阿部監督はつなぎの野球を志向しているが、あと1本が出ない現状にもどかしさも感じているだろう(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext

 巨人の得点力不足が深刻化している。先週行われた6試合では3敗3分と勝ちゲームはなし。

また、6試合で計4点しかあげられなかった。

 一方で失点は11点。雨天降雨コールドにより引き分けで9回まで行われなかった試合もあるが、1試合平均は2失点以下である。各試合で好投を見せた投手陣のその踏ん張りに打線がこたえられなかったことが、敗戦を増やした要因と言って良い。

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 ホームが遠い巨人ではあるが、まるっきり打てていないわけではない。16日の阪神戦では8安打、20日の広島戦では12安打を放つなど「Hランプ」を点滅させている。

それでも、点が取れない背景には長打力の低さも一因に挙げられる。

 先週6試合でホームランは0本。14日の広島戦で萩尾匡也が打って以来、ホームランは出ていない。ホームランだけではなく二塁打、三塁打も出ていないことも注目すべきだろう。先週6試合の二塁打、三塁打の数を振り返ると、16日(2本)、17日(2本)、18日(0本)、19日(0本)、20日(0本)、21日(1本)。1試合平均で長打は1本以下しか出ていないことになる。

 また、特筆すべきは20日の試合で12安打しているにもかかわらず、全て単打だったことだ。2桁安打をマークしながらも長打が1本も出ていない試合もあり、得点効率は明らかに下がっている。

 現在、巨人打線は“つなぎ”を意識したオーダーを組む傾向が強く、長打が期待できる打者は決して多くない。阿部慎之助監督の狙い通り、各試合でチャンスメイク自体はできているが、あと1本が出ずに得点を挙げられないシーンが目立つ。

 実際、チーム安打数はトップの中日とDeNAの161安打に肉薄する160安打を放っている巨人ではあるが、チームの得点圏打率はリーグ最下位の.186。ヒットは出ているがチャンスで打てていないことは数字からも明らかだ。

 長打が出れば、たとえ得点圏にランナーがいなくても1点が入ることもある。つなぎの意識を保つ一方で、巨人らしい空中戦を演じられる打線に組み替える必要もあるのかもしれない。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]