ミュージカル『王様と私』の公開ゲネプロが8日に東京・日生劇場で行われ、北村一輝明日海りお朝月希和、竹内將人、木村花代、中河内雅貴、今拓哉小西遼生が取材に応じた。

同作は1952年に初演を迎え、リチャード・ロジャース&オスカー・ハマースタイン二世の代表作として、世代を越えて世界中で上演されているミュージカル。
1860年代のシャム(現タイ)を舞台に、同国の王(北村一輝)と、子供たちの家庭教師として呼ばれたイギリス人将校の未亡人アンナ・レオノーウェンズ(明日海りお)が、国籍や身分、性別を超えて、人としての信頼を深めてゆく姿を、「Shall We Dance?」をはじめとする名曲の数々を交えながら描く。
○■ミュージカル『王様と私』公開ゲネプロにW主演の北村一輝・明日海りお登場

ミュージカル初挑戦で王様役となった北村は「不安ですよね。やったことがない、今までと違うパターンで。ミュージカルってすごくやることがあるので、『できるかな』と不安な部分もありますけど、それも全部含めてまずは楽しもうかなと思っています」と意気込む。「勝手が違いますよね。映像の世界とは。
そこはかなり苦労しました」と苦労を見せつつ、「声がきれい」という噂について聞かれると、「言っちゃっていいんですか? ちょっと待ってください、自分で答えられないですよね」と苦笑。「僕も強気でいろいろ言ってるわけです。けど、まあまあですよ。そうでもないんですよ。そう言った方が盛り上がるかなと思って『うまいですよ』と言いますけど、まあ、普通。でも、いいかもしれませんよ。
聞く人によって違いますからね」と謙遜していた。

明日海は北村について「最初から『ミュージカル初挑戦なのかな?』と思うくらい声の張りがすばらしくて。毎日皆さんとお芝居を深めていく中でたくさんの時間お稽古をしてくださってたので、私は勝手に楽しみです。幕が開いて、お客様がいるバージョンの北村さんってどうなるんだろうなって」と期待。

北村は「めっちゃやりにくい」と抗議し、何か言いたそうにするも、明日海は「本当に緊張されてますけど、王様のナンバーはとっても聞き応えがあるので。楽しいんですよ。
だから、ご期待ください!」とまとめる。北村は「皆さんの歌がすごいんですよ。色々な宣伝で『僕、けっこう歌えますよ』と言った時は、実はまだ皆さんの歌を聞いてなかったんです。聞いた瞬間に『失敗したな』と思ったんですよ、レベルが違いすぎて。本当にすごいです。ぜひそこも楽しみにしていただければと思います」とメッセージを送った。


また、朝月は「新しい時代の女性の役を演じさせていただきますので、それを深めて、命懸けの愛の素晴らしさ、大きさ、強さをお客様にお伝えできるように精一杯頑張ります」、竹内は「不朽の名作に参加できて、とても嬉しいです。タプティム(朝月)と名曲を歌わせていただくので、とにかく頑張って命を懸けてタプティムを愛し抜きたいと思います」、木村は「初めての挑戦ができるような役どころにもなっておりまして。テーマとしては、大きな海という感じ。シャムの王国と王様を支える役どころをしっかりと演じていきたいと思っています」と意気込み。

中河内は「(今作は)初めて自分のお金でチケットを買って観に行った作品なんです。出番は少ないですし見せ場もないんですけど、この作品に出れるだけで幸せでございます」と語り、小西は「そんなこと思ってたのか」と驚く。
今は「僕も出番も少ないですけど」と続き、「北村さんは不安でいっぱいと言ってましたけど、視界良好だと思います。お客様と一緒に、無事航行を祈ってます」と船長という役柄に絡めてコメント。小西は「北村さんが演じる王様の右腕右足、右耳……右担当です。精一杯王様の助けとなるように演じていきたいと思います」と周囲を笑わせた。

W主演の北村と明日海は互いに「怖そう」と思っていたそうだが、実際に稽古を経て印象は変化したという。北村は明日海について「ふにゃ~」と表し、「いや、しっかりもされてますよ。
基本的に皆さんにすごく優しくしていただいてます」「イメージとしては、レースのカーテンのような。ふわっとした感じ。ブラックコーヒーより、カフェオレ、ミルク多めみたいな。はちみつとかいろいろ入ってそうな」と喩える。逆に明日海は「怖そうと思っていたんですけども、先ほどまで稽古しててもすぐいろいろ心配してくださって、『ここ、こうしようか』『ああいうふうにやるのはどう?}
といつも提案してくださいますし、優しいです」と感謝していた。

公演は東京・日生劇場にて4月9日~30日。