アジアの頂点に立ったが、ここからパリ五輪に向けてさらに過酷なメンバー入りサバイバルが始まる(C)Getty Images

 U-23アジアカップ(パリ五輪アジア最終予選を兼ねる)に臨んだU-23日本代表は、準決勝でイラクを2-0と下して決勝に進出。今大会の3位以内に与えられるパリ五輪出場権を獲得し、決勝ではウズベキスタンを1-0で撃破してアジアの頂点に立った。

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 パリ五輪出場を確定させてから早くも話題になっているのが、本大会での日本のメンバー候補だ。準々決勝でインドネシアに敗れ、衝撃敗退でオリンピック切符を逃した韓国のメディア『SPOTV news』からは羨みの声が伝わってきている。

「オリンピックシーズンになるといつも悩む。戦力を急上昇させるオーバーエイジ枠3枚を巡り『誰が良いか』考える。年齢制限がある五輪サッカーの一種の楽しみなのに、韓国は仮想のシナリオすら立てられない。一方、日本はヨーロッパ組が候補に挙がり、天秤にかける幸せな悩みに突入した。

実はアジア制覇よりも重要なのはオリンピックの準備。韓国にはできない悩みだ」

 韓国メディア『FOOTBALLIST』も「羨ましい日本!パリ五輪に久保、冨安、板倉など超豪華な欧州組招集の意気込み」と題した記事で日本のパリ五輪メンバーに注目。日本の報道として、オーバーエイジ枠には冨安健洋(アーセナル)、板倉滉(ボルシアMG)、伊藤洋輝(シュツットガルト)、町田浩樹(ユニオン・サン=ジロワーズ)、遠藤航(リバプール)らが候補と紹介し、こう続けた。

「守備陣にオーバーエイジを集中させるのは、23歳以下の攻撃陣は十分な戦力という自信があるからだろう。日本のトップスターの一人であるレアル・ソシエダの久保建英も選考対象で、彼は大会参加の意思が強いと伝えられている。さらに、デンマークのブレンビーで今シーズン8ゴール・6アシストを決めている鈴木唯人にも期待がかかる」

 A代表の主力ながら現在22歳の久保は、U-23枠なだけに特に注目が集まっている。

パリ五輪に招集される可能性について、スペイン大手紙の『MUNDO DEPORTIVO』が次のように展望した。

「日本からの報道によれば、日本サッカー協会はクボの意思はパリ大会に参加することだと主張しているが、レアル・ソシエダは、クボがオリンピックに参加することに賛成していない。アジアカップで激しい戦いがあり、ラ・リーガ開幕までの数週間、スター選手があのような消耗を強いられないことを望んでいるからだ。サッカーのスケジュールは非常に厳しいので選手のケアをしなければならないし、クラブはFIFAの日程以外で開催される五輪に選手を放出する義務はない。しかし、クボが招集され、本人がオリンピックへの出場を望んだ場合、クラブと選手は話し合い、合意に達するよう努力するだろう」

 オーバーエイジ枠の選出、久保出場の可能性は現時点では不透明。ただ、「豪華なメンバーを揃えれば、目標とするメダルへの期待が膨らむ」(『FOOTBALLIST』)のは間違いないだろう。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]