日立製作所(日立)は3月11日、米アマゾン傘下でクラウド事業最大手の米アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)と3年間の戦略的協業契約を締結したと発表した。顧客企業のシステムモダナイゼーションとクラウド移行を加速させるため、ハイブリッドクラウド向けソリューションの開発を強化する。
加えて、日立の技術者によるAWS認定資格の取得を推進し、現在の2000人規模から4000人規模へと倍増させる計画だ。

日立とAWSは2021年より共同でソリューション開発に取り組んでいる。2022年には、日立のストレージとAWSのクラウドストレージサービスであるAmazon Simple Storage Service(Amazon S3)にまたがる共通データの運用管理、そして日立のストレージとAWS間の接続パスの冗長化による可用性向上を実現させた。

今回の協業により、生成AI(人工知能)の登場で加速するデータ統合や利活用の顧客ニーズへの対応に向け、ミッションクリティカルシステムのモダナイゼーションとクラウド移行推進を共同で推進していくことを複数年で目指していく。

具体的には、オンプレミスの日立ストレージとAWSのクラウドの連携を強化し、共通データ基盤の運用の効率化・自動化に向けた取り組みを進める。さらに、日立のSaaS型統合システム運用管理と、AWSのフルマネージド型サービスである「Amazon Bedrock」との連携により、ユーザーが生成AIと対話形式で障害発生原因の特定や対応策の検討をできるようにする。


また日立は、運用支援体制の強化に向け、ミッションクリティカルなシステム構築・運用の経験が豊富な日立の技術者を中心に、AWS認定資格の保有者数4000人規模を目指す。これまでオンプレミスで培った、ハードウェアからミドルウェアまで垂直統合したミッションクリティカルな基幹システム向けのサポートサービスをAWS環境でも提供できるようにしていきたい考えだ。