「子どもに算数を教える」「テックサポート」「料理のアシスタント」など、GPTsによって特定の目的のためにカスタマイズしたChatGPTを実現できる。ChatGPTにはすでにプラグイン機能があるが、GPTsの特徴はコーディングのスキルなしで簡単にカスタマイズしたAIチャットボットを構築できること。作成ツールのGPT BuilderはChatGPTと同じ対話型のインターフェイスで、自然言語で会話しながらGPTを完成できる。AIソリューションの今後の大きな可能性として注目を集めるカスタムAIを多くの人が活用できるようにする。
以下はキーノートでサム・アルトマン氏が行ったGPT Builderのライブデモだ。同氏は2020年までスタートアップアクセラレータのY Combinatorの会長を務めており、今でも起業家から相談を持ちかけられることが多いという。そこで起業家にアドバイスするGPTを作成した。
GPT Builderにアクセスし、[Create]欄を選択。
(GPT Builder)「何を作りたいですか?」
(アルトマン氏)「スタートアップの創業者がビジネスアイデアを考え抜き、アドバイスを得る手助けをしたい。創業者がアドバイスを得た後は、なぜ成長スピードが上がらないのか、その理由を追及する!」と入力。
それに基づいてGPT BuilderがGPTのベースを作成。
(GPT Builder)「名前は何にしましょう。例えば"Startup Mentor"はどうですか?」
(アルトマン氏)「いいね」と回答。
続いて、GPT Bulderが画像生成AI「DALL-E」を使ってプロフィール画像を自動生成。
(GPT Builder)「プロフィール画像はこれでどうでしょうか。修正したいところはありますか?」と聞いてきた。
(アルトマン氏)「すばらしい!」とOKを出した。
(GPT Builder)「Startup Mentorがインタラクトする方法を洗練させましょう。ユーザーとのやりとりの中で、何を強調すべきか、何を避けるべきですか?」
メンターとしての助言や指導の方法、アプローチ、キャラクターなどを定められる。
(アルトマン氏)「私がこれまでに行ったスタートアップに関する講演のトランスクリプトをアップロードするので、それをもとにしたアドバイスをお願いしたい」。
最後にGPTの内容を[Confgigure]欄で確認し、細部を修正する。同欄には、名前、概要、インストラクション、会話のスタートになる質問の例(例:How can I refine business ideas?)、機能(Webブラウジング、DALL-E、Code Interpreter)などが記載されている。アルトマン氏は、インストラクションに「フィードバックは簡潔かつ建設的に」と付け加えた。説明しながらでも3分程度で完了した。
完成したアルトマンGPTのプレビュー機能で「初期ステージのスタートアップで従業員を雇用する際に見るべき3つのポイントとは?」と質問、それに対するGPTの回答が下の画像だ。
GPTsはユーザーのプライバシーと安全を優先した設計になっており、GPTsのチャットがビルダーと共有されることはない。GPTを改善するためにビルダーが何らかの利用データにアクセスできるようになるかは不明。GPTストアにはレベニューシェアを導入するが、分配比率など詳細は後日明らかにする。
申請されたGPTをOpenAIの使用ポリシーに照らして審査し、またビルダーの身元を確認できるシステムを導入して、詐欺やヘイト、アダルトテーマを含むGPTが共有されるのを防ぐ。GPTストアに登録されると、GPTは検索可能になる。