●声の仕事に喜び「幸せだなと思いながら過ごしている」
映画『ブルー きみは大丈夫』(6月14日公開)で実写吹き替えに初挑戦したKis-My-Ft2宮田俊哉にインタビュー。声優業のやりがいや、自身の持ち味である全力姿勢への思い、今後の抱負など話を聞いた。


本作は、「子供のときに一緒に遊んだ空想の友達が、もしも大人になった今でもそばで見守ってくれているとしたら……」という独創的な発想から生まれた、孤独な少女ビーと子供にしか見えない“もふもふ”なブルーの物語。日本語吹き替え版のブルーの声を宮田俊哉、ブルーを助けるために立ち上がる少女ビーの声を稲垣来泉が演じた。

アニメ声優はこれまでも多く務めてきた宮田。声優の仕事にとても喜びを感じているという。

「声のお芝居はすごく好きです。もともとアニメが好きで、子供の頃からかっこいいなと思ったセリフを家で真似したりしていて、大人になった今、そういうお仕事をさせてもらえるのはすごく楽しくて、毎日幸せだなと思いながら過ごしています」

実写吹き替えは今回が初めて。「もふもふしたくなるような声色にしたいとのことで、普段自分が話している声より少し高めにしました」と意識したことを明かし、「めちゃくちゃ難しかった」と吐露する。

「日本語と英語を同時に聞きながらお芝居したのですが、つい日本語に反応してしまったり、僕、英検3級を持っていて中1レベルの英語は理解できるので、英語にも反応してしまったり(笑)。言葉に反応してしまうのを抑えて感情を言うのが難しいなと思いました。また、くしゃみを我慢する瞬間や、口を押さえられて『プププププ~!』と発するところなども難しくて、けっこう練習しました」

そして、「楽しかったのであっという間に終わっちゃったなと。難しさと楽しさを同時に知った1日でした」と振り返った。

○演じたブルーは「俺みたい」 全力姿勢や食の好みが似ている

ブルーのことを「不憫かわいい!」と愛おしそうに話す宮田は、「演じていくにつれて、『俺みたいなヤツだな』と思ってきて、ファンの方のコメントを見ても『みやっちじゃん』って。
『俺こんな大きくないよ』と思いつつ、うれしかったです」と満面の笑み。自身とブルーの共通点について「ブルーもちょっと優柔不断で、弱気な部分もあるけど、頑張る。僕も全力というのをすごく意識しています」と語った。

続けて、自身について「器用なタイプではなく、人より時間がかかるタイプ。だから人よりやらなきゃいけない」と述べ、だからこそ全力姿勢を大切にしているのだという。

「何ならみんなと張り合えるかなと思ったときに、熱量だけは誰にも負けないようにしようと。ライブとかで少し力を抜いたパフォーマンスをかっこよく見せられる方もいますが、そういう技術が僕はあまりなく、全力でやるのが自分の持ち味だと思っているので、そういうところがブルーに似ているなと思います」

本作のアフレコも全力で挑んだ宮田。

「いろんな声優さんとお芝居させてもらったときに、動かずに表現する方もいれば、手を使ったり、全身で声を出す方もいて、いろんなスタイルあるんだなと思いました。自分のスタイル見つけようと思ったときに、やっぱり全力が俺のスタイルでした!」

コーヒーとクロワッサンが好きなブルーとは、食の好みも似ているそうだ。

「僕もコーヒーがめっちゃ好きで毎日飲むので、ブルーと一緒だって。パンも好きでよくパン屋さんに行っているので、好きなものが一緒だなと思いました。僕はクロワッサンよりももう少しヘルシーなものを食べています。
でも、もふもふになるためにはクロワッサンか! もふもふになりたいですよね(笑)」

目指すは「エンターテイナー宮田俊哉」 グループと個人の夢も語る


2005年にKis-My-Ft2を結成し、2011年にCDデビュー。グループの活動に加え、声優の仕事など活躍の幅を広げているが、個人の活動もグループに還元するという意識はずっと変わらないという。

「僕はグループ活動がメインなので、1人の活動がグループにどうやったら返ってくるかなというのを常に意識しているというのは、ずっと変わっていません」

その上で、変化も明かす。

「年を重ねていくにつれてやりたいことがどんどん増えていき、グループの夢と個人の夢が分かれてきて、僕は欲張りなのでどっちも叶えたいんです。1人の仕事とメインであるグループの仕事、2つ叶えるためにはどうしようという風に考え方が変わってきました」

そして、グループの夢について「CD100万枚売りたいという思いはずっとあって、あと、まだできていないドーム公演もやりたいなという夢を持っています」と述べ、個人の夢については「アニメを作るのが夢なので、アニメを作りたいと思っていますし、吹き替えのお仕事も好きで、アニメの声優のお仕事も好きなので、そういうのもずっと続けていきたいです」と説明。

さらに、「芝居など表現することもそうですし、ものを作ることも好きで、アイドル宮田俊哉から、アイドルだけどエンターテイナーの宮田俊哉になっていきたいなと。何でもやるよ! というエンターテイナーになりたいです」と目を輝かせた。
○声優業はずっと“1年生”の意識 共演した声優たちから刺激も

また、声優が本業ではないからこそ、声の仕事をする際には「自分はずっと1年生だと思っている」と言い、「いろんな方の話を聞いて、『うわ~これできるの? すごいな!』と思うことがたくさんあるので、ずっと下っ端でいることが大事かなと思います」と語った。

共演した声優たちから学ぶことは多いようで、主人公の声優を務めたテレビアニメ『カードファイト!! ヴァンガード Divinez』(テレビ東京)で、共演の福山潤から「人間の構造としてこうしたらいい」などさまざまなアドバイスをもらったことを明かし、「恵まれた環境にいるなと思いました」と感謝。

『ブルー きみは大丈夫』でマジシャン・マウスの声を担当している島崎信長(崎はたつさきが正式表記)ともよく話をするそうで、「信長くんも芝居に熱くて、信長くんと話しているとすごく刺激を受けます。別の現場で会った時に『ブルー』の話もして、『自由に芝居できて楽しかった』という話を聞いて、『俺は自由に表現するって領域にまだ達してないな』と思いました」と語った。

所属事務所の中でも声優に挑戦している人が増えているが、「みんなから刺激を受けます」と宮田。「佐久間とかうまいなと思います」とSnow Man佐久間大介の名前を出した。


「僕は作られた陽キャ」と語るも常に笑顔を大切に


子供にしか見えない空想の友達=イフ(イマジナリーフレンド)を描いた本作。宮田は本作が放つメッセージについて「全体的にすごくハッピーに見えるけど、そこじゃないというか、イフたちはパートナー探しをしていたり、満たされてないはずだけど楽しそうというのが素敵だなと。イフたちが放つ空気感が刺さりました」としみじみ。

「落ち込んだり、満たされてないなと思うことって、たぶん皆さんあると思うんです。でも、『あぁ~』とならずに楽しそうにしている。そういう時は踊っちゃおう! というマインドになれるって、大事なことだなと思います」と語った。

宮田自身まだそういうマインドになれてないそうで、「『みやっちダンスできるもんね』と言われたら、『できるよ!』と言って、そこで踊り出すぐらいのマインドになりたいんですけど、僕は作られた陽キャで、根は全然陽キャじゃないので、そこまで行けない(笑)。憧れはあるんですけど」と照れ笑い。

陽キャを演じることで、そう変わりつつあるものの、完全には陽キャになりきれないという。

「根本は陰キャなので、陰キャの核があるんです。周りを陽キャで埋め尽くしていますが、まだ陰キャの核が自我を持っていて(笑)。SixTONESのジェシーとかは真の陽キャなのでいいなと。
僕も楽しそうに生きていきたいなと思います」

作られた陽キャだという宮田だが、常に笑顔で周囲を明るくする陽のパワーを持っている。

昔から笑顔は大切にしてきたそうで、「笑顔って大事だなというか、ピリついている現場が嫌なんです。楽しい方が絶対いいので。ふわっとした現場のほうがみんな楽しいなと思って、そこは意識しています」と述べ、「ピリッとしている方がかっこいいかなと思った時期もありましたが、僕は楽しく笑顔の現場の方が好きです」と笑った。
○「家でイマジナリードッグを飼っている」 犬との暮らしを熱望

また、宮田も「家でイマジナリードッグを飼っています。柴犬を2匹。名前は麦とホップです。僕、ビールが好きなので!」と驚きの告白。「麦!」「ホップ!」と声をかけて楽しんでいるそうで、「佐久間と一緒にペットショップを巡るというワンワンパトロールをしていた時期があって、その時期は本当に家にイマジナリードッグがいて、僕には見えていました(笑)」とうれしそうに話した。

実際に飼う際も柴犬を飼いたいそうで、「柴犬が大好きなんです。かわいいじゃないですか。ブルーみたいでちょっと抜けているけど真っすぐで」と魅力を熱弁。
「実家のワンちゃんとよく一緒に寝たりしていて、犬って温かいですよね。今はイマジナリーなので体温は感じられてないですけど。いつかワンちゃんと一緒に暮らしたいです」と犬との暮らしを熱望していた。

■宮田俊哉
1988年9月14日生まれ、神奈川県出身。2005年にKis-My-Ft2を結成し、2011年にCDデビュー。個人としては『アサデス。KBC』(九州朝日放送)、『燃(萌)えよ!ラジオ』(FMヨコハマ)などのレギュラー番組を持ち、俳優や声優としても活躍。今年放送されたテレビアニメ『カードファイト!! ヴァンガード Divinez』(テレビ東京)で初の主演声優を務めた。また、5月に『境界のメロディ』で作家デビューを果たした。

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