楽天グループは、2023年9月4日、楽天市場のおせち関連商品についての購買データや調査結果を踏まえた「『楽天市場』おせち 2024 トレンド予測」を発表した。

楽天市場では、約1.4万点(8月30日時点)の多様なおせちを取り扱っている。
中でも、2024年は「奮発おせち」や「特化型おせち」が注目されているほか、比較検討ニーズの高まりから「おためしおせち」にも人気が集まっている。
○コロナ禍でECサイトでのおせち購入が定着

アンケート調査で「過去1年の間におせちを購入したことがある場所」として、「ECサイト(36.7%)」が1位になるなど、コロナ禍を経て、ECでのおせち購入が定着している。こうしたトレンドを受けて、2020年から2023年の楽天市場におけるおせちの流通額は約1.9倍に拡大した。

2022年は、おせちの流通額の約1割を9月までの購入が占めたことから、今年は8月18日に特集ページ「楽天市場おせち特集2024早割など早期特典も」を開設し、早期予約に対応した商品や早期予約特典付きの商品を紹介している。
○2024年は「奮発おせち」や「特化型おせち」の二極化

新型コロナウイルス感染症の5類移行後初の正月を迎える2024年。4年ぶりに気兼ねなく家族や親せきと集まれることから、楽天市場では大人数向けの大容量のおせちや、豪華な食材を使ったもの、品目数の多いものなど、おせちに奮発する人が増えると予測している。


楽天が30代~60代の男女1,355人を対象に行った「今年の年末年始の過ごし方」に関するアンケート調査では、回答者の約9割が「自宅や帰省先、親族の家などで正月を過ごす」と回答。約5割が「3~4人用」、約2割が「5人以上用」のおせちを購入予定と答えている。

一方で、ライフスタイルや価値観の多様化から、おせちへのニーズも多様化しており、手作り料理と購入した「単品おせち」を組み合わせて楽しむ人や、「肉づくし」「オードブル」「フルーツ」「スイーツ」など特定の食材に特化したおせちを購入する人も増えている。

アンケート調査では、3割以上の人が「伊達巻きやかまぼこなどの単品食材を購入予定」と回答。その理由として「好きな食材だけ追加で多く揃えたいから(35.0%)」「好きな食材だけ食べたいから(33.3%)」が上位に挙がっており、「自分好みのおせちを選びたい」「おせちをカスタマイズしたい」というニーズの高まりがうかがえる。
○事前に比較検討できる「おためしおせち」も人気

近年、おせちや贈答品などをECで購入する人が増えていることから、ユーザーの“失敗したくない”というニーズが顕在化している。


楽天市場ではこうしたニーズに対応する、低価格・少量でお試しできる「おためしおせち」が人気を集めており、2023年の注文件数は、2020年と比較して約4倍にのぼっている、

今年は購入するおせちの容量や購入金額が上がることが予測されるため、比較検討ニーズがより顕著になり、レビューが充実した商品や「おためしおせち」がさらなる人気を集めるとみられている。
○「ペット用」やふるさと納税の返礼品におせちを選ぶ人も増加

近年、ペットと一緒にハレの日を楽しみたいという需要が高まっていることから、楽天市場でもペット用のおせちが登場。前述のアンケート調査で、約9割の人が2024年の正月は「自宅や帰省先、親族の家などで正月を過ごす」と回答していることから、家族の一員であ
るペットと一緒におせちを楽しむ人も増えると予想される。

また、近年はふるさと納税の返礼品としておせちを選ぶ人も増加している。「楽天ふるさと納税」におけるおせちへの寄付額は、2020年から2023年のあいだに約6倍に拡大しており、今年もこの傾向は継続すると考えられる。

日本人にとっては伝統的な正月の祝い方である「おせち」。
ECの普及やライフスタイル・価値観の変化を受けて、おせちのありようも変わってきているが、「大事な人と一緒に新年を祝いたい」「年のはじめは特別感を味わいたい」という気持ちは変わらないようだ。

春奈 はるな 和歌山出身、上智大学外国語学部英語学科卒。信念は「人生は自分でつくれる」。2度の会社員経験を経て、現在はフリーランスのライター・広報として活動中。旅行やECをはじめとした幅広いジャンルの記事を執筆している。旅をこよなく愛し、アジア・ヨーロッパを中心に渡航歴は約60ヵ国。
特に「旧市街」や「歴史地区」とよばれる古い街並みに目がない。ブログ「トラベルホリック~旅と仕事と人生と~(https://harubobo.com/)」も運営中。 この著者の記事一覧はこちら