THE NORTH FACE CUPを彩る“サポーター”たち

 国内最大のボルダリングコンペ、THE NORTH FACE CUP(ザ・ノース・フェイス・カップ/以下、TNFC)の魅力をお伝えする長期連載特集の第4弾。今回は、大会を影から支える“サポーター”であるスポンサーを一挙に紹介。
合わせて予選ROUND7・8の模様もお届けしていく。

スポーツクライミングを支援する各社が集結


 毎年多くの協賛が集まるTNFCだが、2020年大会には「THE NORTH FACE(ザ・ノース・フェイス)」を扱うゴールドウインはもちろんのこと、日頃からスポーツクライミングを支援している10の企業が大会サポートのため集結した。彼らはノベルティの提供、会場でのブース展開、サンプリング、バナー掲出などで、TNFCを盛り上げる。

[特別協賛]

THE NORTH FACE CUPを彩る“サポーター”たち


株式会社ゴールドウイン


タウンユースとしても圧倒的な人気を誇るザ・ノース・フェイスを展開。発起人・平山ユージによる大会への協力要請を受けていなければ、この大会はここまで大きくならなかったかもしれない。大会への冠協賛や、参加者へのノベルティ提供、上位選手への賞品提供などを行っている。





[協賛企業一覧]

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日本GORE株式会社


防水と透湿、2つの機能を搭載した「GORE-TEX(ゴアテックス)」。様々なアウトドア製品の素材として使用され、その人気・知名度は業界随一。TNFCでは2016年からトートバッグなどのノベルティも提供している。






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ニューハレックス


クライミングには欠かせないという人も多いテーピングのメーカーであるニューハレックス。彼らのブランド「New-HALE」は、野口啓代や伊藤ふたばのサポートをはじめ、多くのトップクライマーから愛用されている。予選、本戦ではブースを出展し、テーピングの貼り方などのアドバイスも行う。






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牛乳石鹸共進社株式会社


昨年に90周年を迎えた牛乳石鹸共進社は、野口啓代を広告に起用していることでも知られる。野口に加え野中生萌、森秋彩をサポートしており、様々な大会の協賛、体験イベントの実施などでスポーツクライミングの競技普及に貢献している。TNFC2020では牛乳石鹸のシンボルである「赤箱」石鹸のサンプリングを行う。







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オリエンタルバイオ株式会社


主に健康食品を取り扱うオリエンタルバイオは、スポーツクライミングやフットサル、レーシングなどのスポーツ支援を通じて、健やかな暮らしと、夢をもち挑戦しつづける人々を応援。各大会の壁面にある同社の取扱ブランド「raffinee(ラフィーネ)」のバナーでもお馴染みだ。クライマーでは野口、森、杉本怜、工藤花・空姉妹をサポートしている。






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スカイA株式会社


長年スポーツクライミングの大会中継を行っているCS放送チャンネル。近年は主に小中学生を対象としたミニコンペ&クリニック「スカイA ボルダリングClub」を全国で定期的に開催している。昨年のTNFCでは、同系列のインターネットテレビ「AbemaTV」で本戦の生中継を実施した。






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Casio計算機株式会社


スポーツクライミングのコンペにおいて重要な“時間”の計測器は大会に欠かせない要素の一つだが、本戦でそのタイマーを提供しているのがカシオだ。また優勝者には、賞品として時計「G-SHOCK」も贈呈する。






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日本航空株式会社


2018年から日本山岳・スポーツクライミング協会、および国際スポーツクライミング連盟とオフィシャルパートナー契約を結ぶなど、近年スポーツクライミングを支援しているJALが、2020年大会の強力なパートナーとなった。本戦当日にはオリジナルノベルティ(クリアファイル等予定)の配布が予定されている。





[協力企業一覧]

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Jazzy Sport(DJ / 音響)


日本におけるスポーツクライミングの大会中に流れるBGMといえば、「Jazzy Sport(ジャジースポート)」。彼らの生み出すシリアスかつ重厚なミュージックは、選手、そして観る者を駆り立て、極上の舞台を創出する。







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Climbing JAM(Lighting / ビッグバナー制作)


Climbing JAM(ジャム)は、もとは静岡を中心に4店舗を展開するクライミングジムだが、ボルダリングやリードジャパンカップ決勝でのライトアップは彼らが請け負っている。選手を追い、照らし続ける影の努力が、スポーツクライミングの“魅せる”大会演出に一役買っている。





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各ROUNDでは、WINGSによるRed Bullのサンプリングも行われている。





最高級の素材で、最高級の課題を


 TNFCの魅力の一つとして、世界各国のホールドに触れられることも挙げられるだろう。どれを見てもW杯などの国際大会で使用されている有名ブランドばかりで、オーストリア、フランス、アメリカなど、欧米各国の豪華な顔ぶれが揃う。彼らもまたTNFCに協賛し、ホールドを提供している。ドラマチックな展開を生む課題のどれを見ても、そこには高い質を保ち続けるホールドメーカーの存在がある。


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Squadra(スクアドラ)


ボルダリングワールドカップで男子最多となる5度の年間優勝を経験したレジェンド、キリアン・フィッシュフーバーなどの著名クライマーたちによってインスパイアされているオーストリア発のホールドメーカー。ワールドカップなどの国際大会でも使用されており、世界的に知名度が高まっている。
輸入販売:BaseCamp






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BluePill(ブルーピル)


ボルダリングワールドカップ2017のミュンヘン大会で鮮烈デビューを果たした、ドイツの注目ホールドブランド。シンプルなデザインと使いやすさは、セッターたちのお墨付きだ。
輸入販売:BaseCamp






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Flathold(フラットホールド)


様々な大会でチーフルートセッターを務めるマニュエル・ハスラーがシェイプを施すスイス発のメーカー。そのクオリティは世界最高峰で、国際大会での使用はもはや定番となっている。

輸入販売:フロンティア・スピリッツ






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expression(エクスプレッション)


フレッド・ルーランや現役フランス代表らを抱えるフランスでシェアナンバーワンのブランド。世界選手権2012パリでのリード決勝でも多く使われた。近年、ボリュームシリーズで新境地を開いている。
輸入販売:セブンエー






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Art line(アートライン)


フランス生まれの新ブランド。ストリートアートに触発されているというシェイプは、さすがはフランス製という秀逸なものが多い。岩場志向が強く、斬新な印象のデザインが多いのが特徴的だ。
輸入販売:セブンエー






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Aix(アイクス)


チェコ発の正統派ホールド。豊富な経験に裏打ちされたシェイプと質感がエキスパートの心をとらえて離さない。毎年精力的にNEWシェイプを送り出しており、中でもハリボテの質の高さには定評がある。
輸入販売:カルペディエム






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Dimension Volumes(ディメンションボリュームズ)


カナダ発のボリュームに特化したブランド。アメリカのクライミングコミュニティ「クライミング ビジネスジャーナル」においてボリューム部門が設立された2017年から3年連続で1位を獲得。北米で絶大な人気を誇る。
輸入販売:サンダンスアウトドアーズ






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Teknik(テクニック)


コンペシーンの歴史と共に歩みを続けている、こちらもカナダ生まれの老舗メーカー。ラインナップが豊富で、使い勝手の良さが評判。日本各地のジムで目にする機会も多い。流行の大型ホールドではなく、指先で保持するようなホールドを多くそろえている。

輸入販売:クラックス



クライマーにうれしいノベルティグッズ


 エントリーの先着順でノベルティがもらえるのもTNFCの楽しみの一つだろう。ここでは近年に配布されたノベルティグッズを一挙紹介。いずれもクライマーの使用シーンを想定したものが並んでいる。例年ザ・ノース・フェイスがノベルティを提供しているが、2016年からはそこにGORE-TEXも加わった。

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 伊藤ふたばが持つTNFC2020のノベルティは、耐摩耗、引裂強度の高い素材を使用したトラベルボックス。ジッパーで大きく開く開口部とトップ側にあるメッシュの小物入れがポイントで、着替え入れやシューズバックとしても重宝するサイズ感となっている。カラーバリエーションはCosmic Blue、Sodalite Blue、Caribbean Sea、High Risk Red、Blackの全5種類。どれが手に入るかは、手に取ってからのお楽しみだ。

【ノベルティグッズ/THE NORTH FACE】
2015:チョークバッグ
2016:トラベルボックス
2017:オリジナルシューズケース
2018:デイパック
2019:トラベルキャニスター
2020:トラベルボックス

【ノベルティグッズ/GORE-TEX】
2016:今治タオル
2017:マグカップ
2018:トートバッグ
2019:トートバッグ
2020:トートバッグ

倉敷、横浜で予選ROUND7・8が開催


 ここからは、予選ROUNDの模様をお届けする。11月2日、23日に、rocks(岡山・倉敷)でROUND 7、Share(神奈川・横浜)でROUND 8が行われた。Shareでは182名が参加し、2020年大会の予選ROUNDで最多だったGRAVITY RESEARCH なんばBでのROUND 4を上回る参加者が腕を競った。

 同ROUNDには、2014年のボルダリングジャパンカップ覇者である山内誠が出場。10課題すべてを完登し、Division 1首位で本戦行きを決めている。

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rocks倉敷でのROUND 7には143名が参加。


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182名が出場したShareでのROUND 8。Division 1では若手有望株の百合草碧皇が9完登し、山内に次ぐ2位で本戦へ駒を進めた。



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 さらに、恒例となった一般参加選手たちの声をご紹介。ROUND 7ではWomen's Division 4とDivision 5の1位、ROUND 8ではDivision 3の1位選手に、予選に向けたトレーニングや本戦への意気込みを聞いた。

【ROUND7/rocks倉敷】
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Women’s Division 4/1位:石井杏奈
「TNFCは初めての参加だったんですけど、触ったことのないホールドばかりで、コーディネーション系の課題も多くてとても楽しかったです。普段は広島県の『KOKOPELLi』で登っています。この大会に向けて、他のジムに行って登れない課題があっても大きいホールドを触ることを意識していました。本戦で1位を取りたいと思っているので、自分の足りないところの練習をもっともっと頑張りたいと思います」

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Division 5/1位:和田樹怜
「(全10完登だったが)17番の課題以外は一撃だったんですけど、攻略方法を少しミスしてしまって、手こずってしまいました。いつも高知県の『ストーンラブ』で登っていて、今日は四国から来ました。次に出るリードの大会に向けて練習していたら、ボルダーの調子もよくなりました。本戦では予選、準決勝、決勝、ぜんぶ1位で行きたいと思います」

【ROUND8/Share】
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Division 3/1位:安楽宙斗
「この前にここShareでTNFCのシミュレーション課題をやって、少し完登まで時間がかかってしまったので心配だったんですけど、なんとか通過できました。(本戦に向けて)パワーをつけて、足技も使えるところをうまく見極めて、スムーズに登れたらいいなと思います。
(いくつもの大会で優勝しているがコンペの面白さは?)大会までのトレーニングとか、強くなっているのかどうかを感じるところが面白いです。本戦では決勝に行って、決勝課題を楽しめるように頑張ります」

 最後に、全完登で会場を沸かせた山内誠の一問一答をお届けする。

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Division 1/1位:山内誠

-ROUNDの感想は?
「前回の本戦以来のコンペだったので、思いの外緊張していたと思います。初めて訪れたジムでもあり、アップもあまりできない状況にしては頑張れました。序盤のペースが早く、前半からかなりパンプしてしまっていたので厳しい状況ではありましたが、皆様の声援のお陰で頑張ることができました」

-本戦への意気込みを教えてください。
「セッション方式には少し苦手意識があります。自分のタイミングで登ることができず、他の選手達の登りを見ていると逆に惑わされてしまうケースが多々あります。課題の見極め、並んでいる人数、ペース配分。全てをコントロールしながら登らないといけないため、ベルトコンベアー方式よりも苦手意識が強くなってしまいました。そんな中、どれだけ自分の実力を出せるかはわかりませんが、前大会では準決勝で敗退してしまったので、決勝を目指して頑張りたいです」

-山内さんは岩場でも活躍されていますが、最近の成果を教えてください。
「今シーズンは瑞牆(山梨県)の『Dicided』狙いで週一程度通っていました。上部のパートではリーチが足りず思っていたよりも日数がかかってしまいましたが、無事登ることができ、今は下から繋げる『United』を狙っています。このシーズンは雨と寒さで厳しいため、小川山と塩原辺りの狙っている課題を触りに行きたいと思っています」

-最近しているトレーニングについても教えてください。
「トレーニングに関しては、これといってあまりしていません。強いて言うのであれば、(フィンガーボードの)『beast maker』のぶら下がりや、懸垂はほぼ毎日やっています。何を何回やるとか、何秒やるとかも特に決めていないので、その日のコンディションや気分に合わせて行なっています。昔からハマっているのは小指の強化ですが、やりすぎると傷めてしまう為、あまり進展がありません…。最終目標は『beast maker』での片手小指懸垂と、鳳来(愛知県)にある『現身』の一本指ポッケパートを小指で登ることです」

リザルト詳細
(上記ページ内下部にある各ROUNDを選択)

大会エントリーは「ONE BOULDERING」より

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取材・文

編集部 /

協力

THE NORTH FACE CUP 2020


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