのは2016年の映画『TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ』以来。宮藤と共に監督を務めるのは『いとみち』などの横浜聡子、『ドライブ・マイ・カー』に監督補として参加した渡辺直樹。音楽は『あまちゃん』『いだてん～東京オリムピック噺～』などの大友良英、撮影は『ある男』『万引き家族』の近藤龍人、美術は『すばらしき世界』などの三ツ松けいこ、衣装は宮藤作品にも多数関わる伊賀大介が担当する。

今回の発表に合わせてビジュアルが公開。壁に大きく電車が描かれた仮設住宅や、大きな「大漁旗」がたなびく様子が描かれている。

【宮藤官九郎監督のコメント】
黒澤明監督作品の中で『どですかでん』がいちばん好きで、その原作小説『季節のない街』に20歳で出会い、その昂ぶりのまま演劇を始めました。
以来、事あるごとに原作を読み、なぜ黒澤さんはこのエピソードを削除し、あのエピソードを膨らませたのだろう、という疑問が沸き始めました。
そもそも短編集なので1話完結の連続ドラマになるんじゃないか?（…と思ったら60年前に森繁久彌主演でドラマ化されてました）とか、現代に置き換えるなら、舞台は仮設住宅かな？とか、電車バカの六ちゃんは誰がいい？とか、伴淳三郎さんの役はあの人？田中邦衛さんの役はアイツしかいないとか、そんな妄想を抱きつつ30年、無理だよな、無理なんだろうな、と諦めかけていたところに、ディズニープラスさんが面白がってくれて日の目を見ました。
びっくりするくらい素晴らしいキャスト、最高のスタッフ、びっくりするくらい寒暖差の激しいロケ地、怖いほど条件が揃ってしまったので、失敗は許されないというプレッシャーと闘いながら、二ヶ月半のロケは夢のように過ぎていきました。

どうしよう。今回は自信がある。紛れもなく、いちばんやりたかった作品で、これを世に出したら、自分の第二章が始まるような気がしています。
世界中の人に観てほしいので拡散お願いします。